機能性表示最新情報 200号 / 主要アウトカムと副次アウトカムの関係

こんにちは。YDCのミッシーです。
 
 
気づけば届出番号のF番代は、
ついに大台である1000を突破しましたね。
このところの増加の傾向からそうなる可能性が
高いことは、少し前にお伝えしましたが、
改めてみるとこの受理件数は大したものだと
思います。
次のG 番はどれくらいになるのでしょうか。
 
 
さて、それでは機能性表示最新情報のご紹介です。 
 
F1043
わたしのチカラ ENERGY(エナジー)
 
「本品には還元型コエンザイムQ10が
 含まれるので、一過性のストレスを
 感じている方の睡眠の質の向上
 (ぐっすり眠れること、眠りが深いこと、
 睡眠中に目が覚めないことなど)に
 役立つ機能や起床時の疲労感の軽減に
 役立つ機能、一過性のストレスの軽減に
 役立つ機能があります。」
 
 
届出者はカネカさんで、RCTによる申請です。
還元型コエンザイムQ10と言えば、
これまでは疲労感の軽減と、口のうるおいが
ありました。
今回新たに、睡眠の質と、ストレスの軽減が
加わったことになります。
 
 
更に届出表示で注目したいところは、
睡眠の質として、「睡眠中に目が覚めないこと」
とされていることです。
これは睡眠関係では人気の成分である
GABAやラフマにはない表現です。
 
 
同じような表現としては「中途覚醒を減らす」
というものもありますが、
こちらはクロセチンやコーヒー豆由来
クロロゲン酸類など、
併せてもわずか4例ほどですから、
レアな表現であると言えそうです。
 
 
さて、そんな一方でエビデンスである
論文との対応関係を見ていくと、
これは少々複雑です。
 
 
まず主要アウトカムは、ストレスについてが
「BJSQ」、睡眠についてが「JESS」
とされています。
次に副次アウトカムは、ストレスについてが
「VAS」、睡眠についてが「VAS」と「OSA-MA」です。
 
 
ところが試験結果は、主要アウトカムについては
摂取前後では有意差があるものの、
群間での有意差はなし。
対して副次アウトカムはいずれの指標いついても
群間有意差ありと、逆の結果だったら
良かったのに、というものになっています。
 
 
こういった問題について、
事後チェック指針の「2 科学的根拠として
明らかに適切とは考えられない具体例」では、
「主要アウトカム評価項目(通常1つを設定)
において表示する機能性についての有意な結果が
得られていないもの」を具体例として挙げています。
 
 
この点を意識したものと思いますが、
F1043は別紙様式5-3において、
「本試験はストレス、睡眠の質を多面的に
評価する試験系としており、主要アウトカム
だけでなく副次アウトカムの評価を加えた
Totality of Evidence の観点から試験結果を
評価すべきと考えます。」としています。
 
 
その上で、主要アウトカムの二つにも
摂取前後の有意差があったこと、
副次アウトカムはいずれも群間有意差が
あったため、
「Totality of Evidence の観点から」、
睡眠やストレス軽減の機能があることが
「合理的に説明できると判断しました」、
としたわけですね。
 
 
科学的には主要アウトカム、副次アウトカムは
細かく設定するべきと思いますが、
事後チェック指針などのことを考えると、
機能性表示取得を目指すのであれば、
主要・副次こだわらないほうが
よさそうにも思いますね。
 
 
それでは、またメールしますね。