【薬機法】医薬部外品とは?化粧品との違いと広告で使えるOK/NG表現も解説
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【薬機法】医薬部外品とは?化粧品との違いと広告で使えるOK/NG表現も解説

更新日:2026年9月18日

「にきびを防ぐ」で承認を受けた医薬部外品に、「にきびに」とだけ書くことはできません。このように、承認された効能効果であっても、書き方ひとつで薬機法違反となり、措置命令や課徴金の対象になり得ます。

 

医薬部外品の広告を攻略する鍵は、承認された効能効果と用法という2つの範囲を正確に押さえることにあります。同じ言葉でも、製品の種類や書き方によって使えるかどうかが分かれるためです。

 

本記事では、医薬部外品の定義と医薬品・化粧品との違いを整理したうえで、種類ごとの効能効果の範囲、広告で使えるOK/NG表現、容器への表示義務までを解説します。広告制作の実務ガイドとして、ぜひご活用ください。

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医薬部外品とは

医薬部外品とは、厚生労働省が認めた効果・効能に有効な成分が配合されており、予防や衛生を目的に作られている製品のこと。医薬部外品にあたる製品には、口中清涼剤や薬用歯磨き類、殺虫剤、薬用シャンプーなどの薬用化粧品などがある。

医薬部外品とは、病気の治療ではなく、予防や衛生を目的として使用される製品のことです。 厚生労働大臣が承認した有効成分が一定の濃度で配合されており、その成分について認められた効能効果を表示できます。

人体に対する作用は緩やかで、位置づけとしては医薬品と化粧品の中間にあたります。医薬品のように病気を治すことは目的としていません。一方で、化粧品では表示できない「肌荒れを防ぐ」「にきびを防ぐ」といった効能を示せる点が、化粧品との大きな違いになります。

法律上の定義は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)第2条第2項に置かれています。

薬機法 第二条(定義)二項


この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。
一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
ロ あせも、ただれ等の防止
ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛
二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(前二号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの


出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)


条文を整理すると、医薬部外品は次の3つに分けられます。


1つめは、口臭や体臭の防止、あせも・ただれの防止、脱毛の防止や育毛・除毛を目的とするものです。2つめは「防除用医薬部外品」で、ねずみやはえなどの防除を目的とします。3つめは「指定医薬部外品」、医薬品と同じ目的で使われるもののうち、厚生労働大臣が指定したものです。


なお、薬機法は医薬部外品の広告も規制の対象としています。第66条では虚偽または誇大な広告が禁じられており、言い切っていなくても、読み手がそう受け取る表現であれば対象になります。医師などが効能効果を保証したものと誤解されるおそれがある記事も同じです。


また、規制の対象が「何人も」とされている点も見落とせません。広告主だけでなく、広告代理店、制作会社、メディア、アフィリエイター、インフルエンサー、ライターなど、広告に関わるすべての人が対象になります。

医薬部外品にあたる製品の例

医薬部外品の範囲は広く、ドラッグストアの複数の売り場にまたがっています。


たとえば、スキンケアやヘアケアの棚に並ぶ、薬用化粧水や薬用シャンプーなど「薬用」とつく製品。オーラルケアの棚では薬用歯みがき、ボディケアの棚では制汗剤や育毛剤が該当します。


一方、のどや胃腸のケアといった用途別の棚では、医薬品と医薬部外品が並んでいることもあります。うがい薬や整腸薬、ビタミン剤、一部ののど飴などがその例です。これらはもともと医薬品でしたが、規制緩和によって医薬部外品へ移されました。


また、売り場が大きく離れるのは殺虫剤や虫よけ剤です。これらは人体に使わないものであっても、医薬部外品に含まれます。

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医薬品・医薬部外品・化粧品の違い

3つの分類は、使用目的と規制の強さによって分けられています。医薬部外品のうち化粧品としての性質を併せ持つ「薬用化粧品」を加えると次の通りです。

分類 医薬品 医薬部外品 薬用化粧品 化粧品
使用目的 病気の診断・治療・予防 予防・衛生 予防・衛生と、清潔・美化 清潔にする、美化する、魅力を増す、健やかに保つ
製造販売の承認 品目ごとに必要 品目ごとに必要 品目ごとに必要 原則として不要
表示できる効能・効果 承認を受けた効能効果 承認を受けた効能効果
(種類ごとに範囲が定められている)
承認を受けた効能効果
(種類ごとに範囲が定められている)
あらかじめ定められた56項目の範囲
製品例 風邪薬、胃腸薬、外用鎮痛薬 制汗剤、育毛剤、殺虫剤 薬用化粧水、薬用シャンプー 化粧水、乳液、口紅

人体への有効性は医薬品、医薬部外品、化粧品の順に高く、規制の強さもこの順に対応します。

医薬品

医薬品とは、病気の診断・治療・予防に使われるもののことです。あわせて、病気を治すことは目的としないものの、体のはたらきに作用することを目的としたものも医薬品にあたります。


販売の形態によって、医療用医薬品と一般用医薬品に大きく分かれます。医療用医薬品は医師や歯科医師の処方箋にもとづいて薬局で受け取るもので、がん治療薬やインフルエンザ治療薬が代表例です。一般用医薬品は市販薬やOTC医薬品とも呼ばれ、薬剤師などの専門家の助言を受けてドラッグストアで直接購入できるもののことで、頭痛薬や鼻炎薬がこれに該当します。

医薬部外品と薬用化粧品

医薬品との最大の違いは、治療をうたえない点にあります。医薬部外品の目的は予防や衛生に限られており、厚生労働大臣が承認した有効成分を配合したうえで、その成分について認められた効能効果だけを表示できます。


こうした効能効果を表示するには、医薬品と同じく、品目ごとに厚生労働大臣の承認を受ける必要があります。ただし承認されるのは医薬部外品の種類ごとに定められた範囲内に限られており、その枠を超えることはできません。


また、医師の処方箋は不要で、ドラッグストア以外の一般小売店でも購入できます。


一方、医薬部外品のなかには、化粧品として使う製品も含まれます。これが薬用化粧品です。


わかりやすいのが化粧水です。同じ化粧水でも、肌を整えることだけを目的とするものは化粧品にあたります。一方、肌荒れやにきびを防ぐ有効成分を配合し、その効能について厚生労働大臣の承認を受けたものは、医薬部外品である「薬用化粧水」として扱われます。


つまり、製品の見た目や使い方ではなく、有効成分の配合と承認の有無で分かれるのです。薬用シャンプー、薬用クリーム、薬用石けんなども同じ関係にあります。


薬用化粧品では「肌荒れを防ぐ」「にきびを防ぐ」「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」など、化粧品では示せない効能効果を表示できます。

化粧品

化粧品とは、肌や髪を清潔に保ち、美しく見せるために使う製品のことです。身体への作用は医薬部外品よりもさらに緩やかで、美容や清潔を目的とするものに限られます。


医薬部外品と異なり、品目ごとの承認は原則として不要です。そのかわり、表示できる効能効果はあらかじめ56項目に定められており、この範囲を超える表現はできません。有効成分という概念もないため、特定の成分の働きを効能として訴求することも認められていないのです。


成分表示のルールも異なり、化粧品は配合されている全成分の表示が薬機法で義務づけられています。


化粧品についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

▶ 【薬機法】化粧品・コスメ広告で標ぼうOK/NGな表現について解説

医薬部外品の3つの種類

医薬部外品は「医薬部外品」「防除用医薬部外品」「指定医薬部外品」の3つに分かれます。なお、防除用と指定には固有の名称がありますが、それ以外のものに特別な呼び名はなく、容器には「医薬部外品」とだけ表示されます。


この3つは容器や外箱への表示が義務づけられており、製品を見れば判別できます。広告制作の場面では、扱う製品がどれにあたるかによって参照すべき効能効果の範囲が変わるため、最初に確認しておきましょう。

医薬部外品

薬機法第2条第2項第3号にもとづいて指定されている医薬部外品のうち、有効成分の名称と分量の記載義務がかからないものは、容器に「医薬部外品」とだけ表示されます。


該当するのは次の7つです。

  • 衛生上の用に供されることが目的とされている綿類(紙綿類を含む。)
  • 染毛剤
  • ソフトコンタクトレンズ用消毒剤
  • パーマネント・ウェーブ用剤
  • 物品の消毒・殺菌の用に供されることが目的とされている物
  • 化粧品としての使用目的のほかに、にきび、肌荒れ、かぶれ、しもやけ等の防止又は皮膚若しくは口腔の殺菌消毒に使用されることも併せて目的とされている物
  • 浴用剤

出典:平成21年2月6日厚生労働省告示第25号 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第二項第三号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬部外品

このうち「化粧品としての使用目的のほかに」から始まる項目が、薬用化粧品にあたります。

防除用医薬部外品

防除用医薬部外品は、薬機法第2条第2項第2号に該当するもので、ねずみ、はえ、蚊、のみなどの防除を目的として使用されます。具体的には、忌避剤、殺虫剤、殺そ剤が該当します。

指定医薬部外品

指定医薬部外品は、もともと一般用医薬品だったものが、規制緩和によって医薬部外品に移されたグループです。整腸薬やうがい薬、ビタミン剤など、医薬品に近い性質を持つ製品が含まれます。


容器に「指定医薬部外品」と表示されるのは、次の21項目です。

  1. 胃の不快感を改善することが目的とされている物
  2. いびき防止薬
  3. カルシウムを主たる有効成分とする保健薬
  4. 含嗽薬(がんそうやく)
  5. 健胃薬
  6. 口腔咽喉薬
  7. コンタクトレンズ装着薬
  8. 殺菌消毒薬
  9. しもやけ・あかぎれ用薬
  10. 瀉下薬(しゃげやく)
  11. 消化薬
  12. 滋養強壮、虚弱体質の改善及び栄養補給が目的とされている物
  13. 生薬を主たる有効成分とする保健薬
  14. すり傷、切り傷、さし傷、かき傷、靴ずれ、創傷面等の消毒又は保護に使用されることが目的とされている物
  15. 整腸薬
  16. 肉体疲労時、中高年期等のビタミン又はカルシウムの補給が目的とされている物
  17. のどの不快感を改善することが目的とされている物
  18. 鼻づまり改善薬(外用剤に限る。)
  19. ビタミンを含有する保健薬
  20. ひび、あかぎれ、あせも、ただれ、うおのめ、たこ、手足のあれ、かさつき等を改善することが目的とされている物
  21. (5)、(11)又は(15)に掲げる物のうち、いずれか二以上に該当するもの

出典:平成21年2月6日厚生労働省告示第28号 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第五十九条第七号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する医薬部外品

医薬部外品の効能・効果の範囲

効能効果の範囲は、医薬部外品の種類ごとに定められているため、自社の商材がどの種類にあたるかによって、広告で書ける内容も変わってきます。


範囲を示しているのは、厚生労働省の「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」です。広告表現を検討する際は、まず商材の種類と対応する範囲を確認しましょう。

医薬部外品の効能・効果の範囲

医薬部外品の効能効果は15の種類に分けられています。


なお、使用目的欄には「〜には該当しない」といった、範囲から外れるものの記述もありますので、しっかり確認しましょう。

種類 使用目的の範囲 効能又は効果の範囲
1.口中清涼剤 吐き気その他の不快感の防止を目的とする内用剤である。 口臭、気分不快。
2.腋臭防止剤 体臭の防止を目的とする外用剤である。 わきが(腋臭)、皮膚汗臭、制汗。
3.てんか粉類 あせも、ただれ等の防止を目的とする外用剤である。 あせも、おしめ(おむつ)かぶれ、ただれ、股ずれ、かみそりまけ。
4.育毛剤(養毛剤) 脱毛の防止及び育毛を目的とする外用剤である。 育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛。
5.除毛剤 除毛を目的とする外用剤である。 除毛。
6.染毛剤(脱色剤、脱染剤) 毛髪の染色、脱色又は脱染を目的とする外用剤である。毛髪を単に物理的に染毛するものは医薬部外品には該当しない。 染毛、脱色、脱染。
7.パーマネント・ウェーブ用剤 毛髪のウェーブ等を目的とする外用剤である。 毛髪にウェーブをもたせ、保つ。
くせ毛、ちぢれ毛又はウェーブ毛髪をのばし、保つ。
8.衛生綿類 衛生上の用に供されることが目的とされている綿類(紙綿類を含む)である。 生理処理用品については生理処理用、清浄用綿類については乳児の皮膚・口腔の清浄・清拭又は授乳時の乳首乳房の清浄・清拭、目、局部、肛門の清浄・清拭。
9.浴用剤 原則としてその使用法が浴槽中に投入して用いられる外用剤である。(浴用石鹸は浴用剤には該当しない。) あせも、荒れ性、打ち身(うちみ)、くじき、肩の凝り(肩のこり)、神経痛、湿しん(しっしん)、しもやけ、痔、冷え症、腰痛、リウマチ、疲労回復、ひび、あかぎれ、産前産後の冷え症、にきび。
10.薬用化粧品(薬用石けんを含む) 化粧品としての使用目的を併せて有する化粧品類似の剤型の外用剤である。 別掲(薬用化粧品の効能・効果の範囲)を参照
11.薬用歯みがき類 化粧品としての使用目的を有する通常の歯みがきと類似の剤型の外用剤である。 歯を白くする、口中を浄化する、口中を爽快にする、歯周炎(歯槽膿漏)の予防、歯肉炎の予防。歯石の沈着を防ぐ。むし歯を防ぐ。むし歯の発生及び進行の予防、口臭の防止、タバコのやに除去、歯がしみるのを防ぐ。
12.忌避剤 はえ、蚊、のみ等の忌避を目的とする外用剤である。 蚊成虫、ブユ(ブヨ)、サシバエ、ノミ、イエダニ、トコジラミ(ナンキンムシ)等の忌避。
13.殺虫剤 はえ、蚊、のみ等の駆除又は防止の目的を有するものである。 殺虫。はえ、蚊、のみ等の衛生害虫の駆除又は防止。
14.殺そ剤 ねずみの駆除又は防止の目的を有するものである。 殺そ。ねずみの駆除、殺滅又は防止。
15.ソフトコンタクトレンズ用消毒剤 ソフトコンタクトレンズの消毒を目的とするものである。 ソフトコンタクトレンズの消毒。

薬用化粧品の効能・効果の範囲

化粧品としての性質を併せ持つ薬用化粧品については、先ほどの表とは別に、8つの種類ごとの範囲が定められています。

種類 効能・効果
1. シャンプー ふけ、かゆみを防ぐ
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ
毛髪・頭皮を清浄にする
毛髪・頭皮をすこやかに保つ。もしくは毛髪をしなやかにする。
(二者択一)
2. リンス ふけ、かゆみを防ぐ
毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ
毛髪の水分・脂肪を補い保つ
裂毛・切毛・枝毛を防ぐ
毛髪・頭皮をすこやかに保つ。もしくは毛髪をしなやかにする。
(二者択一)
3. 化粧水 肌あれ。あれ性
あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ
油性肌
かみそりまけを防ぐ
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ(注1)
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ
肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える
皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える
4. クリーム、乳液、ハンドクリーム、化粧用油 肌あれ。あれ性
あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ
油性肌
かみそりまけを防ぐ
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ(注1)
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ
肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える
皮膚をすこやかに保つ。皮膚にうるおいを与える
皮膚を保護する。皮膚の乾燥を防ぐ
5. ひげそり用剤 かみそりまけを防ぐ
皮膚を保護し、ひげをそりやすくする
6. 日やけ止め剤 日やけ・雪やけによる肌あれを防ぐ
日やけ・雪やけを防ぐ
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ(注1)
皮膚を保護する
7. パック 肌あれ。あれ性
にきびを防ぐ
油性肌
日やけによるしみ・そばかすを防ぐ(注1)
日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ
肌をなめらかにする
皮膚を清浄にする
8. 薬用石けん(洗顔料を含む) <殺菌剤主剤>(消炎剤主剤をあわせて配合するものを含む)
皮膚の清浄・殺菌・消毒
体臭・汗臭及びにきびを防ぐ
<消炎剤主剤のもの>
皮膚の清浄、にきび・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ

(注1)作用機序によっては、「メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ。」も認められる。
(注2)上記にかかわらず、化粧品の効能の範囲のみを標ぼうするものは、医薬部外品としては認められない。


出典:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(平成29年9月29日 薬生監麻発0929第5号)


薬用化粧品では、上の表にある効能効果に加えて、化粧品に認められている効能効果を広告に併記できる場合があります。


ただし、次の3点に配慮が必要です。

  • 医薬部外品本来の目的が隠ぺいされて、化粧品であるかのような誤解を与えないこと
  • 化粧品的な使用目的、用法で使用された場合に保健衛生上問題となるおそれのあるもの(殺菌剤配合のシャンプーまたは薬用石けんなど)ではないこと
  • 当該効能効果が医薬部外品の効能効果として承認を受けたものであるかのような誤認を与えないこと

美白に関する表現は範囲の解釈が細かく分かれるため、詳しくは以下の記事もご覧ください。
▶ 薬用化粧品(医薬部外品)における美白表現の範囲

指定医薬部外品の効能・効果の範囲

指定医薬部外品は、範囲を定めている通知が前出の2つとは別になります。もともと医薬品だったものが2回に分けて移行しており、それぞれ「新指定医薬部外品」「新範囲医薬部外品」という通称で呼ばれているためです。


どちらも指定医薬部外品ですが、範囲は別々に定められています。

【 新指定医薬部外品 】


製品群 効能又は効果
のど清涼剤 たん、のどの炎症による声がれ・のどのあれ・のどの不快感・のどの痛み・のどのはれ
健胃清涼剤 食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃部不快感、はきけ(むかつき、胃のむかつき、二日酔・悪酔いのむかつき、嘔気、悪心)
外皮消毒剤 すり傷、切り傷、さし傷、かき傷、靴ずれ、創傷面の洗浄・消毒
手指・皮膚の洗浄・消毒
きず消毒保護剤 すり傷、切り傷、さし傷、かき傷、靴ずれ、創傷面の消毒・保護(被覆)
ひび・あかぎれ用剤
(クロルヘキシジン主剤)
ひび・あかぎれ・すり傷・靴ずれ
ひび・あかぎれ用剤(メントール・カンフル主剤) ひび・しもやけ・あかぎれ
ひび・あかぎれ用剤(ビタミンAE主剤) ひび・しもやけ・あかぎれ・手足のあれの緩和
あせも・ただれ用剤 あせも・ただれの緩和・防止
うおのめ・たこ用剤 うおのめ・たこ
かさつき・あれ用剤 手足のかさつき・あれの緩和
ビタミンC剤 肉体疲労時、妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時又は中高年期のビタミンCの補給
ビタミンE剤 中高年期のビタミンEの補給
ビタミンEC剤 肉体疲労時、病中病後の体力低下時又は中高年期のビタミンECの補給
ビタミン含有保健剤 (1)体力、身体抵抗力又は集中力の維持・改善
(2)疲労の回復・予防
(3)虚弱体質(加齢による身体虚弱を含む。)に伴う身体不調の改善・予防
(4)日常生活における栄養不良に伴う身体不調の改善・予防
(5)病中病後の体力低下時、発熱を伴う消耗性疾患時、食欲不振時、妊娠授乳期又は産前産後等の栄養補給
カルシウム剤 妊娠授乳期・発育期・中高年期のカルシウムの補給

【 新範囲医薬部外品 】


区分 効能又は効果
いびき防止薬 いびきの一時的な抑制・軽減
カルシウムを主たる有効成分とする保健薬 妊娠授乳期・老年期・発育期のカルシウム補給、虚弱体質の場合の骨歯の発育促進、骨歯の脆弱防止(妊娠授乳期)、カルシウム不足、カルシウム補給(栄養補給、妊娠授乳期)、腺病質、授乳期及び小児発育期のカルシウム補給源
含嗽薬 口腔内・のど(咽喉)の殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去
健胃薬 食欲不振(食欲減退)、胃弱、胃部膨満感・腹部膨満感、消化不良、食べすぎ、飲みすぎ、胸やけ、胃もたれ、胸つかえ、はきけ、胃のむかつき、むかつき(二日酔い、悪酔い時を含む)、嘔気、悪心、嘔吐、栄養補給(妊産婦、授乳婦、虚弱体質者を含む)、栄養障害、健胃
口腔咽喉薬 のどの炎症によるのどの痛み・のどのはれ・のどの不快感・のどのあれ・声がれ、口腔内の殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去
コンタクトレンズ装着薬 ソフトコンタクトレンズ又はハードコンタクトレンズの装着を容易にする
殺菌消毒薬 手指・皮膚の殺菌・消毒
外傷の消毒・殺菌作用による傷の化膿の防止、一般外傷・擦傷・切傷の殺菌・消毒、傷面の殺菌・消毒
きり傷・すり傷・さし傷・かき傷・靴ずれ・創傷面の殺菌・消毒・被覆
しもやけ・あかぎれ用薬 ひび、あかぎれ、手指のひび、皮膚のあれ、手指のひらのあれ、ひじ・ひざ・かかとのあれ、かゆみ、かゆみどめ、しもやけ、口唇のひびわれ・ただれ、口唇炎、口角炎
瀉下薬 便通を整える(整腸)、軟便、腹部膨満感、便秘、下痢軟便の繰り返し、便秘に伴う頭重・のぼせ・肌あれ・吹き出物・食欲不振(食欲減退)・腹部膨満感、腸内異常発酵
消化薬 消化促進、消化不良、食欲不振(食欲減退)、食べすぎ(過食)、もたれ(胃もたれ)、胸つかえ、消化不良による胃部膨満感・腹部膨満感
生薬を主たる有効成分とする保健薬 虚弱体質、肉体疲労、病中病後・病後の体力低下、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症、発育期の滋養強壮
整腸薬 整腸、便通を整える、腹部膨満感、便秘、軟便(腸内細菌叢の異常による症状を含む)
鼻づまり改善薬(外用剤に限る。) 鼻づまり、くしゃみ等のかぜに伴う諸症状の緩和
ビタミンを含有する保健薬 滋養強壮、虚弱体質、
次の場合の栄養補給:胃腸障害、栄養障害、産前産後、小児・幼児の発育期、偏食児、食欲不振、肉体疲労、妊娠授乳期、発熱性消耗性疾患、病後の体力低下、病中病後
健胃薬、消化薬又は整腸薬のうち、いずれか二以上に該当するもの 食欲不振(食欲減退)、胃弱、胃部膨満感・腹部膨満感、消化不良、消化促進、食べすぎ(過食)、飲みすぎ、胸やけ、もたれ(胃もたれ)、胸つかえ、健胃、むかつき(二日酔い、悪酔い時を含む)、嘔気、悪心、嘔吐、はきけ、栄養補給(妊産婦、授乳婦、虚弱体質者を含む)、栄養障害、整腸、便通を整える、便秘、軟便(腸内細菌叢の異常による症状を含む)

医薬部外品の広告でOK/NGな表現

承認を受けた効能効果であっても、そのまま広告に書けるとは限りません。表現の仕方によっては、医薬品と受け取られたり、承認の範囲を超えていると判断されたりするためです。


一方で、言いたい内容そのものは承認の範囲に収まっているのに、書き方だけが問題になっているケースもあります。表現を変えることで使えるようになる例を、次の表にまとめました。

種類 NG表現 NG理由 OK表現
薬用化粧品 にきびに 「にきびを防ぐ」で承認を受けている場合、防止の意味が消えると治療を思わせる表現になる にきびを防ぐ
薬用化粧品 夏のシミ対策 「シミを防ぐ」で承認を受けているため、予防の意味を省略できない 夏の日焼けによるシミを防ぐ
薬用化粧品 シミ抑制 「抑制」は今あるシミを抑える意味にも読めるため、予防の言い換えとして使えない 日焼けによるシミを防ぐ
育毛剤 はえる 承認効能は「発毛促進」であり、生えると言い切ることはできない 発毛促進
育毛剤 分け目から毛が生えてくる 「発毛促進」の承認があっても「発毛」までは表現できない 髪の毛のボリュームがアップする
育毛剤 うぶ毛を太毛にする 太さまたは長さのいずれか一方のみを強調することはできない 育毛
浴用剤 手足の冷えに 承認効能は「冷え症」。「産前産後の冷え症」が別に設けられているため、部位を付け加える余地がない 冷え症

「〇〇を防ぐ」で承認を受けているものについては、単に「〇〇に」といった表現が認められないと解説に示されています。ただし、承認を受けた効能効果が明瞭に別記されている場合は、この限りではありません。

認められない表現

承認されていない効能効果や用法にあたるものは、書き方を変えても広告に使えません。効能効果だけでなく、使用する部位や使い方も承認の範囲を超えないよう確認しておきましょう。

種類 NG表現 NG理由
育毛剤 白髪を防ぐ 承認効能に白髪の予防は含まれない
育毛剤 毛が太くなる 承認効能に含まれない
育毛剤 〇〇型脱毛にも効く 特定の脱毛形式に効果があるかのような表現はできない
育毛剤 皮脂腺を正常な状態にする 皮脂腺そのものを正常化する効能は認められていない
育毛剤 つやつや輝く 薬用化粧品ではないため、化粧品の効能効果を使えない
薬用化粧品 シワの改善予防 承認効能に含まれない
薬用化粧品 妊娠線・肉割れの予防に 承認効能に含まれない
薬用化粧品 アクネ菌を殺菌 承認されているのは一般的な菌の殺菌であり、特定の菌を指定した殺菌は通常承認されていない
薬用化粧品 爪の美白効果も期待できる 用法も承認の対象となるため、承認されていない部位への使用は表現できない
除毛剤 ムダ毛を生えにくくします 承認効能を逸脱する

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医薬部外品の表示義務

医薬部外品等については、「種類」「名称・内容量等」「成分」「使用期限」などの表示義務がある。

医薬部外品は、直接の容器または被包に定められた事項を記載しなければなりません。広告表現そのものの規制ではありませんが、パッケージに書かれた内容と広告の内容が食い違えば問題になります。


記載が必要なのは、製造販売業者の氏名または名称と住所、「医薬部外品」の文字、名称、製造番号または製造記号、内容量などです。これに加えて、防除を目的とするものには「防除用医薬部外品」、有効成分の名称と分量の記載義務がかかるものには「指定医薬部外品」の文字が記載されます。


防除用医薬部外品のうち、人体に直接使用しないものについては「注意―人体に使用しないこと」の文字も必要です。


出典:薬機法第59条 直接の容器等の記載事項

成分の表示 

法律上、記載が義務づけられているのは、厚生労働大臣が指定する成分(表示指定成分)です。アレルギーなどの皮膚障害を起こすおそれがあるとされる成分が対象で、告示によって個別に指定されています。


参考:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第五十九条第八号及び第六十一条第四号の規定に基づき名称を記載しなければならないものとして厚生労働大臣の指定する医薬部外品及び化粧品の成分


ただし実務では、これより広い範囲で表示が行われています。日本化粧品工業会が自主基準として全成分表示を定め、平成18年4月1日から実施しているためです。対象は腋臭防止剤、てんか粉類、育毛剤(養毛剤)、除毛剤、薬用化粧品(薬用石けんを除く)、忌避剤の6種類です。


つまり法律上の義務は表示指定成分だけですが、薬用化粧品などは自主基準にもとづいて全成分が表示されているのが実情になります。広告で成分に触れる場合は、パッケージの表示と食い違わないよう確認しておきましょう。


出典:医薬部外品の成分表示に係る日本化粧品工業連合会の基本方針(平成18年3月10日)

使用期限の表示

すべての医薬部外品に使用期限の記載が必要なわけではなく、厚生労働大臣が指定した成分を使用しているものだけが対象になります。指定されているのは次の16項目です。

  • アスコルビン酸、そのエステル及びそれらの塩類の製剤
  • 過酸化化合物及びその製剤
  • 肝油及びその製剤
  • 酵素及びその製剤
  • システイン及びその塩酸塩の製剤
  • チアミン、その誘導体及びそれらの塩類の製剤
  • チオグリコール酸及びそれらの塩類の製剤
  • トコフェロールの製剤
  • 乳酸菌及びその製剤
  • 発泡剤型の製剤
  • パラフェニレンジアミン等酸化染料の製剤
  • ビタミンA油の製剤
  • ピレスロイド系殺虫成分の粉剤
  • 有機リン系殺虫成分の毒餌剤又は粉剤
  • レチノール及びそのエステルの製剤
  • 上記のほか、承認事項として有効期間が定められている医薬部外品

出典:昭和55年9月26日厚生省告示第166号 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第五十条第十四号等の規定に基づき使用の期限を記載しなければならない医薬品等

ただし、これらに該当する場合でも、製造または輸入後に適切な保存条件のもとで3年を超えて性状および品質が安定しているものは、対象から除かれます。

薬機法違反となった場合のリスクと罰則

薬機法違反した場合のリスク 行政処分・刑事罰・課徴金・信頼失墜

薬機法に違反した場合、単なる修正では済まされません。2021年8月からは課徴金制度も導入され、違反の代償はさらに大きくなっています。

リスク区分 内容 具体例・影響
行政処分 措置命令、
業務停止命令など
  • 広告の差し止め
  • 製品の販売中止
  • 一時的な広告活動の停止
刑事罰 拘禁刑または罰金
(違反内容による)
  • 虚偽・誇大広告:2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金
  • 無許可販売:3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
※法人にも両罰規定あり
課徴金 売上額の4.5%
  • 虚偽・誇大広告により得た売上に対して適用
  • 大規模事業者ほど経済的打撃が深刻

法的な罰則に加え、違反による社会的信用の失墜も重大なリスクです。報道やSNSでの拡散によるブランド毀損、消費者の離反、取引先からの信用喪失や契約停止といった長期的な影響が現実に起こり得ます。


薬機法違反は「知らなかった」では済まされません。近年ではSNSやECサイトでの個人販売も監視対象となっており、事業規模に関わらず法令遵守が求められています。広告表現の段階から法令リスクを意識し、事前の対策を徹底しましょう。

違反を防ぐための対策

薬機法違反のリスクを回避するには、広告制作プロセスにおけるチェック体制の整備が欠かせません。企業によっては「法務部門が最終確認を行っているから大丈夫」と考えがちですが、制作段階でのチェック漏れが原因で修正対応に追われるケースもあります。初期の企画段階から薬機法を意識した運用体制を築くことが重要です。

以下のような対策を実践することで、違反リスクを抑えることができます。

  • 制作部門と法務部門の連携強化
    商品特性や訴求内容に応じて、事前に表現の方向性をすり合わせておくことで、修正の手間を減らせます。
  • 薬機法に関する社内ガイドラインの整備
    OK/NG表現例、使用可能な効能効果一覧、チェックフローなどをマニュアル化し、関係者が共通認識を持てるようにします。
  • 第三者による表現チェックの導入
    広告代理店やデザイナー任せではなく、法律の専門知識を持った担当者または外部コンサルによる確認体制を導入することで、客観的な判断が可能になります。
  • 制作フローにチェックリストを組み込む
    「医薬品的表現になっていないか」「効果を保証する文言が含まれていないか」など、最低限確認すべきポイントを明文化しておくことで、誰でも初期段階で確認できる仕組みができます。

このように、「誰が」「いつ」「どこで」チェックするかをあらかじめ設計しておくことが、トラブルを未然に防ぐポイントです。

専門家・薬機法コンサルへの依頼

広告表現のチェック体制を社内だけで完結させるのが難しい場合は、薬機法に精通した外部の専門家やコンサルティングサービスの活用も有効です。

薬機法における表現判断は、単に法律を知っていればよいというものではなく、行政の運用実務や過去の指摘事例への理解が不可欠です。また、近年では景表法・ステマ規制・健康増進法など、複数の法令が広告に関わってくるため、総合的な観点でのチェックが求められます。

その点、弁護士が関与する薬機法コンサルティングサービスを活用すれば、表現に関する法令上の適否を含めたチェックを客観的に受けられるほか、社内運用体制やガイドライン整備、社員教育の支援も可能になります。
これは、制作現場の負担軽減とコンプライアンス強化を両立する手段として非常に有効です。

なお、薬事法ドットコムでは、薬機法に特化した広告表現コンサルティングサービスを提供しています。
1998年のサービス開始以来、D2C・EC企業や広告代理店をはじめとする多くのクライアントに対して、薬機法違反を防ぎつつ、広告効果を最大化する表現提案を行ってきました。

提携弁護士による法的観点のチェックと、実務に精通したコンサルタントによる媒体・行政事情を踏まえた代替表現の提案を組み合わせることで、リスクを抑えながらも訴求力のある広告制作を支援しています。

また、広告原稿のチェックにとどまらず、表現ガイドラインの策定や見解書の作成、行政対応の助言まで幅広く対応可能です。
薬機法対応に不安を感じる企業様は、ぜひ私たちにご相談ください。

まとめ

医薬部外品の広告を組み立てる鍵は、承認された効能効果と用法という2つの範囲を正確に押さえることです。効能効果に含まれていても書き方次第で認められない表現があり、逆に表現を変えるだけで使えるようになるものもあります。


ルールが細かく、もどかしく感じる場面もあるかもしれません。しかし承認を受けた医薬部外品だからこそ、化粧品では表示できない効能を伝えられます。範囲を正しく理解することは、その強みを最大限に活かすことにつながります。


自社の承認内容を確認したうえで、法規制をクリアしながら製品の価値が伝わる広告制作を目指しましょう。

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この記事の監修を担当した弁護士

松澤 建司

M&M法律事務所
代表弁護士 松澤建司

早稲田大学法学部卒。30年以上に及ぶ弁護士経験を持つ。表現検討委員会委員長。誠実・的確・迅速なリーガルサービスの提供を心がけ、一般民事事件を中心に企業法務も取り扱っている。

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