機能性表示制度|これでいいの???機能性表示届出第1弾(その2)

こんにちは、林田学(Mike Hayashida)です。

機能性表示制度 
  ~これでいいの???
            機能性表示届出第1弾(その2)~

について解説します。

最近は機能性表示のことが新聞によく出ています。
アメリカのように社会にしっかり根付いてくれれば

日本の社会経済的にも大きなプラスだと思います。

制度のデザインがよくわかっていない専門家は
「粗悪品が市場に氾濫する」的な
「国におんぶにだっこ」発想の批判をしがちですが

行政に頼らなくてもみんなの監視で
有効性安全性を担保していくのが
 
このアメリカ型制度の胆なのです。

私はそういう観点から
ブログで届出商品のレビューをしています
けして行政に対し、さらに厳しくチェックすべきと
言いたいわけではありません。

事業者はもっとよくチェックしてから
届出をすべきだと言いたいのです


さて、昨日は機能性表示番 号付与第1弾の8商品
 
これでガイドラインに適合していると言えるのか?
クエスチョンのものがほとんどだということ
お話ししました。


今日もその続きです。


たとえば、「えんきん」

こちらは機能性エビデンスはRCT
 
“「えんきん」摂取群:1.321±0.394D
(平均値±標準誤差)”という記述がみられます。


しかし
標準誤差はトリック的に使われることもあるせいか
 
ガイドラインp28にはこう書いてあります。

「介入前後の値を示すことは重要であるが、
誤解を招かないような提示が望ましい。
例えば、測定値のばらつきを平均値の標準誤差で
しめすこと・・は適切でない」。


あれ???という感じです。

また、>>>RCT12週ではなく4週間
 
その理由として、
「慢性的な目の機能障害に対する効果でなく
・・一時的な自覚症状の改善も含めた試験であるため」
と述べていますが
 
「手元のピント調節機能を助ける」という表示や
パッケージの「中高年の目の健康に」という表現
 
果たして「一時的な改善」なのか?という気がします。



また、>>>表示
「目の使用による肩・首筋への負担を
和らげます」は、

4週摂取前後のアンケート調査に

基づくものですが、他の関連性あるアンケート項目では
有意差が出ていないことも含めて考えると
このアンケートでここまで言えるのか?
という気がします。

次に、蹴脂粒。



こちらは、>>>リンク
用量設定試験から関与成分の1日摂取量を
割出し、12Wで有効性・長期摂取安全性試験を行い
4Wで5倍量過剰摂取試験を行うという
 
お手本となるような試験デザインです。


しかし、機能性表示は???です。

「本品は、キトグルカン(エノキタケ抽出物)を配合
 しており、体脂肪(内臓脂肪)を減少させる働きが
 あります。体脂肪が気になる方、肥満気味の方に適
 しています。」。


まず、「体脂肪(内臓脂肪)」とありますが

体脂肪と内臓脂肪は同視できるのでしょうか?



また、RCT論文>>>リンクを見ると
 
内臓脂肪はプラセボとの群間比較で
有意差が見られますが、体脂肪はそうではありません。



これでよいのでしょうか?


なお
こちらも有意差検定には標準誤差を使っていますが
そのことは消費者向けの様式Ⅰには

書かれていません。



思うに、機能性表示の表示


(1)マーケティング戦略が絡みます。

他方、それは

(2)ガイドラインのルール

そして


(3)試験データと矛盾しないこと

が必要です。



つまり、(1)(2)(3)。
一気通貫の戦略が必要なのです。



(1)は営業がやって
(2)は法務がやって
(3)は品管がやって、

では
うまくいきません。


すべてをわかるリソースが必要なのです


私どもの届出書類作成支援をお受けになれば
いろいろアドバイスできたのに・・・と思います。


これらの???は今後どうなるのか?

詳しいことは23日のセミナーで説明しましょう。