こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは機能性表示最新情報をご紹介します。
L296 グルコサミンW
「本品にはグルコサミン塩酸塩が含まれます。
グルコサミン塩酸塩は膝の可動域の改善、膝の
違和感を軽減することが報告されています。」
届出者は甲陽ケミカル社、SRの作成は、同社か
ら委託を受けたウェルナス社となっています。
甲陽ケミカル社のグルコサミン塩酸塩といえば、
懐かしく感じる方もいるかもしれません。機能
性表示食品制度がはじまった当初、A139で届出
が受理されて、グルコサミンの原料メーカーと
していち早くSR付の原料を展開したのが甲陽ケ
ミカル社でした。以下のような事例です。
A139 グルコサミン
「本品にはグルコサミンが含まれます。グルコ
サミンは、運動や歩行などにおける軟骨成分の
過剰な分解を抑えることで、関節軟骨を維持す
ることが報告されています。」
当初は多くの商品で採用され優勢を誇っていた
グルコサミンですが、順風満帆とはいきません
でした。上の事例を見てもわかる通り、当初の
機能性関与成分は「グルコサミン」でしたが、
その名称が適切ではないとされ、「グルコサミ
ン塩酸塩」へ変更を余儀なくされます。それに
よって多くの商品が撤回となりました。(質疑
応答集問3-1 のその他の項目にある、「機能
性関与成分が塩類(〇〇塩酸塩、××カルシウ
ム等)であって、〇〇や××を分析対象物とし
ている場合・・・」というのは、この時の問題
を受けてのものだと思われます。)
さて、そんなグルコサミン塩酸塩ですが、デー
タベースで調べてみると、現在のところ
PRISMA2020に対応した届出は2件しかありません。
一つが今回のL296、そしてもう一つはプロテイ
ンケミカル社のJ1099です。プロテインケミカル
社は、甲陽ケミカル社の撤回のあと、それに代
わってシェアを伸ばしてきたもう一つのグルコ
サミン塩酸塩の販売メーカー。以下の事例がそ
れです。
J1099 グルコサミン1500
「本品にはグルコサミン塩酸塩が含まれます。
グルコサミン塩酸塩は膝関節の可動性(曲げ伸
ばし)をサポートし、膝の不快感をやわらげる
ことが報告されています。」
ところで、本来の甲陽ケミカル社のグルコサミ
ン塩酸塩は、A139にあるように、「軟骨成分の
過剰な分解を抑えることで、関節軟骨を維持す
る」という訴求でしたが、今回のL296では、プ
ロテインケミカル社のJ1099と同様に、「膝の可
動域の改善、膝の違和感を軽減」に変わってい
ます。
SRの採用文献を見ると、かつての主要文献で
あったMomomura2013や、その層別解析論文であ
る百村2017は、それぞれ「試験デザインの詳細
が記載されていないため」「解析方法が不適切
のため」という理由で除外されています。代
わって、膝関節の主観評価を主要アウトカムと
する文献4報のみを採用しています。
Momomura2013は、II型コラーゲンの分解マー
カーであるCTX-IIの低下を示した試験であり、
「軟骨成分の過剰な分解を抑える」という旧来
の表示文言は、まさにこの結果に依拠したもの
でした。しかも甲陽ケミカル社自身が試験品を
提供した試験です。それを外すというのは、大
きな方針転換であるように思われます。
その理由としては、Momomura2013の対象者の適
格性という問題があるのかもしれません。
Momomura2013は競輪選手を被験者としています。
膝関節に強烈な負荷をかける競輪選手での結果
を、一般の健常者に当てはめることができるの
か、という問題があったことは想像に難くあり
ません。そのため、甲陽ケミカル社としては、
層別解析論文なども出して対応してきたのだと
思われますが、それもなかなか苦しかったので
しょうか。
L296の方針転換により、ヘルスクレームは競合
であるプロテインケミカル社と正面からぶつか
ることになるわけですが、今後は両社しのぎを
削ることになるのでしょうか。あるいは甲陽ケ
ミカル社としては旧来のヘルスクレームについ
ても、この先PRISMA2020化する用意があるのか。
これからの展開を見守りたいところです。
それでは、またメールしますね。
