機能性表示水面下情報~275号~ プラズマ乳酸菌「世界初」はOK?

元政府委員、YDC(薬事法ドットコム)社主の

林田です。

今日はQ&Aです。

Q.キリンさんのiMUSEは、パッケージで

「”世界初” 免疫細胞pDCに働きかける乳酸菌」

と訴求し、「※ヒトでpDCに働きかけることが

世界で初めて論文報告された乳酸菌(PubMed

及び医中誌Webの掲載情報に基づく)」と

注記していますが、この “世界初” 訴求はOKで

すか?

A.1.PubMed及び医中誌Webで調べる限

り他にはない、というロジックなので、

PubMed・医中誌Webが拾っていないものも

論理的にはありえます。

よって、そういう注での限定付で “世界初” と

訴求してよいか?ということになります。

2.このような注記は打ち消し表示と呼ばれ、

景表法の観点からその有効性が問題となりま

す。

「注を付ければその注が正しい限りOK」とい

うわけではなく、訴求を全否定するような打ち

消し表示は無効です。

たとえば、「首から下げていればオープンカフ

ェでも除菌できる!」と訴求しながら「密閉空

間でのエビデンスあり」と注記しても、この打

ち消し表示はオープンカフェでもOKという訴

求を全否定しているので、この打ち消し表示

は無効です。

3.対し、本件は、英語文献はPubMedで、

国内文献は医中誌Webでほぼ網羅できるの

で、この打ち消し表示は有効であり、この “世

界初” 訴求は景表法に違反しないと言えます。