機能性表示最新情報 196号 / スフィンゴミエリンの新訴求

こんにちは。YDCのミッシーです。
 
先週、ガイドラインやQ&Aの改正があったことを
ご紹介しましたが、その直前の21日に
届出データベースで長めのメンテナンスが
あったことはご存じでしょうか?
おそらくその時からだと思いますが、
ログインに使えるブラウザに
インターネットエクスプローラー以外の
ブラウザが加わっていました。
普段使いしているChromeなどで操作が
できるとなると、ぐっと利便性が上がりますね。ぜひお試しください。
 
 
それでは、
今回の機能性表示最新情報のご紹介です。
 
 
F884 リファイン 動き軽やかサポートw
「本品は、乳由来スフィンゴミエリンを
 含みます。乳由来スフィンゴミエリンには、
 健常な中高年の方がウォーキングなどの
 運動と併用すると、足の筋肉への神経伝達を
 助け、足の動き(動きの切り替え、合図に
 反応して足を踏み出すなど)をサポートする
 機能と、バランス感覚(足を上げてバランス
 を保つ)をサポートする機能が報告されて
 います。
 50代以上の方にお勧めです。」
 
 
届出者は花王さん。SRを二つ用いた届出で、
「バランス感覚(足を上げてバランスを保つ)」
は初出の表現となります。
 
 
さて、花王さんで乳由来スフィンゴミエリン
と言えば、これまでにも幾つか似たような
事例がありました。例えばこれです。
 
 
D457 リファイン 動き軽やかサポートa
「本品は、乳由来スフィンゴミエリンを含みます。
 健常な方がウォーキングなどの運動と併用
 すると、足の筋肉への神経伝達を助けるので、
 加齢によって衰える足の動き(踏み出す、
 止まるなど)をサポートして、歩行能力の維持
 に役立ちます。」
 
 
D457はRCT論文2報を用いた届出でした。
 
 
さて、今回のF884では、「足の動き」と、
「バランス感覚」でそれぞれ異なるSR
となっています。このうち、「足の動き」は、
既存のD457の届出表示を受け継いだものですが、
違いも見受けられます。
 
 
F884では5報の文献を採用しており、
このうちの2報はD457のRCT論文です。
新たに加えた3報については
それほど良い結果のものではなく、
これによって届出表示に新たな表現が
加わったということもありません。
むしろF884では歩行能力の維持という表現が
消えています。
 
 
元々のD457では、RCT論文2報により、
反復横とびの回数や4方向選択反応時間の
動作開始時間と反応時間に有意差があった
ことから、踏み出す、止まるといった動きの
切り替えなどの足の動きに関連する能力を
導いています。
 
 
さらにここから、踏み出す、止まるといった
動作の切り替えは歩行能力や歩行速度と
相関するとして、歩行機能につながる
という説明を別紙様式5-3で行っています。
 
 
D457の論文では上記のようなロジックのみで、
良く指標として使われる六分間歩行試験
のような、実際に歩行を測定する試験を
行っていません。
この点について何らかの指摘があったのか、
あるいは事後チェックなどを鑑みて
エビデンスが弱いと判断したのか、
F884では単に「足の動き(動きの切り替え、
合図に反応して足を 踏み出すなど」に
とどめたのかもしれません。
(>>>https://www.yakujihou.com/merumaga/20210403.pdf
 
 
代わりに新しいSRで「バランス感覚」を
追加して、より脚や下半身の運動能力に
フォーカスした届出表示としたというところ
でしょうか。
 
 
ちなみにこの新しいSRは2報の文献を採用。
バランス感覚を導く指標は「閉眼片足立ちの
時間です。」また、「バランス感覚を維持する
ことは健康寿命延伸に重要である」として、
バランス感覚の維持とQOLの関係に言及する
ことで、この訴求が健康の維持・増進の範囲で
あることを明らかにしています。
 
 
それでは、またメールしますね。