化粧品・薬用化粧品と雑貨の違いは?薬機法でうたえる効能効果と見分け方を解説
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化粧品・薬用化粧品と雑貨の違いは?薬機法でうたえる効能効果と見分け方を解説

更新日:2026年10月26日

美容・ヘルスケア関連の商品を扱う事業者にとって、自社の製品が化粧品なのか雑貨なのかは、商品企画や広告づくりの段階で迷いやすいポイントです。判断を誤ると、意図しない広告違反や無許可販売につながりかねません。化粧品か雑貨かは製品の外見や成分だけで決まるのではなく、薬機法で定義されているかどうかや、うたえる効能効果の範囲によって分かれます。

本記事では、化粧品・薬用化粧品(医薬部外品)・雑貨(雑品)の違いと見分け方を、石けんや入浴剤などの製品例とあわせて解説します。

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化粧品・薬用化粧品・雑貨の違い

化粧品・薬用化粧品・雑貨の違い

化粧品・薬用化粧品(医薬部外品)と雑貨のいちばんの違いは、薬機法で定義されているかどうかと、うたえる効能効果の範囲です。化粧品と薬用化粧品は薬機法で定義され、それぞれ認められた範囲で効能効果をうたえます。一方の雑貨は薬機法上の定義がなく、医薬品・医薬部外品・化粧品などのいずれにも当たらない製品を指すため、人体への効能効果はうたえません。

化粧品は薬機法第2条第3項で、人の身体を清潔にし、美化し、皮膚や毛髪を健やかに保つなどの目的で使われる、作用が緩和なものと定義されています。医薬部外品は同法第2条第2項で、口臭や体臭の防止、あせも・ただれの防止、脱毛の防止・育毛といった限られた目的で使われる、作用が緩和なものと定義されています。薬用化粧品は、医薬部外品のうち化粧品としての使用目的もあわせ持つ製品の通称で、法律上は医薬部外品として扱われます。

比較項目 化粧品 薬用化粧品(医薬部外品) 雑貨
法律上の定義 薬機法第2条第3項で定義 薬機法第2条第2項で定義 薬機法上の定義なし
使用目的 皮膚や毛髪の清浄・美化・健やかな維持 化粧品の目的に加え、肌あれ・にきびなどの防止 空間や物、衣類の清浄・芳香・装飾
うたえる効能効果 通知で定められた56項目の範囲 承認を受けた範囲(日焼けによるシミ・そばかすの防止、にきびの防止など) 人体への効能効果はうたえない(色や香りなどに限られる)
販売に必要な手続き 製造販売業許可、品目ごとの届出 製造販売業許可、品目ごとの承認 薬機法上の許可・届出は不要
製品例 洗顔料、保湿化粧水、メイクアップ用品 薬用美白美容液、薬用アクネソープ インテリア用ソープ、芳香用アロマオイル

うたえる効能効果の違い

パッケージや広告でうたえる効能効果の範囲は、化粧品・薬用化粧品・雑貨のそれぞれで決められています。

化粧品でうたえる効能効果は、厚生労働省の通知で定められた56項目に限られ、「皮膚を清浄にする」「肌を整える」「皮膚の乾燥を防ぐ」「毛髪にはり、こしを与える」などがこれにあたります。原料に優れた特性があっても、この範囲を超える表現はできません。

薬用化粧品は、有効成分を配合し、その効能効果について承認を受けているため、化粧品より踏み込んだ効能効果をうたえます。「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」「にきびを防ぐ」「肌あれ」「あれ性」などがその例ですが、うたえるのは品目ごとに承認を受けた効能効果だけで、承認されていない表現は使えません。

雑貨は人体への作用を目的としないため、皮膚や毛髪など身体に対する効能効果は一切うたえません。表示できるのは色や香り、形状、空間への作用といった物理的・感覚的な特長に限られ、香りでくつろげる空間を演出する、洗浄力で食器の油汚れを落とすといった内容がこれにあたります。

また、化粧品・薬用化粧品・雑貨のいずれであっても、「病気が治る」「肌の老化を根本から改善する」といった医薬品的な効能効果はうたえません。



化粧品における56項目の全容や、薬用化粧品で認められる具体的な承認範囲については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 【薬機法】化粧品・コスメ広告で標ぼうOK/NGな表現について解説
▶ 【薬機法】医薬部外品とは?化粧品との違いと広告で使えるOK/NG表現も解説



参考:厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」

販売に必要な許可・届出の違い

製品を市場に出すための手続きも、分類によって異なります。
化粧品を市場に出すには「化粧品製造販売業許可」が必要で、製品ごとに都道府県へ「化粧品製造販売届書」を提出します。容器や外箱には、配合したすべての成分を記載する「全成分表示」も義務づけられています。

薬用化粧品の場合は「医薬部外品製造販売業許可」が必要となり、届出ではなく、有効成分の配合量や効能効果について品目ごとに承認を受けなければなりません。一方、雑貨であれば、薬機法に基づく許可や届出は必要ありません。

なお、製造販売業許可を持たない事業者でも、許可を持つOEMメーカーに製造販売元となってもらえば、自社は「発売元」として化粧品や薬用化粧品を販売できます。

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化粧品と雑貨を分ける2つの判断ポイント

化粧品と雑貨を分ける2つの判断ポイント

化粧品か雑貨かは、製品の中身や形状だけでは決まらず、「使用目的と使用部位」と「うたっている効能効果」の2つを総合的に見て判断されます。そのため、どちらか一方を確認しただけでは足りません。

たとえば、同じ植物油を使った液体でも、皮膚の保湿を目的としてその効能効果を表示していれば化粧品に、室内の芳香だけを目的として人体への作用を表示していなければ雑貨に分類されます。

使用目的と使用部位

1つ目のポイントは、その製品が人の身体に使うことを目的としているかどうかです。化粧品は身体に使うことを前提に定義されているため、空間や物、衣類に使う製品は、原則として化粧品ではなく雑貨に分類されます。

身体に使う目的かどうかは、製品の名称や使用方法の案内、パッケージの説明文なども判断材料になります。雑貨と表記していても、「手肌に塗布してください」「洗顔時にご使用いただけます」のように身体への使用を指示していれば、人体に使う製品とみなされ、化粧品としての規制を受けることになります。

うたっている効能効果

2つ目のポイントは、広告やパッケージでうたっている効能効果です。製品の分類は、含まれる成分だけでなく、消費者に向けてどのような効能効果をうたっているかによっても変わります。

雑貨として販売していても、「肌にうるおいを与えます」「角質を柔らかく整えます」のように化粧品の効能効果をうたえば法律上は化粧品として扱われ、化粧品製造販売業の許可や製造販売届出がなければ、無許可で化粧品を販売したことになります。さらに、「アトピーが治る」「肌の炎症を根本から改善する」といった病気の治療や予防に関わる効能効果をうたえば、雑貨に限らず化粧品や薬用化粧品であっても医薬品に該当するおそれがあり、薬機法違反となります。

判断の対象は、製品のラベルや外箱の記載にとどまりません。自社のECサイトやSNSの投稿、インフルエンサーによるPR投稿、チラシやパンフレットなど、広告にあたるものはすべて対象になり、どの媒体でも人体への効能効果をうたえば規制を受けます。

製品別の見分け方

同じ名前で呼ばれる製品でも、使用目的やうたう効能効果によって、化粧品・医薬部外品・雑貨のいずれにも分かれることがあります。ここでは、前章の2つの判断ポイントに、医薬部外品かどうか(有効成分を配合し、承認を受けているか)という視点を加えて、製品ごとの見分け方を確認します。

石けん

石けんは、用途やうたう内容によって、化粧品・薬用化粧品・雑貨のすべてに分かれます。顔や身体を洗うための石けんは、人の身体を清潔にする目的で使われるため化粧品に該当します。これに対し、有効成分を配合して皮膚の殺菌・消毒やにきびの防止をうたう薬用石けんは薬用化粧品にあたり、品目ごとの承認が必要です。

一方、台所用や洗濯用の石けん、部屋に飾るインテリア用の石けんは、身体に使う目的ではないため雑貨に分類されます。ただし、雑貨として販売している石けんでも、「洗顔用」「手肌をやさしく洗う」といった身体への用途や効能効果をパッケージや販売ページに一言でも記載すれば、化粧品に該当します。

入浴剤

入浴剤も、うたう効能効果によって化粧品・医薬部外品・雑貨に分かれます。「皮膚の乾燥を防ぐ」「皮膚を清浄にする」「皮膚をすこやかに保つ」など、化粧品の効能効果の範囲でうたう入浴剤は、化粧品(浴用化粧料)に分類されます。

これに対し、「疲労回復」「肩のこり」「腰痛」「冷え性」「あせも」などをうたう入浴剤は、医薬部外品のうち「浴用剤」という種類に該当します。薬用化粧品とは別の種類で、承認を受けた処方と効能効果の範囲でのみ販売できます。

一方、お湯の色や浴室の香りを楽しむことだけを目的としたバスハーブやバスソルトは、雑貨に分類されます。雑貨の入浴用品で、温浴による血行促進や肌の保湿をうたうことはできません。

オイル類

植物油や精油を使ったオイル製品は、どこに使うか、何をうたうかによって分類が分かれます。皮膚や頭皮、毛髪に塗って乾燥を防いだり、つやを与えたりするスキンケアオイルやヘアオイルは化粧品に該当し、全成分表示などのルールを守って販売する必要があります。

一方、アロマディフューザーなどで空間に香りを広げる芳香浴用のエッセンシャルオイル(精油)は、雑貨に分類されます。ただし、雑貨として販売している精油でも、「手肌に数滴塗布してください」「ボディオイルとしてお使いいただけます」のように身体への使用を促す文言を記載すれば、化粧品に該当します。

また、精油で見落としやすいのが、虫よけの表現です。「蚊を寄せつけない」「虫よけに効果的」のように、蚊などの衛生害虫を寄せつけないことをうたえば、雑貨ではなく医薬品または医薬部外品の規制対象となり、承認を受けていない製品でうたえば薬機法違反になります。

アロマオイルの広告についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
▶ アロマの薬機法広告ガイド|表現ルールとOK・NG例、注意点を徹底解説

クリーム・バーム類

クリームやバームは、名前が使用目的を表していることの多い製品です。手指の乾燥を防ぐハンドクリームや唇の荒れを防ぐリップバームは、皮膚や唇を健やかに保つ目的で身体に塗るため、基本的には化粧品に該当します。

このうち、有効成分を配合し、「肌あれ」「あれ性」「ひび・あかぎれを防ぐ」「かみそりまけを防ぐ」などの効能効果について承認を受けた製品は、薬用化粧品に該当します。

一方、同じバーム状でも、革靴の手入れに使うレザークリームや木製家具に使うウッドワックスは、物を対象としているため雑貨に分類されます。

また、製品名に「ハンド」「リップ」「ボディ」「フェイス」といった身体部位の名前を入れると、人体に使う目的だと判断される材料になります。雑貨として販売する製品には、身体部位を連想させる名前を付けないほうが安全です。

まつ毛美容液

まつ毛美容液は化粧品として販売されているものがある一方で、化粧品でうたえる範囲を超えた表現が問題になりやすい製品です。目元という敏感な部位に塗る以上、化粧品としての安全基準と製造販売体制が求められます。

化粧品の効能効果の56項目には、毛髪に関するものはあっても、まつ毛を対象とした項目がないため、うたえるのは「まつ毛にうるおいを与える」「まつ毛をすこやかに保つ」といった、毛髪の効能効果に準じた範囲に限られます。

「まつ毛がぐんぐん伸びる」「まつ毛が生える」「毛根が活性化して本数が増える」といった育毛や発毛をうたえば、化粧品の範囲を超え、身体の構造や機能に影響を与える医薬品的な効能効果とみなされるため、医薬品として承認を受けていない限りうたえません。

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薬機法違反となった場合のリスクと罰則

薬機法違反した場合のリスク 行政処分・刑事罰・課徴金・信頼失墜

薬機法に違反した場合、単なる修正では済まされません。2021年8月からは課徴金制度も導入され、違反の代償はさらに大きくなっています。

リスク区分 内容 具体例・影響
行政処分 措置命令、
業務停止命令など
  • 広告の差し止め
  • 製品の販売中止
  • 一時的な広告活動の停止
刑事罰 拘禁刑または罰金
(違反内容による)
  • 虚偽・誇大広告:2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金
  • 無許可販売:3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金
※法人にも両罰規定あり
課徴金 売上額の4.5%
  • 虚偽・誇大広告により得た売上に対して適用
  • 大規模事業者ほど経済的打撃が深刻

法的な罰則に加え、違反による社会的信用の失墜も重大なリスクです。報道やSNSでの拡散によるブランド毀損、消費者の離反、取引先からの信用喪失や契約停止といった長期的な影響が現実に起こり得ます。


薬機法違反は「知らなかった」では済まされません。近年ではSNSやECサイトでの個人販売も監視対象となっており、事業規模に関わらず法令遵守が求められています。広告表現の段階から法令リスクを意識し、事前の対策を徹底しましょう。

違反を防ぐための対策

薬機法違反のリスクを回避するには、広告制作プロセスにおけるチェック体制の整備が欠かせません。企業によっては「法務部門が最終確認を行っているから大丈夫」と考えがちですが、制作段階でのチェック漏れが原因で修正対応に追われるケースもあります。初期の企画段階から薬機法を意識した運用体制を築くことが重要です。

以下のような対策を実践することで、違反リスクを抑えることができます。

  • 制作部門と法務部門の連携強化
    商品特性や訴求内容に応じて、事前に表現の方向性をすり合わせておくことで、修正の手間を減らせます。
  • 薬機法に関する社内ガイドラインの整備
    OK/NG表現例、使用可能な効能効果一覧、チェックフローなどをマニュアル化し、関係者が共通認識を持てるようにします。
  • 第三者による表現チェックの導入
    広告代理店やデザイナー任せではなく、法律の専門知識を持った担当者または外部コンサルによる確認体制を導入することで、客観的な判断が可能になります。
  • 制作フローにチェックリストを組み込む
    「医薬品的表現になっていないか」「効果を保証する文言が含まれていないか」など、最低限確認すべきポイントを明文化しておくことで、誰でも初期段階で確認できる仕組みができます。

このように、「誰が」「いつ」「どこで」チェックするかをあらかじめ設計しておくことが、トラブルを未然に防ぐポイントです。

専門家・薬機法コンサルへの依頼

広告表現のチェック体制を社内だけで完結させるのが難しい場合は、薬機法に精通した外部の専門家やコンサルティングサービスの活用も有効です。

薬機法における表現判断は、単に法律を知っていればよいというものではなく、行政の運用実務や過去の指摘事例への理解が不可欠です。また、近年では景表法・ステマ規制・健康増進法など、複数の法令が広告に関わってくるため、総合的な観点でのチェックが求められます。

その点、弁護士が関与する薬機法コンサルティングサービスを活用すれば、表現に関する法令上の適否を含めたチェックを客観的に受けられるほか、社内運用体制やガイドライン整備、社員教育の支援も可能になります。
これは、制作現場の負担軽減とコンプライアンス強化を両立する手段として非常に有効です。

なお、薬事法ドットコムでは、薬機法に特化した広告表現コンサルティングサービスを提供しています。
1998年のサービス開始以来、D2C・EC企業や広告代理店をはじめとする多くのクライアントに対して、薬機法違反を防ぎつつ、広告効果を最大化する表現提案を行ってきました。

提携弁護士による法的観点のチェックと、実務に精通したコンサルタントによる媒体・行政事情を踏まえた代替表現の提案を組み合わせることで、リスクを抑えながらも訴求力のある広告制作を支援しています。

また、広告原稿のチェックにとどまらず、表現ガイドラインの策定や見解書の作成、行政対応の助言まで幅広く対応可能です。
薬機法対応に不安を感じる企業様は、ぜひ私たちにご相談ください。

まとめ

化粧品・薬用化粧品と雑貨の大きな違いは、薬機法で定義されているかどうかと、うたえる効能効果の範囲にあり、市場に出すための手続きも異なります。化粧品と薬用化粧品は薬機法で定義され、製造販売の許可が必要で、化粧品であれば全成分表示も義務づけられています。一方、雑貨は薬機法上の定義がなく許可や届出も不要ですが、うたえるのは色や香り、空間への作用などに限られ、人体への効能効果はうたえません。

また、製品の分類は中身だけで決まるのではなく、どのような目的で使い、パッケージや広告でどのような効能効果をうたうかによっても変わります。雑貨として販売していても、肌へのうるおいや清浄作用といった化粧品の効能効果をうたえば化粧品とみなされ、無許可販売のリスクを負うことになります。製品の企画や販促を進める際は、使用目的だけでなく、自社が発信するすべての表現が適法な範囲に収まっているかを確認しておくことが大切です。

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この記事の監修を担当した弁護士

松澤 建司

M&M法律事務所
代表弁護士 松澤建司

早稲田大学法学部卒。30年以上に及ぶ弁護士経験を持つ。表現検討委員会委員長。誠実・的確・迅速なリーガルサービスの提供を心がけ、一般民事事件を中心に企業法務も取り扱っている。

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