機能性表示水面下情報 ~156号/口腔内滞留時間

弁護士出身の実業家・林田です。

機能性表示食品は、通常摂取してから機能性
を発揮するのですが、口腔内で留まることに
より機能性を発揮するものもあります。

F549(>表示見本)がその例で、「本品には
緑茶フッ素が含まれます。緑茶フッ素には歯
の再石灰化を促進し、歯の表面を改善してむ
し歯の原因となる酸に溶けにくい状態にする
ことで歯を丈夫で健康にする機能が報告され
ています。」がヘルスクレームです。

そして、SR中にはこういう記載があります。

「採用文献における試験に用いられた食品の
性状はガムで、1回の咀嚼時間が20分であっ
た。ガムは咀嚼することで含有成分が唾液中
に抽出され歯の表面に接触する。一方、本届
出食品はタブレットタイプであり、タブレッ
トの崩壊に伴って口腔内で分散し含有成分が
唾液中に溶解し、歯の表面に接触する。つま
り、いずれも含有成分が唾液中に移行し歯の
表面に接触することで作用する。また、採用
文献において、被験者はガムを20分咀嚼して
いた。本届出商品は、かまずになめて摂取し
た場合、なめ終わるまでに1粒当たり平均9分
程度かかることを確認しており、1回に1粒ず
つ連続して3粒なめると平均的に20分以上か
けて摂取できる。従って、本研究レビューの
結果を本届出食品に適用することは妥当であ
る。」

要は、「口腔内に20分滞留することで機能性
を発揮する」というわけです。

そして、ガムならば20分咀嚼するが、本件商
品はタブレット。しかし、なめ終わるまでに
1粒当たり平均9分かかる。3粒なめると平均的
に20分以上かけて滞留することになる。

こういうロジックで、口腔内に20分以上滞留
することを導いています。

では、この「口腔内滞留時間」のポジション
はどこに位置づけたらよいのでしょうか?

「摂取上の注意」?

否、作用機序です。

「口腔内に20分滞留することで機能性を発揮
する」というわけですから、「口腔内に20分
滞留することで」は作用機序に該当すること
になります。

それにしても、厳密には摂取前である「口腔
内滞留時間」が問題になるというのは不思議
な事例です。