機能性表示最新情報 234号 / 菌に特異的な分析の有無

こんにちは。YDCのミッシーです。

相変わらず機能性表示で人気のある素材として乳酸
菌があります。むしろ一昨年以来からの免疫関係の
盛り上がりもあって、需要はさらに増えているよう
にも感じます。
菌などの分析を行えるとある分析機関さんでは、依
頼が急増して2,3か月待ちはざらとのこと。これか
ら乳酸菌で申請を考えている方は、分析に思わぬ時
間を取られることも考えられますので、お気を付け
ください。

さて、今回の機能性表示最新情報は、乳酸菌の分析
についてです。

まず、想定として、乳酸菌abc株を機能性関与成分
とした乳酸菌飲料を届出商品とします。

必要な分析は、乳酸菌abc株の含量を測定する定量
試験と、その菌が確かにabc株であることを確認す
る定性試験です。

ここで重要になるのがabc株の定量分析方法が、abc
株だけを特異的に測定する方法であるか否か、です。

特異的な方法である場合は、それにそって定量分析
と定性分析を行えば問題ありません。
特異的に定量分析ができるのであれば定性分析はい
らないのではないか、という考え方もあるかもしれ
ませんが、その分析方法が公定法などであればそれ
も通用するかもしれませんが、そうでない独自の方
法などの場合は、定性分析も必要となります。

次に、定量方法がその菌に特異的な方法ではない場
合です。

よくあるのは、本品にはabc株以外の菌は配合され
ておらず、製造の過程で他の菌が混入することもな
い、と説明し、総菌数=abc株の菌数とする方法で
す。以前はこの方法での受理もありましたが、最近
では、プラセボ品(機能性関与成分を抜いたブラン
ク品)の分析結果か、一般生菌の分析結果を提出せ
よ、と指摘されます。

プラセボ品の分析結果については、本品から乳酸菌
abc株を除いたもの(プラセボ)を分析して、菌数
がゼロなら、本品に含まれる菌は全てabc株、とい
う考え方です。正攻法の手段と言えます。

一方、一般生菌については、本品に配合されている
のがabc株のみであることを前提として、一般生菌
の数が総菌数に影響を与えていないことを証明する
というものです(一般生菌は食品衛生検査で行われ
る一般的なものです)。

簡単に式にするとこういうことです。

「総菌数」-「一般生菌」=「abc株菌数」

これでabc株菌数が規格値を下回らなければ良いと
いうことになります。

総菌数から、雑菌的なものである一般生菌を差し引
いたものがターゲットのabc株の数である、という
のは、本品に配合されているのがabc株のみである
という自己申告を前提としているため、分析として
は少し疑問なところもありますが、今のところ問題
なく受理されているようです。

それでは、またメールしますね。