こんにちは。YDCのミッシーです。
相変わらず機能性表示で人気のある素材として乳酸
菌があります。むしろ一昨年以来からの免疫関係の
盛り上がりもあって、需要はさらに増えているよう
にも感じます。
菌などの分析を行えるとある分析機関さんでは、依
頼が急増して2,3か月待ちはざらとのこと。これか
ら乳酸菌で申請を考えている方は、分析に思わぬ時
間を取られることも考えられますので、お気を付け
ください。
さて、今回の機能性表示最新情報は、乳酸菌の分析
についてです。
まず、想定として、乳酸菌abc株を機能性関与成分
とした乳酸菌飲料を届出商品とします。
必要な分析は、乳酸菌abc株の含量を測定する定量
試験と、その菌が確かにabc株であることを確認す
る定性試験です。
ここで重要になるのがabc株の定量分析方法が、abc
株だけを特異的に測定する方法であるか否か、です。
特異的な方法である場合は、それにそって定量分析
と定性分析を行えば問題ありません。
特異的に定量分析ができるのであれば定性分析はい
らないのではないか、という考え方もあるかもしれ
ませんが、その分析方法が公定法などであればそれ
も通用するかもしれませんが、そうでない独自の方
法などの場合は、定性分析も必要となります。
次に、定量方法がその菌に特異的な方法ではない場
合です。
よくあるのは、本品にはabc株以外の菌は配合され
ておらず、製造の過程で他の菌が混入することもな
い、と説明し、総菌数=abc株の菌数とする方法で
す。以前はこの方法での受理もありましたが、最近
では、プラセボ品(機能性関与成分を抜いたブラン
ク品)の分析結果か、一般生菌の分析結果を提出せ
よ、と指摘されます。
プラセボ品の分析結果については、本品から乳酸菌
abc株を除いたもの(プラセボ)を分析して、菌数
がゼロなら、本品に含まれる菌は全てabc株、とい
う考え方です。正攻法の手段と言えます。
一方、一般生菌については、本品に配合されている
のがabc株のみであることを前提として、一般生菌
の数が総菌数に影響を与えていないことを証明する
というものです(一般生菌は食品衛生検査で行われ
る一般的なものです)。
簡単に式にするとこういうことです。
「総菌数」-「一般生菌」=「abc株菌数」
これでabc株菌数が規格値を下回らなければ良いと
いうことになります。
総菌数から、雑菌的なものである一般生菌を差し引
いたものがターゲットのabc株の数である、という
のは、本品に配合されているのがabc株のみである
という自己申告を前提としているため、分析として
は少し疑問なところもありますが、今のところ問題
なく受理されているようです。
それでは、またメールしますね。