1.アウトコールによる纏め売りが特商法違反になる場合
1)定期コースのわかりやすい総額表示を義務付けた改正特商法は、同時に、過量販売=纏め売り規制を電話勧誘販売にも広げています。
それまでは訪問販売の規制でしたが、これにより通販業者も蚊帳の外ではなくなりました。
2)通常のインバウンドは対象外なので、(あ)は対象外です。
しかし、通常のインバウンドで得たリストに基づくアウトコールは対象なので、(い)は対象となります。
3)そうすると、(い)で次に問題となるのは、「纏め売りが過量販売に当たるのはどういう場合なのか?」です。
これに関して、経産省は次の3ケースを挙げています。
>>(薬事法ルール集2-K(1)https://www.yakujihou.com/merumaga/karyou.pdf)
(a)事業者の1回の販売行為により日常生活において通常必要とする分量を超えることとなる契約
(b)事業者が、過去の消費者の購入の累積から、結果的に日常生活において通常必要とする分量を超えることになることを 知りながら締結等を行った契約
(c)事業者が、既に日常生活において通常必要とする分量を超えた保有状況の消費者であることを知りながら締結等を行った契約
悪徳業者でなければ(b)や(c)はやらないと思いますので、通常の業者で問題となるのは(a)、
つまり、大量購入歴のない人にアウトコールして纏め売りする場合です。
では、この場合に、纏め売りが過量販売に当たるのはどういう場合なのか?
公益社団法人訪販協は、次の量はおおむね過量ではないとしています
>>(薬事法ルール集2-K(2)https://www.yakujihou.com/content/pdf/2-K2.pdf)
つまり、「健康食品だと1年分として10か月分、化粧品だと1年分として10個」。
ですから、この程度の纏め売りであれば過量販売には該当しません。
このレベルがセーフティゾーンということです。
2.違反のペナルティ
1のセーフティゾーンを超えていると、過量販売とみられるケースも出てきます。
その場合、二つのペナルティがあります。
(1)契約から1年以内は契約解除を受けなければいけません。
つまり、クーリングオフを受ける。
(2)一度大量購入させた人にまた大量購入させるなど悪質な場合は、業者名公表・営業停止などの行政処分がありえます。
通常のケースで問題となるのは(1)ですね。
御社の場合、委託したアウトコール業者が、セーフティゾーンを超える量の纏め売りをしていたならば、当該お客様に関してはクーリングオフ対応をするとよいでしょう。