機能性表示水面下情報~257号~ G*Powerを使ってサンプルサイズを決める

元政府委員、薬事法ドットコム社主の林田です。

法律・医学・マーケティング・行政、4極の

コンサルティングを実践しています。

 

臨床試験のサンプルサイズをどうやって決める

か?

本筋は、これまでの知見に基づき「この数でや

れば有意義な結果が得られる」と思われる数で

行うということでしょう。

しかし「これまでの知見」がない場合もあります。

そういう場合は、サンプルサイズの計算ソフト

G*Powerを使うとよいでしょう。

このソフトはCohenの考え方(Cohen J.A

power primer.Psychol Bull 1992;112(1):155-

9.)を具体化したものです。

これは、(1)1群か2群か、(2)危険率をいく

らにするか、(3)検出力(真実を検出するレ

ベル)をいくらにするか、(4)効果量(この

サンプルサイズの妥当性)をいくらにするか、

を入れていくと、サンプルサイズの答えが出て

来ます。

通常、(1)は2群、(2)は0.05、(3)は0.8

なので、(4)をどう設計するかで答えが変っ

て来ます。

大体0.5~1ですが、0.8とする例が多いです。

これを0.8と入れると、サンプルサイズは26

×2=52とでます。

その場合の説明文はこんな感じです(クリルオ

イル”SUPERBA Boost”が日本人成人男女の肌

バリア機能に与える影響、薬理と治療、P1018)

「サンプルサイズ

本試験は12wにおけるTEWLの変化量で被験

食品群とプラセボ群の差の大きさが『大きい』

と仮定し、Cohenの示唆に基づき効果量d=0.80

を利用した。統計学的有意水準(α)を5%、

統計学的検出力(1-β)を80%とし症例数を

計算すると、52名(各群26名)が目標症例数

であった。試験期間中の脱落やプロトコルの遵

守違反などを見込み実施症例数を56名(各群

28名)とした」