機能性表示水面下情報 ~110号/「日常生活における不安感」のミソ

先週土曜日の薬事の虎でミッシーがF263とG425を
取り上げて書いていた「不安感の軽減の不思議」を
今日はさらに掘り下げてみます。

1.まず、F263。

1)関与成分はcp2305カゼリ菌。届出者はアサヒ
 グループ食品社。RCT

2)健常な医学部学生が対象(60名)

3)医師国家試験に伴うストレスを以下の指標を用いて評価

A.調査票(STAI,GHQ-28,HADS,VAS)

B.唾液中のコンチゾール・クロモグラニンの量

C.睡眠の質(PSQI、脳波)

D.腸内環境(便性状、腸内細菌叢、糞便短鎖脂肪酸量) 

4)Aに関して、STAI-trait ansiety scoresのみ
 群間有意差あり

5)学術試験をストレスとして与える臨床試験は
 これまでにも複数報告されているので、
 「日常生活で起こりうる一時的な精神的ストレス」
 に対する評価法として広く用いられているとし、
 そこから「健康な方の日常生活における不安感の
 緩和」を導く。

2.次に、G425
1)関与成分は熟成ホップ由来苦味酸。届出者は
 ファンケル社。SR

2)SRは(A)Fukuda2020aと(B)Fukuda2020bを採用。

 (A)45-65歳。POMS2、「過去1週間を省みて日常的な
   気分状態」を評価し、群間有意差あり。

 (B)45-49歳。STAⅠの「特性不安」「状態不安」
   は群間有意差なし。「日本版日本人メタ記憶尺度」
  のうちの不安の項目で有意傾向。

3)(A)(B)の結果から、「日常生活における一時的な
 不安感の軽減」を導く。届出表示には抜けているが
 正しくは、「中高齢者の」と限定すべきところ。

3.結局、F263は、試験を受けるときのような不安を
 「日常生活における不安感」と捉え、G425は加齢による
  バクっとした不安感を「日常生活における一時的な
  不安感」と捉えている、と言えます。

4.これらに依拠して「日常生活における不安感」を導く際には
 各々の射程をよく見極めることが重要ですね。