健康食品広告のOK・NG表現をわかりやすく解説!違反事例、法律別の規制内容までご紹介
メニュー
03-6274-8781 平日9:00〜18:00(土日祝日を除く) 閉じる

健康食品広告のOK・NG表現をわかりやすく解説!違反事例、法律別の規制内容までご紹介

更新日:2026年2月24日

健康食品の広告は、消費者の健康意識の高まりとともにニーズが拡大していますが、一方で薬機法や景品表示法などの法律に違反する表現も後を絶たず、行政処分を受ける企業も少なくありません。
本記事では、健康食品の広告におけるOK表現とNG表現の違いを具体例とともに整理し、制度ごとの表示ルール、広告で注意すべき法律の内容、実際の違反事例とそのリスクについてわかりやすく解説します。
違反を防ぐための体制づくりや専門家の活用方法にも触れながら、法令を守りつつ魅力的に商品を伝えるための実務的なヒントをお届けしますのでぜひご覧ください。

\登録者数30,000人超えの無料メルマガ/

報道前の法改正や行政の動向、違反への判断基準など、実務に直結する情報を毎日配信。
厚生労働省OBらが在籍する組織の知見を、毎日の実務を支える確かな指針に。

1.健康食品とは

一般食品と健康食品・保健機能食品の違い

「健康食品」という言葉はよく使われますが、実は法律上の定義は存在しません。厚生労働省の説明によれば、「医薬品以外で経口的に摂取され、健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂取されている食品全般」のことを指します。

健康食品のうち、国が定めた一定の基準を満たすことで、機能性や栄養に関する表示が可能な食品のことを「保健機能食品」と呼び、主に以下の3つに分類されます。

  • 特定保健用食品(トクホ)
    国の審査を受け、許可を得た特定の保健の目的が期待できる旨を表示する食品
  • 栄養機能食品
    国の審査は不要で、特定の栄養成分の補給のために利用される食品
  • 機能性表示食品
    国の審査は不要で、事業者の責任において科学的根拠に基づき特定の保健の目的が期待できる旨を表示した食品

また、保健機能食品の制度に該当せず、特別な許可や届出を経ていない一般的な健康食品やサプリメントは「いわゆる健康食品」として分類されています。
いわゆる健康食品では、「○○が治る」「病気を予防する」といった医薬品的な効能効果を標ぼうする表現は、薬機法上の「医薬品」とみなされる可能性があります。
この場合、広告や販促物での表現が法令違反となるリスクが高まるため、あくまで「食品」であることを踏まえた慎重な表現をすることが重要です。

2.保健機能食品とは

保健機能食品

健康食品の中でも、「保健機能食品」は国の制度に基づいて一定の機能を表示することが認められた食品です。医薬品とは異なり、疾病の治療や予防を目的としたものではありませんが、科学的根拠に基づいて健康の維持や増進をサポートする食品として、広告やパッケージでの機能表示が可能になります。

保健機能食品には、それぞれ表示ルールや制度の仕組みに違いがありますので、以下で順に説明していきます。

特定保健用食品(トクホ)

トクホは、国が個別に安全性・有効性を審査し、許可した表示ができる制度です。
対象となるのは「おなかの調子を整える」「血圧が高めの方に適する」といった特定の保健の目的が期待される食品で、審査に通過すると許可マーク(トクホマーク)の表示が認められます。

申請には科学的な根拠に基づく試験結果の提出が必要となり、審査のハードルは比較的高めです。消費者にとっては信頼性の高い指標となる一方、事業者側には開発・申請にかかるコストや期間の負担が大きい制度といえます。

栄養機能食品

栄養機能食品は、国が定めた基準に適合していれば、個別審査なしで販売できる制度です。
対象は、ビタミン・ミネラルなどの特定の栄養成分で、それぞれの栄養素に関する機能(例:「ビタミンCは皮膚や粘膜の健康維持に必要な栄養素です」)を表示できます。

機能表示ができる栄養成分

成分カテゴリー栄養成分(機能表示成分)
脂肪酸n-3系脂肪酸
ミネラル亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム
ビタミンナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸

自己認証により販売可能であるため、トクホよりも比較的手軽に機能表示ができる点が特徴です。
ただし、規定された栄養素や含有量、表示文言に関するルールを正確に理解し、制度に則った表示を行う必要があります。

機能性表示食品

機能性表示食品は、企業が責任を持って機能性を表示する制度です。販売前に科学的根拠(臨床試験や研究レビューなど)をもとに、消費者庁に届け出ることで、機能を表示することができます。

たとえば、「記憶力を維持する」「脂肪の吸収を抑える」といった表示が可能で、届出内容は消費者庁のウェブサイトで公開されます。
ただし、国が内容を審査・許可する制度ではないため、表示の妥当性や安全性に関しては事業者側に高い説明責任が求められるので慎重な対応が必要です。

広告においても、届出済みの科学的根拠があるからといって「どんな表現をしても大丈夫」と過信するのではなく、薬機法や景品表示法の観点から、その広告表現自体に合理的な根拠が認められるかを個別に確認しましょう。

▼機能性表示食品についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
「機能性表示食品とは?」を丸ごと解説

3.健康食品に関係する主な法律

健康食品の広告や販促活動を行う上では、さまざまな法律に注意を払う必要があります。
とくに、虚偽・誇大な表現によって消費者に誤解を与えると、行政処分や改善命令といった重いリスクに発展する可能性があるでしょう。

ここでは、広告表現に関連する主要な法律を7つに整理し、それぞれの目的や規制内容、実務上の注意点を解説します。
実際の広告トラブルでも頻繁に適用される法令から順に紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

薬機法

薬機法は、医薬品等の品質や有効性、安全性を確保し、保健衛生の向上(国民の生命や健康を守ること)を目的とした法律です。
健康食品であっても、「○○が治る」「病気を予防できる」といった医薬品的な効能効果を標ぼうした場合には医薬品とみなされ、「虚偽または誇大広告の禁止」(薬機法第66条)や「未承認医薬品等の広告禁止」(同法第68条)に抵触するおそれがあります。

このため、「疲労回復」「脂肪燃焼」「老化防止」などの身体の組織機能に関わる表現は、とくに判断が厳しくなる傾向があります。広告制作時には、「どのような機能が訴求されているか」「医薬品的な印象を与えていないか」といった視点での確認が不可欠です。

▼薬機法についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
薬機法とは?薬事法との違いや規制内容、罰則などを簡単に解説

景品表示法

景品表示法は、不当な表示による顧客誘引を防止し、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を保護することを目的とした法律です。
主に、「優良誤認表示(実際より著しく良く見せる)」(景表法第5条第1号)や「有利誤認表示(取引条件を実際より有利に見せる)」(同法第5条第2号)を禁止しています。

とくに健康食品広告では、科学的根拠のない「効果がある」「改善する」といった表現が、優良誤認に該当するリスクがあるため注意が必要です。また、表示の裏付けとなるデータが求められる「不実証広告規制」も設けられており、合理的な根拠を提示できなければ違反とみなされる可能性があります。

▼景品表示法についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
景品表示法(景表法)とは?規制内容や違反事例、罰則などをわかりやすく解説

健康増進法

健康増進法は、「健康の保持増進」に関する表示のルールを定めた法律です。健康食品に対しては、「誇大表示の禁止」(健康増進法第65条1項)がとくに重要で、「がんが治る」「生活習慣病が予防できる」などの誤認を与える表現は違反となります。

医薬品的な効能効果をうたうことで、本来受けるべき診療の機会を逃すおそれがあるため、消費者保護の観点からも厳格に運用されています。また、表示全体から「暗示的・間接的」に効果を連想させる場合も規制対象となるため、キャッチコピーや成分説明にも注意が必要です。

食品表示法

食品表示法は、食品に関するすべての表示ルールを統合した法律です。従来は食品衛生法、JAS法、健康増進法などに分かれていた表示規定を一元化し、容器包装や広告で表示すべき内容を明確化しました。

健康食品についても、名称・原材料・栄養成分・アレルゲンなどの必須表示事項を正確に記載することが求められます。パッケージデザインやランディングページ制作において、表示内容が法的要件を満たしているかの確認が重要です。

特定商取引法(特商法)

特定商取引法は、通信販売や訪問販売における消費者トラブルを防ぐための法律です。
とくにECサイトで健康食品を販売する場合には、広告表現・購入画面・利用規約などで特商法の表示義務に対応しているか確認する必要があります。

代表的な規制には、以下のようなものがあります。

  • 誇大広告の禁止(例:「今だけ半額!」に合理的な根拠がない場合)
  • 返品特約の明示
  • 販売業者の氏名・住所・連絡先の記載
  • 申し込み最終確認画面での重要事項の明示 など

食品衛生法

食品衛生法は、食品の安全性を確保するための基本法です。製造・加工・販売に関わるすべての事業者に対して、衛生管理や成分規格の遵守、食品添加物の制限などが求められます。

健康食品であっても、許可されていない成分の使用や、異物混入、虚偽の原材料表示などは法令違反となり、回収や業務停止の対象となる可能性があります。
製品そのものの品質や安全性についても、食品衛生法などの法令で定められた基準(法的根拠)に適合していることが不可欠です。

JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)

JAS法は、農産物や加工食品などの品質を表示するルールを定めた法律です。
現在は、表示に関する規定の多くが食品表示法に移管されていますが、特定の基準や格付けが残っている分野もあり、依然として関連法として扱われます。

とくに、農林水産物を原料とする健康食品では、JAS規格表示を用いた場合に誤認表示とならないよう注意が必要です。

「この表現、実はNGでは?」という不安を、確かな判断基準と対策へ。

行政が公表しない実質的な判断ルールや、他社の措置命令の真の理由を専門家が独自分析。
気づかぬうちに招いてしまう行政指導や法抵触のリスクを、最新情報のキャッチアップで未然に防ぎます。

4.健康食品広告のOK/NG表現と注意点

健康食品の広告では、消費者の誤認を防ぐために表現に関する厳しいルールが設けられています。とくに、医薬品的な効能効果の訴求や、制度で認められていない機能表示を行うと、薬機法や景品表示法違反に該当するリスクがあるため広告表現は慎重に検討すべきです。

ここでは、実務で注意すべきOK・NGの表現例をまとめました。制度ごとの表現ルールの違いもあわせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。

OK表現

健康食品で使用できる表現は、各制度に基づき、国が定めた基準の範囲内で行うものに限られます。ここでは、「特定保健用食品」「栄養機能食品」「機能性表示食品」「いわゆる健康食品」の4区分に分けて、制度上認められる基本表示と補足情報を整理しました。

特定保健用食品(トクホ)

特定の保健の用途が期待できる旨の表示が可能です。
この表示を行うためには、食品ごとに有効性・安全性について国の審査を受け、消費者庁長官の許可を得る必要があります(健康増進法第43条第1項)。

保健の用途の表示OK表現
(成分名)の働きにより、
・おなかの調子を整えるので、お通じの気になる方に適しています。
・食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにするので、脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の中性脂肪が気になる方の食生活の改善に役立ちます。
「おなかの調子を整えます」
「お通じの気になる方に」
「食後の中性脂肪が気になる方に」
「脂肪の多い食生活の改善に」
○○(関与成分)が含まれておりビフィズス菌を増やして腸内の環境を良好に保つので、おなかの調子を整えます。「おなかの調子を整えます」
「腸内環境を良好にしたい方に」
「ビフィズス菌を増やして腸活」
本品は骨密度を高める働きのある○○○(成分名)を含んでおり、骨の健康が気になる方に適しています。「骨密度を高めたい方に」
「骨の健康が気になる方に」

栄養機能食品

国が定める基準に従い、特定の栄養成分の機能に関する表示が可能です。基準に適合すれば、個別許可は不要の自己認証制度として表示できます。

栄養成分栄養機能表示OK表現
ビタミンCビタミンCは、
皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、
抗酸化作用を持つ栄養素です。
「美容と健康が気になる方に」
「透明感ある美しさを目指したい」
「いつまでもキレイでいたい女性に」
葉酸葉酸は、赤血球の形成を助ける栄養素です。
葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素です。
「妊娠準備に必要な葉酸がとれる」
「これからママになる方」
カルシウムカルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。「毎日の体づくりに」
「丈夫に過ごしたい方に」
「骨や歯の健康が気になる方に」
亜鉛亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です。
亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
亜鉛は、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、
健康の維持に役立つ栄養素です。
「皮膚や粘膜の健康維持を保ちたい方」
「味覚が気になる方に」
「いつまでも健康でいたい方に」

機能性表示食品

事業者の責任において、科学的根拠に基づき特定の保健の目的が期待できる旨の表示が可能です。表示を行うには、販売前に安全性や機能性の科学的根拠などを消費者庁に届け出る必要があります。

表現内容OK表現
容易に測定可能な体調の指標の維持に適する
または改善に役立つな どの表現
「血圧が高めの方に」
「体に脂肪がつきにくい」
「中性脂肪を低下させる」
身体の生理機能、組織機能の良好な維持に適する
または改善に役立つなどの表現
「目のピント調節機能改善」
「目の疲労感の緩和」
「糖の吸収を抑えます」
身体状態を本人が自覚でき、
一時的な体調の変化(継続的、慢性的でないもの)
の改善に役立つなどの表現
「一時的なストレスの低減」
「一時的な疲労感の緩和」
「VDT作業時の一時的な目の不快感」

いわゆる健康食品(保健機能食品以外)

制度上、機能性や保健の用途を表示することは認められていません。表示できるのは、含有成分量やカロリーなどの事実に基づく情報のみです。

訴求したい効果OK表現
筋肉増強「アクティブな毎日を送りたい方」
「健康に気をつかっている方」
「好きなことを続けたい方」
ひざ関節・歩行機能「アクティブな毎日を応援」
「散歩や旅行を軽やかに楽しみたい方に」
「段差を気にせずスムーズに」
血流・認知機能「トリプルオメガのチカラ」
「考える力をサポート」
認知機能・活力「うっかりが増えたと感じる方に」
「考える力に自信を持ちたい方に」
「毎日をイキイキと過ごしたい方に」
痩身・ダイエット「日々の運動サポートに」
「運動を頑張りたい日に」
「毎日続けてやる気を燃やす」
美容「ハリのある毎日に」
「透明感のある生活」

NG表現

健康食品に関する広告や表示では、虚偽・誇大な効果を示唆する表現が行政指導や措置命令の対象となります。
ここではとくに問題となる表現を、次の3カテゴリに分類して整理しました。

健康食品の広告表現では、制度ごとに認められる範囲と禁止される表現の線引きを正確に理解することが重要です。

疾病の治療・予防を示唆する表現

健康食品が疾病の治療や予防を目的とする効果を謳うことは、薬機法上の医薬品的効能効果の標ぼうに該当します。

区分NG表現解説
重篤な疾病の治癒・改善「末期ガンが治る」
「虫歯にならない」
「糖尿病、高血圧、動脈硬化の人に」
「花粉症に効果あり」
「生活習慣病予防」
医師の診断・治療を要する疾病について、治癒・改善効果をうたうことは、消費者に誤認を与え、適切な診療機会を逸させるおそれがあるため禁止されています。
医薬品的な効果の暗示「薬に頼らずに糖尿病を改善」
「本品を飲めば医者いらず」
特定の疾患を抱える者を対象とした表現や、「薬を使わず改善」といった文言は、間接的に疾病の治療効果を暗示すると判断されます。
身体の組織機能の増強「疲労回復」
「老化防止」
「若返り」
「免疫力を高める」
「脂肪燃焼を促進」
身体の組織機能の一般的増強・増進を目的とする効果は、医薬品的効能とみなされるため、承認がない限り表示できません。

美容訴求に関する表現

美容効果に関する表示は、「人の身体を美化し魅力を増す効果」に該当しますが、著しい誇張や誤認を招く内容は虚偽誇大表示とされます。

区分NG表現解説
著しい痩身効果の標ぼう「飲むだけでドンドン落ちる!」
「普段の食事を変えなくても、1ヶ月で10kg減」
特段の努力なしに短期間で著しい痩身効果が得られるかのような表示は、虚偽誇大表示に該当します。
美容・体型に関する暗示「ブヨブヨお腹がたったの1粒で!」
「スリム○○」
「美しい理想の体形に」
体験談や画像と組み合わせて著しい変化を暗示する広告全体の構成は、誤認表示とみなされるおそれがあります。
問題事項の例示「疲れが取れない」
「メタボが気になる」
「健康診断で指摘を受けた」
健康食品でこれらの悩みが解消できると誤認させるおそれがあるため、表示には慎重さが求められます。

届出表示や機能表示の言い換え

特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の表示内容を、許可・届出範囲を超えて変更することは違反となります。

区分NG表現解説
トクホの許可内容の逸脱許可表示が「食後の血中中性脂肪の上昇を抑える」であるにもかかわらず、「体脂肪を減らす」と表示する許可を受けた文言を省略・変更し、継続的効果を暗示する表現は、虚偽誇大表示等に該当します。
機能性表示食品の届出内容の逸脱「内臓脂肪を減らすのを助ける機能性がある」という届出にもかかわらず、食事制限なしで誰でも痩せるように表示する届出内容を超えた効果を暗示する広告は、景品表示法・健康増進法違反の対象となります。
国の評価・許可の誤認「消費者庁承認」
「○○国政府認可」
「○○研究所推薦」
機能性表示食品は国による審査・許可を受けていないため、公的機関の承認を示唆する表示は虚偽誇大表示に当たります。

「その広告表現、法的に通せますか?」

薬事法ドットコムでは、過去600社以上の実績を持つ専門家と、弁護士による2段階チェックにより、媒体や行政の最新動向を踏まえた、「売れる&通せる」最適な代替表現をご提案。単なるNG指摘ではなく、文脈に合わせた最適な表現へ導きます。


広告が通らなかった場合も、審査通過まで責任を持って徹底サポート。必要に応じて弁護士名義の見解文書も無償で作成し、ビジネスの完遂を最後まで支えます。

5.健康食品広告における景品表示法の違反事例

健康食品広告における景品表示法違反の多くは、「痩身効果」「美容効果」などについて合理的な根拠のない効果を訴求し、優良誤認表示と判断されたものです。
ここでは、実際に措置命令や課徴金納付命令を受けた事例を紹介し、広告制作やチェック時に注意すべきポイントを解説します。

株式会社W-ENDLESS:ダイエット味噌汁で課徴金納付命令

「Dr.味噌汁」と称する食品の広告において、「★無理な食事制限ナシ★ ★辛い運動ナシ★ それだけ? と思いますよね。それだけなんです!」など、商品を摂取するだけで、著しい痩身効果が得られるかのように表示。
「飲むだけで痩せる」といった表現は合理的な根拠が認められず、令和5年5月19日に景表法第8条第1項に基づいて530万円の課徴金納付命令が科されました。
違反期間中の売上額は1億7686万2741円でした。

この事例は、「努力不要」「飲むだけ」優良誤認表示に対する典型的な処分例です。とくに「辛い運動ナシ」「食事制限ナシ」という現代の消費者の願望を強く刺激する表示が、合理的な根拠なしとされた場合に、措置命令だけでなく課徴金納付命令(経済的制裁)がセットで適用される流れを明確に示しています。

出典:消費者庁「株式会社W-ENDLESSに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について」(令和5年5月19日)

株式会社シーズ・ラボ:ダイエットサプリで措置命令

「4D」と称する食品の広告において、「食事の気になるカロリーを速攻カット!!」、「脂っこい料理 甘~いスイーツ 食べ過ぎてもなかったことに!」など、食事から摂取したカロリーの吸収がすぐに阻害され、体重増加が阻止されるかのように表示。
この表現は合理的な根拠が認められず、景表法第7条第1項に基づく措置命令が下されました。
措置命令では、再発防止策の講じ及び周知徹底、今後同様の表示を行わないことが含まれており、また、シーズ・ラボは一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示す表示をしていた旨を日刊新聞紙2紙に掲載していたことも消費者庁により明らかにされています。

この事例は、エステサロン運営会社によるサプリメント販売であり、エステティックサロンの専門性を背景に「独自開発」を謳いつつ、即効性(速攻カット)や極端な効果(なかったことに)を訴求した点が問題視されました。とくに、消費者が抱く効果に関する認識を打ち消すほどの合理的な根拠が、提出資料からは認められなかったことが、措置命令の決定打となっています。

出典:消費者庁「株式会社シーズ・ラボに対する景品表示法に基づく措置命令について」(令和3年11月24日)

株式会社アクガレージ/アシスト株式会社:豊胸サプリで課徴金納付命令

「ジュエルアップ」、「モテアンジュ」と称する食品の広告において、「『バスト育ちすぎてヤバい!?』簡単に巨乳メリハリボディになる裏技解禁!」「SNSでもバズッて、モデルやインスタグラマーがバスト激変しまくり!」など、食品を摂取することで豊胸効果が得られるかのように表示。
景表法第7条第2項の規定(不実証広告規制)に基づき、アクガレージ及びアシストに対し、それぞれ、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたが、提出されなかったことから優良誤認表示とみなされ措置命令が下されました。
その後、同法第8条第1項に基づき、令和5年1月24日にアシスト社へ1億1716万円、令和5年3月30日にアクアガレージ社へ1,944万円の課徴金納付命令が科されました。

この事例では、アフィリエイト広告やSNS投稿(Instagram)も景表法の規制対象と判断されました。広告主(両社)がアフィリエイターと共同して表示内容を決定していたと認定され、インスタグラムの投稿が景表法違反の対象となった最初の事例の一つです。
豊胸効果に関する合理的な根拠の提示を求められたが資料を提出しなかった点が、課徴金納付の理由とされています。
とくに、アシストへの課徴金額は1億円を超え、不当表示による経済的利益の剥奪が厳格化されていることを示します。

出典:消費者庁「株式会社アクガレージ及びアシスト株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について」(令和3年11月9日)

出典:消費者庁「アシスト株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について」(令和5年1月24日)

出典:消費者庁「株式会社アクガレージに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について」(令和5年3月30日)

株式会社ハウワイ:ダイエット茶で措置命令

「重ね発酵ハーブ茶」と称する食品の広告において、「飲むだけ 無理せず-10kgダイエット」、「減量アプローチ」、「カロリーブロック」など、摂取するだけで著しい痩身効果が得られるかのように表示。
この表現は合理的な根拠が認められず、景表法第7条第1項に基づく措置命令が下されました。

この事案の重要な教訓は「打ち消し表示(免責事項)の限界」です。ハウワイは「※コメントは個人の感想です。使用感には個人差があります。」といった表示を行っていましたが、消費者庁は、この打ち消し表示が一般消費者が抱く効果に関する認識を打ち消すものではないと明確に判断しました。
これは、広告全体で強力な効果を謳っている場合、小さな文字の免責事項は消費者の誤認を解消できないという、景表法運用の厳格化を示しています。

「この表現、実はNGでは?」という不安を、確かな判断基準と対策へ。

行政が公表しない実質的な判断ルールや、他社の措置命令の真の理由を専門家が独自分析。
気づかぬうちに招いてしまう行政指導や法抵触のリスクを、最新情報のキャッチアップで未然に防ぎます。

6.違反となった場合のリスクと罰則

違反した場合のリスク 行政処分・刑事罰・課徴金・信頼失墜

健康食品の広告において、薬機法や景品表示法、特定商取引法といった関連法令に違反した場合、企業は刑事罰や行政処分といった重大なペナルティを受ける可能性があります。

以下に、健康食品広告で違反が問題となった場合に適用される主な法律と、それぞれの罰則・行政処分、広告における代表的な違反例をまとめます。表現チェックや広告企画の参考として活用してください。

法律名罰則処分主な違反例
薬機法・2年以下の懲役または200万円以下の罰金(第66条、第68条)・業務停止命令
・回収命令
・違反広告に係る措置命令
「高血圧が改善する」など医薬品的効能を謳った表現
景品表示法・2年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人は3億円以下の罰金)・措置命令(表示の取消・再発防止の周知など)
・課徴金納付命令(売上の3%)
「飲むだけで痩せる」「たった1週間で効果」などの不実証広告
特定商取引法・3年以下の懲役または300万円以下の罰金(第12条の6第1項、第13条の2)
・100万円以下の罰金(第12条の6第2項)
・業務停止命令
・指示処分(再発防止策の実施)
定期購入の回数縛りや、返品不可を明示しない通販広告など

広告表現の不備は単なる注意で済むとは限らず、業務停止命令や課徴金、さらには刑事罰の対象となることもあります。とくに繰り返し違反を行っていた場合や、売上規模が大きい場合は、企業ブランドへのダメージも甚大です。

また、行政処分の内容は消費者庁や関係機関のウェブサイトで公表されるため、社会的信用の失墜にもつながりやすく、広告活動の継続や新商品の展開にも影響を及ぼすおそれがあります。

7.違反を防ぐための対策

健康食品の広告において法令違反を未然に防ぐには、社内体制の整備と外部専門家の活用の両面から取り組むことが重要です。広告制作の現場では、スピードや訴求力が優先されやすい一方で、法令遵守の視点が後回しにされてしまうケースも少なくありません。そのため、実務レベルで機能するチェック体制と教育・共有の仕組みを構築しておくことが求められます。

まず、社内では法改正や最新の行政動向を反映したガイドラインの整備や、新入社員・担当者向けの研修プログラムを定期的に実施することが効果的です。これにより、広告表現に関する判断力が現場全体に共有され、属人的な判断ミスを減らすことができます。

また、実際の広告運用にあたっては、制作担当者だけでなく法務・品質管理部門など複数部署による「ダブルチェック体制」を導入することで、より確実なリスク回避が可能になります。

専門家・薬機法コンサルへの依頼

薬機法や景品表示法等に精通した外部の専門家やコンサルタントと連携することも有効な手段です。とくに新商品や新ブランドの立ち上げ時、複数媒体への広告展開、インフルエンサーとのタイアップなど、表現リスクが高まりやすい局面では、事前の広告レビューや文言調整を専門家に依頼することで、違反リスクを大幅に軽減できます。

広告チェックに加えて、表現ルールの策定支援や社内監査フローの構築など、広範なコンプライアンス体制の整備を支援するサービスも存在します。

なお、薬事法ドットコムでは、薬機法・景品表示法・特定商取引法など、健康食品広告に関わる主要法令に対応した専門的な審査・コンサルティングサービスを提供しています。提携弁護士がチェックを行い、現場でリアルタイムの情報を多数得ているコンサルタントが広告の文脈に沿いながら媒体・行政の傾向も踏まえた最適な表現を提案いたします。

社内体制と外部リソースをうまく組み合わせることで、健全で持続的な広告活動を実現できます。表現の自由と法令遵守のバランスをとるためにも、体制の整備を怠らないよう注意しましょう。

8.まとめ

健康食品の広告を制作・運用するうえでは、薬機法・景品表示法・健康増進法などの関連法令を正しく理解し、表現のルールを守ることが不可欠です。とくに近年は、消費者庁などによる監視体制が強化されており、合理的な根拠のない効果訴求や誤認を招く表現に対しては、措置命令や課徴金納付といった厳しい行政処分が下される事例も増えています。

一方で、消費者の関心を引き、製品の魅力を効果的に伝える表現力も欠かせません。法令遵守と訴求力の両立を実現するためには、制度ごとの表示ルールを正しく理解し、伝え方を工夫することが重要です。たとえば、OKとされる表現の範囲内で魅力を伝える言い回しを活用したり、トクホや機能性表示食品など、制度に基づく表示を正しく使うことで、リスクを抑えながら訴求力を高めることができます。

また、不安な場合は薬機法や景品表示法に精通した専門家に相談し、事前に広告表現の妥当性を確認することが安心につながります。社内でのチェック体制を整備しつつ、外部の知見も柔軟に取り入れながら、消費者に信頼される広告づくりを心がけることが、企業のブランド価値や持続的な成長につながるはずです。

無料の薬機法・景表法メールマガジン

法律を守り、売上も最大化する。規制を逆手に取った「勝てる広告表現」の作り方。
RIZAPやチョコザップ等の成功を支えたノウハウを、30,000人が購読するメルマガで毎日配信。
厚生労働省OBらが在籍する組織の知見が、あなたの実務を強力にバックアップします。

【最速】行政の警告・新規制情報をどこよりも早く先行配信
【分析】行政が明かさない基準を、具体的な事例で独自解読
【成功】「売れる&通せる」広告表現の成功事例を伝授

※景品表示法の最新ニュースのみを週1回受け取りたい方は、こちらの登録フォームからお申し込みいただけます。

この記事の監修を担当した弁護士

西脇 威夫

薬事法ドットコム
パートナー弁護士 西脇威夫

一橋大学法学部卒。元ナイキ・インハウスロイヤー、エンターテインメント・ローヤーズ・ネットワーク会員、日本スポーツ法学会会員 他。
法人の設立、商業取引(英文及び和文の各種契約の作成・レビュー、ブランド保護、偽物対策、独禁法のアドバイス等)、人事労務、コンプライアンスについて、経験豊富。

TTI/YDCのご提供するサービスのご案内はこちら

会員数20,000名突破!業界の誰もが読むメルマガの無料会員になる

プロのコンサルタントに相談したい

トータルでサービスを受けたい

薬事法(薬機法)を学びたい

その他のご相談

その他のお問合せ及び資料請求などはこちらまでお気軽にお申込みください。