機能性表示制度|SRの死角。SRは目的か手段か?(その2)

こんにちは、
   林田学(Mike Hayashida)です。

機能性表示制度 
  
 ~SRの死角 
                SRは目的か手段か?(その2)

消費者庁が最新情報のUP

金曜にしているため
 

ここのところ土日はずっと
UP情報の分析


費やされています。

 

いろんな発見ができて楽しくもあるのですが

このままずっと土日なしかと思うと
寂しくもあります。

 

さて、SRを使っているケースには
 

SR専門家を登用しているケースが散見されますが
 

そのコスパはどうなのだろう?と考えたりします。


ここでもう一度
 

機能性表示とSRの関係
おさらいしておきましょう。

たとえば

乳酸菌で整腸作用の機能性表示をSR

でしようと
考えたとします。

 

 

1.まず、乳酸菌の整腸作用を研究している

  文献を探します

2.次に、その結果をまとめます

3.最後に、その結果をもとに、

  こういう結果が得られたから

  うちの商品で整腸作用の機能性表示ができると

  結論付けます。

 

 

 

SRを外注すると
 

専門家はこの1と2をやってくれます。

 

 

ところで、

SR専門家の専門性の見せ所は

いかに手広く文献を集めるか

いかに細かく分析するか

です。

 

 

100の文献を集め検討しているSRよりも
 

500の文献を集め検討しているSRの方が
 

SRとしてはレベルが高い、ということになります。

 

 

(あ)UPされているSRの中には

   日本語・英語以外の文献を集め考察

   しているものもあります。

(い)ですが、3の調査から本品への結び付けは

   どうするのでしょうか?

 

 

中には、
(あ)の調査には全く触れずに

(い)の結び付けを行っているものもあります

 

 

 

しかし、結果に生かせないなら
 

何のためのSRなのでしょうか?

 

 

 

SRの美学を追及することが

目的になっている気がします。

 

 

今のは実務的には

「無駄な支払いをしている」

ということになりますが、

もっと困った問題もあります。

 


 

緻密に分析すればするほど

集めた文献に色々問題点を
指摘することになります。

 

SRの美学という観点

からすれば

5の問題しか指摘できていないSRより
 

20の問題を指摘できているSRの方が
 

レベルは高いということになります。

 

 

その結果、

メーカーからすれば

この文献に頼りたいと思っているだろうとみられる

文献に対して、

SR専門家が

 

バイアスリスク-2

不精確リスク-2

 

などと評点を付けています。

 

-2は最低評価です。
 

バイアスリスクとはクオリティです。

ですから、
SR専門家のまとめは

この文献はクオリティも精度も最低
 

ということを意味します。

 

ここで困るのがメーカーです。
 

SRの分析はこういうことなんだけれども
 

その文献をもとに
「うちの商品には整腸作用がある」

という結論を導き出さなければなりません。

 

たぶんメーカーの担当者さんは

そこまで

厳密にSRしなくてもよかったのに・・ 

と思っているのではないでしょうか?

 

中には、

最後の結論の導き方に無理がある

この調査からこの結論は無理でしょうと

思えるものもあります。

 

こういうものは
60日間の周知期間
 

外部からの攻撃にあうかもしれません。

 

 

SRを検討されている方は

学会で発表するようなSRを作ることが目的なのか? 

機能性表示をスムーズにすることが目的なのか?

よく考えた方がよいと思います。

 

そのことは5月のセミナーで詳しくお話しましょう。