化粧品広告で「透明感」は標ぼう可能!薬機法に基づくOK・NG例を徹底解説
更新日:2025年11月10日
「透明感のある肌へ」「透明感のある仕上がりに」などの表現は、化粧品広告でも頻繁に使われていますが、この「透明感」という言葉の使い方には、薬機法のルールが深く関わっており、表現次第では違反とみなされるリスクもあります。
本記事では、薬機法における「透明感」表現の考え方や、実際に使用できるOK表現・避けるべきNG表現の違いを具体例とともにわかりやすく解説。違反を防ぐためのチェックポイントや社内体制の整備、専門家の活用法まで、実務に役立つ情報を詳しくご紹介します。
広告制作や監修に関わるすべての方にとって、リスクを避けながら訴求力を高めるヒントとなる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
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1.化粧品広告で「透明感」は標ぼうできる
化粧品広告において、「透明感」という表現は一定の条件を満たせば標ぼう可能です。
たとえば「透明感のある肌に」といった訴求は、広告でも多く使われており、薬機法の範囲内で適切に表現すれば使用できるとされています。
注意が必要なのは、「透明感」という言葉が化粧品広告で表示できる効能効果として定められた“56項目”には含まれていないという点です。
つまり、「透明感を与える」と直接的にうたうことは、本来の定義を超えた効能の標ぼうと受け取られる可能性があるため、その表現が“どのような作用によって得られる印象なのか”を明確に示す必要があります。
化粧品広告における「透明感」とは、一般的にうるおいのあるなめらかな肌表面や、光を反射するようなツヤ・ハリのある質感のことを指しています。
つまり、「透明感」は肌そのものが物理的に透明になるわけではなく、保湿やメイクなどによって“そう見える”という視覚的印象を表現した言葉です。
したがって、薬機法の範囲を超えないよう、「何によって透明感が演出されるのか(=洗浄・保湿・メーキャップなど)」をきちんと補足することで、実務的にも使用が可能な表現となります。
薬機法とは
薬機法とは、医薬品や化粧品などの品質と安全性を確保することを目的とした法律です。
この法律の中で、化粧品は「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪をすこやかに保つ」ことなどを目的としたものと定義されており、その作用は緩和(穏やか)であることが前提とされています。
厚生労働省では、化粧品で表示できる効能効果を56項目に限定しており、これらの範囲を超えた効果を標ぼうすることは法律違反となる可能性があります。また、医薬品や医薬部外品と混同させるような表現も禁止です。
薬事法ドットコムでは、新規制や法改正の情報、皆さまから寄せられたご質問、警告情報など薬機法に関する最新の情報をわかりやすくお届けしています。
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2.化粧品広告における「透明感」の使用OK/NG判断
前述した通り、「透明感」という表現は広告でよく用いられる一方で、薬機法の観点からは“使用条件”に注意が必要なワードです。
ここでは、「透明感」が薬機法上でOKとされるケース/NGとされるケースの具体例を示しながら、その判断基準と理由をわかりやすく解説します。
「透明感」のOK表現
薬機法では、化粧品の効能として「肌の変化」そのものを標ぼうすることは認められていませんが、洗浄・保湿・メーキャップなどの作用を通じた“仕上がりの印象”の訴求であれば、「透明感」という言葉を使うことができます。
| OK表現 | OK理由 |
|---|---|
| うるおいを与え、みずみずしい透明感のある肌に見せる | 保湿作用による肌表面の光反射・うるおい感を通じた印象変化 |
| くすみをカバーして透明感ある肌に仕上げる | メーキャップ効果による視覚的カバー・色調補正の範囲内 |
| 洗顔で古い角質や汚れを落とし、透明感ある印象へ | 洗浄効果による物理的除去で明るい印象への変化を表している |
| メーキャップ効果で、光を反射し透明感のある仕上がりに | 視覚的な演出としてのメーキャップ効果 |
| 肌のキメを整えることで、透明感のある印象をもたらす | 肌のキメが整う(56項目内)ことによる視覚的な印象変化 |
このように、「透明感」を印象として扱い、「仕上がり」「演出」など間接的表現を用いた表現や、「導く」「仕上げる」「演出する」といった直接的な効果を断定しない言い回しもポイントです。
OK表現を使用する際は、あくまで印象や一時的な視覚効果であることを明示し、肌そのものが変化するような印象を与えないように注意しましょう。
「透明感」のNG表現
文脈や表現の仕方によっては薬機法違反とみなされる可能性があります。
| NG表現 | NG理由 |
|---|---|
| 肌の透明度を高める | 肌の物理的な変化・恒常的な改善を暗示する表現 |
| 真珠のような透明感ある素肌に | 詩的・誇張的で、医薬品的な効果を連想させる可能性 |
| 肌細胞からクリアに整える | 生理機能への作用を連想させ、医薬品的効能と誤解されるおそれ |
| 角質層の奥まで浸透し、透明感を生み出す | 浸透表現+効果断定はNG寄り。範囲・根拠の提示が必須 |
| 真皮層の奥で作用し、根本から透明感を育む | 「真皮」「根本から」などは作用部位が角質層を超え、医薬品的な効能を暗示している |
| 業界最高レベルの透明感を実現する美容液 | 「最高レベル」などの最大級表現は、効果や安全性を誇張し誤認を与えるおそれがある |
| 炎症によって失われた透明感を完全に修復する | 「修復」「完全に」は治癒・回復を意味し、恒常的な改善効果を保証する表現となる |
| 誰もが透明感を実感できるスキンケアローション | 「誰もが」「実感できる」は効能の保証と受け取られる表現で、誇大表示に該当する |
| 朝つけて夜まで持続、シミ・ソバカスを徹底的に予防し、透明肌をキープ | 「夜まで持続」は時間保証、「徹底的に予防」は効能範囲を超える表現で、誇大・虚偽とみなされる |
これらは、いずれも「肌そのものの変化」や「機能への作用」を想起させる記述であり、化粧品の作用範囲を超えていると判断されやすいです。また、「透明感を与える」「引き出す」といった表現も、因果関係が断定的で、印象変化にとどまっていない場合にはNG判断となることがあります。
広告制作においては、文脈・語尾・原因の記載内容によって、薬機法違反のリスクが大きく変わる点に留意してください。
薬事法ドットコムでは、化粧品・医薬部外品等の広告表現が、薬機法や景表法等の法令に抵触していないかを添削する「薬事チェックサービス」を提供しています。経験豊富な専門家がご依頼いただいた広告を精査し、問題がある表現については、法令を遵守しつつ効果的な「売れる&通せる」代替表現をご提案しますので、広告表現に不安がある方はぜひご相談ください。
3.薬機法違反となった場合のリスクと罰則
薬機法に違反した場合、単なる修正では済まされません。2021年8月からは課徴金制度も導入され、違反の代償はさらに大きくなっています。
| リスク区分 | 内容 | 具体例・影響 |
|---|---|---|
| 行政処分 | 措置命令、業務停止命令など | ・広告の差し止め ・製品の販売中止 ・一時的な広告活動の停止 |
| 刑事罰 | 懲役または罰金(違反内容による) | ・虚偽・誇大広告:2年以下の懲役または200万円以下の罰金 ・無許可販売:3年以下の懲役または300万円以下の罰金※法人にも両罰規定あり |
| 課徴金 | 売上額の4.5% | ・虚偽・誇大広告により得た売上に対して適用 ・大規模事業者ほど経済的打撃が深刻 |
法的な罰則に加え、違反による社会的信用の失墜も重大なリスクです。報道やSNSでの拡散によるブランド毀損、消費者の離反、取引先からの信用喪失や契約停止といった長期的な影響が現実に起こり得ます。
薬機法違反は「知らなかった」では済まされません。近年ではSNSやECサイトでの個人販売も監視対象となっており、事業規模に関わらず法令遵守が求められています。広告表現の段階から法令リスクを意識し、事前の対策を徹底しましょう。
4.違反を防ぐための対策
薬機法違反のリスクを回避するには、広告制作プロセスにおけるチェック体制の整備が欠かせません。企業によっては「法務部門が最終確認を行っているから大丈夫」と考えがちですが、制作段階でのチェック漏れが原因で修正対応に追われるケースもあります。初期の企画段階から薬機法を意識した運用体制を築くことが重要です。
以下のような対策を実践することで、違反リスクを抑えることができます。
- 制作部門と法務部門の連携強化
商品特性や訴求内容に応じて、事前に表現の方向性をすり合わせておくことで、修正の手間を減らせます。 - 薬機法に関する社内ガイドラインの整備
OK/NG表現例、使用可能な効能効果一覧、チェックフローなどをマニュアル化し、関係者が共通認識を持てるようにします。 - 第三者による表現チェックの導入
広告代理店やデザイナー任せではなく、法律の専門知識を持った担当者または外部コンサルによる確認体制を導入することで、客観的な判断が可能になります。 - 制作フローにチェックリストを組み込む
「医薬品的表現になっていないか」「効果を保証する文言が含まれていないか」など、最低限確認すべきポイントを明文化しておくことで、誰でも初期段階で確認できる仕組みができます。
このように、「誰が」「いつ」「どこで」チェックするかをあらかじめ設計しておくことが、トラブルを未然に防ぐポイントです。
専門家・薬機法コンサルへの依頼
広告表現のチェック体制を社内だけで完結させるのが難しい場合は、薬機法に精通した外部の専門家やコンサルティングサービスの活用も有効です。
薬機法における表現判断は、単に法律を知っていればよいというものではなく、行政の運用実務や過去の指摘事例への理解が不可欠です。また、近年では景表法・ステマ規制・健康増進法など、複数の法令が広告に関わってくるため、総合的な観点でのチェックが求められます。
その点、弁護士が関与する薬機法コンサルティングサービスを活用すれば、表現に関する法令上の適否を含めたチェックを客観的に受けられるほか、社内運用体制やガイドライン整備、社員教育の支援も可能になります。
これは、制作現場の負担軽減とコンプライアンス強化を両立する手段として非常に有効です。
なお、薬事法ドットコムでは、薬機法に特化した広告表現コンサルティングサービスを提供しています。
1998年のサービス開始以来、D2C・EC企業や広告代理店をはじめとする多くのクライアントに対して、薬機法違反を防ぎつつ、広告効果を最大化する表現提案を行ってきました。
提携弁護士による法的観点のチェックと、実務に精通したコンサルタントによる媒体・行政事情を踏まえた代替表現の提案を組み合わせることで、リスクを抑えながらも訴求力のある広告制作を支援しています。
また、広告原稿のチェックにとどまらず、表現ガイドラインの策定や見解書の作成、行政対応の助言まで幅広く対応可能です。
薬機法対応に不安を感じる企業様は、ぜひ私たちにご相談ください。
薬事法ドットコムでは、化粧品・医薬部外品等の広告表現が、薬機法や景表法等の法令に抵触していないかを添削する「薬事チェックサービス」を提供しています。経験豊富な専門家がご依頼いただいた広告を精査し、問題がある表現については、法令を遵守しつつ効果的な「売れる&通せる」代替表現をご提案しますので、広告表現に不安がある方はぜひご相談ください。
5.まとめ
「透明感」を訴求する化粧品広告は、薬機法で定められた効能効果の範囲を逸脱しやすい領域のひとつです。
とくに、「透明感を与える」「肌の透明度を高める」といった表現は、肌質そのものの変化を示唆したり、効果の保証と受け取られるおそれがあるため、使用には十分な注意が求められます。
本記事では、薬機法の基本的な考え方をふまえながら、「透明感」表現におけるOK/NGの判断基準や、具体的な言い換えテクニック、違反を防ぐための対策について解説しました。
広告表現を見直す際には、法令への適合だけでなく、企業の信頼性やブランド価値を損なわないための視点も重要です。
「透明感」を含む表現に不安がある場合は、社内チェック体制の整備に加え、薬機法に精通した専門家のサポートを活用することで、違反リスクを未然に防ぐことができます。
薬機法を守りながら、訴求力のある広告づくりを実現するために、あらためて自社の表現ルールや確認体制を見直し、安心・安全なプロモーション活動を進めていきましょう。
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この記事の監修を担当した弁護士
薬事法ドットコム
パートナー弁護士 西脇威夫
一橋大学法学部卒。元ナイキ・インハウスロイヤー、エンターテインメント・ローヤーズ・ネットワーク会員、日本スポーツ法学会会員 他。
法人の設立、商業取引(英文及び和文の各種契約の作成・レビュー、ブランド保護、偽物対策、独禁法のアドバイス等)、人事労務、コンプライアンスについて、経験豊富。
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