機能性表示最新情報 204号 / 血管の柔軟性と健康の関係

こんにちは。YDCのミッシーです。

先日あるネットの記事を読んでいたら、健康食品
ブームから機能性表示食品までの経緯として、1964
年の東京オリンピックでアメリカ人選手がビタミン
剤などを摂っていたことが話題になったのが端緒と
なっていました。

今年のオリンピックがどうなるのかはわかりません
が、残念ながらどう転んでもそんなエポックメイキ
ング的なことにはならなそうですね・・・。

さて、気を取り直して、今回の機能性表示最新情報
のご紹介です。

G37 エラスチン
「本品にはカツオ由来エラスチンペプチドが含まれ
ています。カツオ由来エラスチンペプチドには加齢
に伴って低下する血管のしなやかさ(血管を締め付
けた後の血管の拡張度)の維持に役立つことが報告
されています。」

カツオ由来エラスチンペプチドは、これまで膝関節
への訴求がいくつかありましたが、新たに血管に関
する訴求が登場しました。

血管に関するものとしては、先行する事例として次
のようなものがあります。

F623  プロシアニジン
「本品には、プロシアニジンB1及びB3が含まれるの
で、加齢とともに低下する血管の柔軟性(血管を締
め付けた後の血管の拡張度)維持に役立つ機能があ
ります。」

「しなやかさ」と「柔軟性」という表現の違いはあ
りますが、届出表示は両者ともよく似ています。
届出資料の記述にもいくつか似たところがあり、
G37は先行するF623をよく研究して申請されたのか
なと思います。

ところで、血管のしなやかさ(柔軟性)を維持
するというのは、健康の維持・増進にどう関係する
のだろうか、という疑問が湧きます。ぱっと思いつ
くのは動脈硬化の予防ですが、直接そこに結び付け
てしまっては、疾病の治癒・予防効果を標榜してい
ると言われかねません。

そこでF623やG37では、「血管内皮機能」というワ
ンクッションを置きます。F623では別紙様式5-1に、
G37ではSR内でその点を説明しています。

こういうことです。
(1)効果指標として採用しているFMDは血管内皮機
能を評価する指標である。

(2)動脈硬化は、血管内皮機能の低下を起点とす
るが、血管内皮機能の低下自体は、加齢に加えて喫
煙、運動不足、ストレス、塩分の過剰摂取などに
よって引き起こされ、適度な有酸素運動、食事な
どの生活習慣の改善により、回復可能である。

(3)よって、血管内皮機能によって示される血管
のしなやかさ(柔軟性)は、血管の健康維持の観
点で重要である。

重要なのは(2)です。
血管内皮機能の低下は加齢などで引き起こされ、生
活習慣の改善で回復する=疾病の段階ではないとい
うロジックになっています。これならば、機能性表
示食品の目的とする健康の維持・増進の範囲に収
まっていると言えるでしょう。

なお、マーケティング的には「F623 プロシアニジ
ン」は東洋新薬さん、「G37 エラスチン」は林兼
産業さんで、両者のせめぎあいも興味深いところで
す。

それでは、またメールしますね。