こんにちは、林田学(Mike Hayashida)です。
食品の新たな機能性表示に関する検討会
~最終案解説と新制度下で成功する戦略~
について解説します。
※こちらの記事は前記事の続きです。
まずは【Part.1】を読んだ後に、こちらの記事をご覧下さい。
>>【Part.1】はこちら
【Part2.機能性表示のケーススタディ】
●Ⅰ. ヒアルロン酸サプリ
病気ゾーンにも改造ゾーンにも当たらないので、
機能性を言える範囲と考えられます。
すなわち、美容系サプリも機能性表示に乗れるわけです。
さて、女性にとって美容成分としてなじみが深い成分に
ヒアルロン酸、ピクノジェノールがありますが、
これらの成分は、機能性表示の有効成分、つまり、機能性関与成分になりうるのでしょうか?
具体的には、特定・定量・規格と作用機序が問題となります。
つまり、「特定」とは
原則として定量可能な成分と考えられます。
定量が可能であれば同一性の判断や再現性の実施も容易だからです。
定量が可能かどうかは、
日本食品分析センターのような準公的機関において、
定量が可能であれば問題がないですが
それ以外の場合は、
定量方法のオーソライズに関して
ケースバイケースの判断が必要となりますので、
詳しくはこちらよりメールにてお問合せ下さい。
では、ヒアルロン酸の場合はどうでしょうか?
こちらは食品分析センターで定量可能です。
一方、ピクノジェノールの場合はどうでしょう?
こちらは、食品分析センターでは定量できませんので、
判断は微妙となります。
それでは、以下ヒアルロン酸サプリを例として説明します。
1. 機能性の範囲
「ひざの健康に」なら言うことができます
2. 成分エビデンス
そういう場合には、有効成分外人部隊戦略が検討に値します。
3. 機能性エビデンス
●Ⅱ. 二日酔い防止と言えるのか?~しじみサプリの例~
「二日酔い防止」をうたうことができるようになるのでしょうか?
機能性表示とは実践的にはパッケージに何と書けるかという問題です。
他方、LPなどの広告がどうかというのは機能性表示とは別の問題です。
両者の関係は、トクホの許可表示とトクホの広告の関係と似ています。
病気ゾーンと改造ゾーンはNG、それ以外はOKとなりましたが、
「二日酔い防止」は改造ゾーンに該当しそうな感じです。
改造とは、
特に機能が不全なわけではないのにそれをさらに強化するということですが、
お酒の弱い人からすれば、「二日酔い防止」は「改造」に当たると言えるかもしれません。
つまり、「二日酔い防止」は機能性表示としては微
妙です。
これはパッケージ表記の問題で、LPなど広告は別の問題です。
広告に関しては、
機能性表示と同等の表現と言えれば薬事法違反とはなりません。
トクホの広告の運用を見ると、
この「同等」はあまり厳格に運用されていないようです。
1. 機能性の範囲
A案:しじみ含有のオルニチン→疲れた肝臓を元気に
すなわち、機能性表示はAとして、広告はBで行く。
その代わり二日酔いのエビデンスも備えておくというのが答えです。
2. 成分エビデンス
>>オルニチン研究会
3. 機能性エビデンス
YDC(JACTA)の臨床試験(A案の場合)の費用例
【Part3.機能性表示に乗らなくても効果が言えるもの】
●効果をうたっても薬事法違反にならないもの
厚労省が「部位を表示しても薬事法違反にならない」との立場を示したことから、
部位表現も機能性表示として認められることになりました。
機能性表示が使えるゾーンは薬事法がカバーしない例外ゾーンです。
このことを逆から見てみると、
そもそも薬事法がカバーしないゾーンは機能性表示制度に乗らなくても効果を言えるということです。
●§1.明らか食品は薬事法対象外
それに関して効果を述べても薬事法違反にはなりません。
MR(メディアレーション)が
5とか10とか驚異的な数字を出している例が続出しています。
但し、食品系のリピートは多くはありません。
健食の場合は、
CRMがうまく行けば年間5~6回の購買を実現することが可能です。
ここが大きな違いです。
効果が言える明らか食品をフロント商材として、
バックエンド商材を健食にするという方法が考えられます。
フロントを調味料としてのオリーブオイルにし、
バックエンドをオリーブオイルを使った健食にするわけです。
食品としての効果をうたっておいて、
売りたい商材(サプリメントなど)を並べて売れば、
機能性表示制度に乗らずに同等以上の効果を得ることも可能です。
●§2.明らか食品:景表法対策
※注:生鮮食品は明らか食品でいけるか?
●§2.置き換えダイエットの戦略: Ⅰ.S60通知による
ダイエットに関しては昭和60年の厚生省通知があり、そこではこう述べています
日常の食事カロリーが低いものを置き換えたのでやせるという訴求は
「薬事法違反とならない表示」です。
よって、置き換えダイエットの訴求であれば、
機能性表示制度に乗らずに今のままでも「ダイエット」は訴求できます
(但し、6・13の消費者庁の「お知らせ」は注意する必要があります)。