特集、HMB vs HMBカルシウム、サラシノール vs
ネオコタラノール
1.HMB vs HMBカルシウム
(1)HMBの関与成分の捉え方は変遷があります。
第1期はD72
「本品には、3-ヒドロキシ-3-
メチルブチレート(HMB)が含まれます。
3-ヒドロキシ-3-メチルブチレート
(HMB)には、自立した日常生活を送る上で
必要な筋肉量及び筋力の維持・低下抑制に
役立つ機能、歩行能力の改善に役立つ
機能が報告されています。」
までで、HMBを関与成分と捉えていました。
(2)ところが、この時期あたりで、
「関与成分は摂取時の状態で捉える」
という消費者庁の考え方が確立し、
「HMB×、HMBカルシウム〇」となり、
D548
「本品には、カルシウム ビス-3-
ヒドロキシ-3-メチルブチレート
モノハイドレート(HMBカルシウム)が
含まれます。
カルシウム ビス-3-ヒドロキシ-3-
メチルブチレートモノハイドレート
(HMBカルシウム)には、自立した日常
生活を送る上で必要な筋肉量及び筋力の
維持・低下抑制に役立つ機能が報告
されています。また、この機能と共に
運動との併用により腹部の脂肪の減少に
役立つ機能が報告されています。」
以降、関与成分をHMBカルシウムと捉えない
と受理されない時代となりました。
これが第2期です。
(3)然るに、先週受理されたE410は
「本品には、HMB(別名として、
3-ヒドロキシ-3-メチルブチレート)が
含まれます。
HMB(別名として、3-ヒドロキシ-3-
メチルブチレート)には、運動との
併用で、健康で自立した日常生活に
欠かせない筋肉量や筋力の低下の抑制に
役立つ機能があることが報告されて
います。」
HMBを関与成分と捉えています。
(4)E410は、摂取時の状態がHMBカルシウム
でなくHMB遊離体なのかもしれません。
つまり、これまでのものとは「成分の
在り方が違う」というロジックです。
それならば、「関与成分は摂取時の状態で
捉える」という考え方には符合します。
(5)しかし、E410の採用文献は、[1]Bertonら
2015、[2]Stoutら2013、[3]Deutzら2013、
[4]Vykovichら2001、[5]Pantonら2000、
[6]Wilsonら2014の6報です。
このうち[1]~[5]は第2期で採用されていた
おなじみの文献です。
この点からすると、「E410は第2期と成分の
在り方が違う」とは言えません。
(6)要は、あちらを立てればこちらが立たず
というわけです。
2.サラシノール vs ネオコタラノール
(1)サラシノールとネオコタラノールの
対立についてはこれまでにも書いたことが
ありますが(9月3日 号)、先週受理された
E417が新たな火種を追加しています。
そのE417は
「本品にはサラシア由来サラシノールが
含まれます。
サラシア由来サラシノールには食事から
摂取した糖の吸収を抑え、食後血糖値の
上昇をゆるやかにする機能があることが
報告されています。」
を届出表示とし、[1]Heacockら2005、
[2]Jeykodiら2016、[3]Koteshwarら2013、
[4]Beppuら2005、[5]Nakamuraら2013、
[6]Kobayashiら2010、[7]Kitabayashiら2007、
[8]Ozakiら2008を採用文献としています。
(2)しかし、[6]はサラシア由来ネオコタラノール
を関与成分とするE185
「本品にはサラシア由来ネオコタラノールが
含まれます。
サラシア由来ネオコタラノールには、糖の
吸収を抑え、食後血糖値の上昇をゆるやかに
する機能があることが報告されています。
食後血糖値が高めの方に適した食品です。」
が採用文献とするもので、[8]は
ネオコタラノールを関与成分とするC96
「本品には、ネオコタラノールが含まれます。
ネオコタラノールには、食後血糖値の上昇を
抑制する機能があることが報告されています。
本品は、血糖値が高めの方に適しています。」
が採用文献とするものです。
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bsp; 実際、E417の様式V-7の表の「介入」には、
bsp; 実際、E417の様式V-7の表の「介入」には、
[6]について「ネオコタラノールとして」との
記述があり、[8]について
「コタラヒムブツエキス末」との記述が
あります。
(3)化学的にはサラシノールとコタラノールは
分子構造が違うと考えられるようです。
それでも両者を取り込んでSRを作り上げる
ことは可能なのでしょうか?
3.以上の2題については、今後も、お伝えして
行きたいと思います。
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