元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。
法律・医学・マーケティング・行政、4極の
コンサルティングを実践しています。
臨床試験のサンプルサイズをどうやって決める
か?
本筋は、これまでの知見に基づき「この数でや
れば有意義な結果が得られる」と思われる数で
行うということでしょう。
しかし「これまでの知見」がない場合もあります。
そういう場合は、サンプルサイズの計算ソフト
G*Powerを使うとよいでしょう。
このソフトはCohenの考え方(Cohen J.A
power primer.Psychol Bull 1992;112(1):155-
9.)を具体化したものです。
これは、(1)1群か2群か、(2)危険率をいく
らにするか、(3)検出力(真実を検出するレ
ベル)をいくらにするか、(4)効果量(この
サンプルサイズの妥当性)をいくらにするか、
を入れていくと、サンプルサイズの答えが出て
来ます。
通常、(1)は2群、(2)は0.05、(3)は0.8
なので、(4)をどう設計するかで答えが変っ
て来ます。
大体0.5~1ですが、0.8とする例が多いです。
これを0.8と入れると、サンプルサイズは26
×2=52とでます。
その場合の説明文はこんな感じです(クリルオ
イル”SUPERBA Boost”が日本人成人男女の肌
バリア機能に与える影響、薬理と治療、P1018)
「サンプルサイズ
本試験は12wにおけるTEWLの変化量で被験
食品群とプラセボ群の差の大きさが『大きい』
と仮定し、Cohenの示唆に基づき効果量d=0.80
を利用した。統計学的有意水準(α)を5%、
統計学的検出力(1-β)を80%とし症例数を
計算すると、52名(各群26名)が目標症例数
であった。試験期間中の脱落やプロトコルの遵
守違反などを見込み実施症例数を56名(各群
28名)とした」