機能性表示最新情報 207号 / 他社に真似されない機能性をとるには?

こんにちは。YDCのミッシーです。
 
 
YDCには協力する臨床試験機関のJACTAがあるため、
機能性表示のご相談を受ける際には、SRのみならず、
臨床試験での対応もご案内しています。
そんな中で、こんなお悩みをよく聞きます。
 
 
「せっかく費用をかけて臨床試験をするのだから、
その論文を他社の届出に利用されたくない」
 
 
実によくわかるお話ですが、現実にはなかなか難し
い問題と言えます。論文は一般に公開されますし、
そこには機能性関与成分の有効量が記載されますの
で、他社がSR に利用できてしまいます。
 
 
他社の利用を100%防ぐことができるわけではあり
ませんが、いくつかの対策は考えられます。
 
 
1.機能性関与成分を複数設定する。
この方法は一番手軽なやり方ですが、論文の利用を
直接的に防ぐというものではありません。
 
機能性関与成分を複数設定したとしても、同じよう
に成分を配合してしまえば、他社が論文を利用する
こと自体は出来てしまいます。しかすそうすると他
社が商品にオリジナリティーを持たせづらくなり、
後追いの物真似になってしまうことから、論文の利
用を避けるだろうという、心理的な作戦です。
 
設定する成分が多ければ多いほど効果は高くなりま
すが、自社での規格管理や定量分析などの手間が増
えるというデメリットはあります。
 
 
2.特許を取得する
これは防衛手段度しては一番強力かもしれませんが、
手間も費用も時間もかかります。それでも原料メー
カーさんなどであれば狙っていく価値はあるかもし
れません。
 
実際に、届出が受理されて公表された直後、その商
品で使っていた原料とは別の大手原料メーカーさん
から、特許に抵触していないかという確認のお手紙
が来た、という話もあります。
 
ただ、この方法は一般の販社さんにとっては敷居の
高い手段ではあります。
 
 

  1. エキスを機能性関与成分とする
    エキスの申請に際しては、エキスの同等性を確認す
    るために、論文でもいられた試験品や原料エキスの
    HPLC データなどを提出する必要があります。
     
    原料エキスのデータはともかく、試験品のデータは
    他社では入手が困難であるため一定の防衛効果が期
    待できるのではないでしょうか。
     
    問題はエキスの届出が難しいという点ですが、それ
    でも最近はエキスで受理される事例が増えてきまし
    た。 先行事例を踏まえて準備を行えば、エキスで
    の申請も以前ほど難しくはないと言えるのではない
    でしょうか。
     
     
    それでは、またメールしますね。