今日はキリンさんが免疫表示でエビデンスとした
SRの中の1報に関するQ&Aです。
Q.キリン社が免疫のSRに採用した、鈴木ら2015
について教えて下さい(>>>
https://www.yakujihou.com/merumaga/20201110k2.pdf )。
(あ)被験者は末梢血中pDC活性の値が相対的に
下位であった者100名を選んでいますが、
これで健常者を選択したことになる
のでしょうか?
(い)末梢血中pDC活性マーカーとしてCD86と
HLA-DRをアウトカムして測定しています。
図2を見ると、CD86については群間有意差
ありと言えそうですが、HLA-DRについて
はアクティブとプラセボと入り組んで
いますが、これで「pDCを活性化し」と
言えるのでしょうか?
(う)体調アンケート結果が表3に示されて
いますが、7項目中アクティブが
プラセボに比べ有意なのは3項目(鼻汁、
関節痛、寒気)だけですが、これで
「免疫機能を維持」と言えるのでしょうか?
A.1.(あ)について
たしかに微妙です。
100名の中の最下位あたりには病者と評価
されてもおかしくない人が含まれていた
かもしれません。
SRなのでうまくカバーできたのかもしれ
ません。
2.(い)について
「pDCを活性化し 」は作用機序です。
作用機序を届出表示に入れるときはヒト試験
のエビデンスが必要ですが、群間有意差が
要求されるわけではありませんので、ここは
問題ないと思います。
3.(う)について
これだけで「免疫機能を維持」と言えるかは
たしかに疑問です。
この点もSRなのでうまくカバーできたのかも
しれません。