機能性表示水面下情報~279号~ PRISMA2020の書き方(2)

元政府委員、YDC(薬事法ドットコム)社主の

林田です。

4月からPRISMA2020が完全施行となります

が、前回に続き、その中の中心となる研究論文

の「確実性」の書き方について説明したいと思

います。

「確実性」は、

(1)バイアスリスク(狭義)、

(2)非直接性・不精確・非一貫性、

(3)その他(出版バイアスなど)、

にブレークダウンすることができます。

今日は、(2)非直接性・不精確・非一貫性に

ついて説明します。

A.非直接性

非直接性とは、PICOSと採用研究のずれを検

討するものです。

検討項目はこちらに示しました(>)。

B.不精確

値の精確性やサンプルサイズを評価します。

こんな感じです;

メタアナリシスを実施している場合、統合値の

95%信頼区間の幅が大きく、上限値と下限値で

は臨床的に意味することが異なる場合には(-1)

を検討する。統合に用いた研究の合計サンプル

サイズが800人以下の場合は(-1)を検討する。

上記がともに該当する場合は(-2)を検討する。

メタアナリシスを実施していない場合、不精確

は(-1)とする。さらに、定性的な評価の中で重

要視される研究(有意差がある、有効量に関わ

るなど)について、サンプルサイズに問題があ

る場合(1群が10名に満たないなど)には(-2)

とする。

C.非一貫性

各研究のずれを評価します。

こんな感じです;

メタアナリシスを実施している場合は「項目

13:研究の統合」で示した方法による統計的

な異質性の有無と程度を検討する。I2検定が

中程度(30%-60%)の場合は(-1)、それ以上

の場合には(-2)を検討する。

メタアナリシスを実施していない場合は、各報

告の平均値差、P値などから効果の方向性のば

らつきを検討する。効果の方向性のばらつきが

少数である場合は(-1)、半数以上が逆の方向性

を示す場合は(-2)を検討する。

上記いずれの場合においても、非一貫性が確認

され、その要因が説明できない場合にマイナス

の評価を決定する。

また、採用文献が1報などで非一貫性の評価

ができない場合は(-1)とする。

■いかがでしたか?

機能性表示の制度改定をそのまま伝えるだけで

なく、ビジネス的に見て気をつけるべき点をレ

クチャーするセミナーを3月28日に緊急開催

することにしました。

こちらです。

>>>