こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは機能性表示最新情報をご紹介します。
K1141 ねむりラクティウム
「本品には、デカペプチド(YLGYLEQLLR)
が含まれます。デカペプチド(YLGYLEQLLR)
は、日常的な生活で一時的に睡眠時間が足りな
いと感じている方の睡眠の質(寝つきのよさ、
眠りの深さ)の向上をサポートする機能がある
ことが報告されています。」
届出者はサンブライト社で、SRの作成はサン
ブライト社と、日本抗加齢医学会および日本抗
加齢協会。採用研究は2件。
注目したいのは、「日常的な生活で一時的に睡
眠時間が足りないと感じている方」という表現
です。今までの睡眠関係の事例では、睡眠の質
が気になる方のような対象者はよく目にします
が、睡眠時間が足りないと感じている方、とい
う設定は珍しいと思います。
ただ、対象者では睡眠時間へ言及しているの
に、文言の方では、睡眠の質(寝つきのよさ、
眠りの深さ)となっていて、睡眠時間が一切か
かわっていない、という点にちぐはぐさを感じ
ます。
その辺を含めて少し気になるところを見ていき
ましょう。
この「日常的な生活で一時的に睡眠時間が足り
ないと感じている方」がどこから来ているかと
いうと、採用研究の一つである河西2024のサ
ブグループ解析として、「睡眠時間が不足して
いると感じている被験者」での解析を行い、
PSQIの睡眠の質(C1)と、OSA-MAの因子
II:入眠と睡眠維持に有意差があったことによ
るものだと思います。全例解析では、PSQIの
睡眠の質(C1)では有意差ありだが、OSA-
MAの因子II:入眠と睡眠維持では有意差なし
のため、「睡眠の質(寝つきのよさ、眠りの深
さ)の向上」を言うために、サブグループ解析
の結果が必要だったと、整理できます。
ただ、この結果の整理の仕方にはいろいろと問
題があります。まず、河西2024の原文を見る
とサブグループ解析は事後的な解析だったと明
記されており、事前プロトコールにないものだ
ったことが分かります。当該のSRではその点
を見落としていたのか、特にこの問題には言及
されていません。
また、もっと大きな問題は、河西2024のサブ
グループ解析はこれだけではなく、「軽度な気
分の落ち込みを示す被験者」でも実施されてい
ますが、このデータは取り上げられていませ
ん。これは、SRにおいてサブグループ解析の
データをどう取り上げるか、明確にしていない
ことが原因と考えられます。
また、「睡眠時間が不足していると感じている
被験者」のサブグループ解析に関し、OSA-
MAの全5項目で有意差があるのは因子IIの測
定値のみ、PSQIの7項目+総合得点では、睡
眠の質(C1)の変化量だけが群間有意差あ
り、となっていることが分かります。なので、
SR上では採用された項目がほとんど有意な結
果を示しているように見えますが、実際には絞
り出した、といった感じのようです。
また、もう一つの研究であるKim2019に目を
向けて見ると、こちらは睡眠日誌とアクチグラ
フィーでの群間有意差となっています。ただ、
こちらも原文を見て見ると、PSQIの総合得点
の報告があり、その結果は群間有意差はなしと
いうものになっています(著者自身が考察にお
いて質問票で有意差がなかった点に触れてい
る)。こちらの報告では、総合得点だけで各項
目ごとの点数は示されていないため、睡眠の質
(C1)がどうなっているのかはわかりませ
ん。しかし、2研究で共通の評価指標が説明も
なく不採用になっている点は、エビデンスの信
頼性に疑問符がつくので気を付けたいところで
す。
それでは、またメールしますね。
