機能性表示最新情報 215号 / BMIと体重

こんにちは。YDCのミッシーです。
 
以前は言えていた表現なのに、最近になって差戻し
をもらった。方針が変わったのか?
そんなご相談は以前から多くあります。実際に方針
が変わって言えなくなったものもあれば、そうでな
いものもあります。
 
特に気を付けたいのが、体重やBMIが絡む表現です。
今回の機能性表示最新情報は、そんな体重やBMIを
絡める時の届出表示の組み立て方のお話です。
 
さて、まず最初に結論から言うと、「体重が減少す
る機能」は言えません。
そもそも体重には、健常者と疾病の境を分ける基準
値がないため、機能性表示では扱いづらい指標です。
 
一方で、「体重」の表現を使いながらも、受理され
ている事例もあります。例えば、葛の花由来イソフ
ラボンの下記のような届出表示です。
 
「葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類とし
て)には、肥満気味な方の、体重やお腹の脂肪(内
臓脂肪と皮下脂肪)やウエスト周囲径を減らすのを
助ける機能があることが報告されています。」
 
ポイントは体重を脂肪やウエスト周囲径に絡めて単
独では用いないことです。
 
さて、ここでもう一つ「BMI」という要素が登場す
ると、届出表示の組み立てがもう少し複雑になりま
す。
先ほどの葛の花由来イソフラボンのような届出表示
の中に、単にBMIという言葉を投げ込めばよいとい
うわけではありません。
 
BMIは体重と身長から割り出す値です。よってBMIと
体重は並列されず、BMIは体重を包含するような形
にする必要があります。つまり、「体重 and BMIが
減少し」ではなく、「体重が減少することで、BMI
が減少する」という作用機序的な言い方になります。
 
では、お腹の脂肪やウエスト周囲径とBMIの関係は
どうなるでしょうか。BMIの算出にお腹の脂肪やウ
エスト周囲径は関係していません。しかし、作用の
順番を考えれば、お腹の脂肪やウエスト周囲径が
減って、それは体重が減るということでもあって、
その結果としてBMIが減少することになります。
よって、これらもBMIに包含されることになります。
 
さて、それでは最終的にどうなるかというと、次の
例を見るのが早いと思います。
 
「エラグ酸は肥満気味の方の体重、ウエスト周囲径、
体脂肪、血中中性脂肪、内臓脂肪の減少をサポート
し、高めのBMI値の改善に役立つことが報告されて
います。」
 
お腹の脂肪やウエスト周囲径といった要素は並列化
し、作用機序的にまとめ、最後にBMIで全体をまと
めて締める、という形です。
 
ダイエット関係の訴求では、こうした作用機序的な
序列関係は厳しく見られるようです。
前は使えていた体重や体脂肪が急に差し戻しを受け
た、という方は、例えば体重、体脂肪、BMIを並列
的に扱っていないかなど、届出表示の表現が上記の
関係を適切に表せているかご確認ください。
 
それでは、またメールしますね。