機能性表示最新情報 203号 / ストレスのイライラ感

こんにちは。YDCのミッシーです。
 
 
目下のところ関心事となっている新型コロナのワク
チン接種。
先日知人が受けたのですが、受けた後のだるさや摂
取した場所の痛みなどがあるそうです。人にもよる
と思いますが、前情報通り、というところでしょう
か。
特に接種を受けた腕が腫れて持ち上がらくなり、ド
ライヤーをかけるのも一苦労、とイライラしていま
した。
 
 
さて、今回の機能性表示最新情報は、そんなイライ
ラ感の話です。
 
 
G8 ワタナベオイスターDHМBA(ディーバ)ゼ
リーS
「本品には、牡蠣肉抽出上清由来3,5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcoholが含まれるので、仕事など
で生じる一時的なストレス(イライラ感)を緩和
し、睡眠の質(夢み)を向上させる機能がありま
す。また、日常生活で生じる中高年の方の一過性の
疲労感を軽減する機能があります。」
 
 
牡蠣肉抽出上清由来3,5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcoholは、2例目になります。以前
のものは、
 
D538 ワタナベオイスターDHMBA(ディーバ)
ゼリー
「本品には、牡蠣肉抽出上清由来3,5-dihydroxy-4-
methoxybenzyl alcoholが含まれるので、日常生活
で生じる中高年の方の一過性の疲労感を軽減する機
能があります。」
 
でした。
いずれもRCTによる届出となっており、D538で用い
られた疲労感の論文に、G 8ではストレス及び睡眠
の質の論文を加えた形となっています。
 
 
今回注目したいのは、 「ストレス(イライラ
感)」と「睡眠の質(夢み)」の部分です。どちら
も初出の表現にあたります。
 
 
まずは 「ストレス(イライラ感)」について見て
いきます。
G8では、職業性ストレス簡易調査票(BJSQ)を効果
指標として用いています。この中で、「領域 B【ス
トレスによっ ておこる心身の反応】」の
「Irritability」の2週後に群間有意差があったこ
とから導いたもののようです。
 
 
試験自体は4週間のセッティングで、4週時点では
「Irritability」に群間有意差なし、BJSQの他の項
目にも有意差なしなので、試験結果としてはイマイ
チな感じです。
 
 
ところでストレスに関する訴求としては代表的なも
のにGABAがありますが、採用する効果指標に違いが
あります。
 
 
GABAのSRなどで採用されているのは、脳波、副交感
神経活動、唾液中クロモグラニンA量 、唾液中コル
チゾール量などで、VASによる主観的疲労感もあり
ますが、メインは客観的指標であることがわかりま
す。
 
 
対してG 8 のBJSQは主観的な指標ですから、「イラ
イラ感」という主観的な表現になったものと考えら
れます。
 
 
次に「睡眠の質(夢み)」についてですが、こちら
の指標は「OSA 睡眠調査票 MA 版」です。この中の
第三因子「夢み」に有意差があったことから、それ
をそのまま届出表示に持ってきたというところで
しょうか。
 
 
ちなみに疲労感の軽減についても指標は「POMS-S」
を用いていますから、全体として主観的評価に基づ
いた届出表示である、ということが言えます。
 
 
主観的評価をメインとしたエビデンスにすると、科
学的根拠としてどうなの? と心配される方もおり
ますが、学会等で認められている合理的な指標であ
れば、何ら問題はありません。
 
 
それでは、またメールしますね。