化粧品の表示に関する公正競争規約
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化粧品の表示に関する公正競争規約

公正競争規約 公正競争規約施行規則

(目的)

第1条

この公正競争規約(以下「規約」という。) は、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第11条第1項の規定に基づき、化粧品の表示に関する事項を定めることにより、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保することを目的とする。

(表示の基本)

第2条

前条の目的を達成するため、事業者は、化粧品の表示に関し、次に掲げる事項を銘記し、規約の厳正な実施を期するものとする

  1. 化粧品は、日常的に身体に直接使用されるとともに、美と心の充足を求めるという商品特性を有することから、一般消費者の使用目的や求めに応じた商品選択と知識が得られるよう積極的かつ的確な情報提供を趣旨としたものでなければならない。
  2. 化粧品の品質、効能効果、安全性等について、虚偽又は誇大な表示をすることにより、一般消費者に誤認されるおそれのある表示をしてはならない。
 

(定義)

第3条
  1. この規約で「化粧品」とは、薬事法(昭和35年法律第145号)第2条第3項に定める「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」であって、化粧石けん及び歯みがき類を除いたものをいう。
  2. この規約で「事業者」とは、化粧品を製造する事業者並びに製造等(他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を含まない。)をし、又は輸入をした化粧品を販売する事業者(以下「製造販売業者」という。)及びこれらに準ずる事業者であって、この規約に参加する者をいう。
  3. この規約で「表示」とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する化粧品の取引に関する事項について行う広告その他の表示であって、次に掲げるものをいう。
    1. 商品、容器又は包装による広告その他の表示及びこれらに添付した物による広告その他の表示
    2. 見本、チラシ、パンフレット、説明書面その他これらに類似する物による広告その他の表示 (ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)及び口頭による広告その他の表示 (電話によるものを含む。)
    3. ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオン・サイン、アドバルーンその他これらに類似する物による広告及び陳列物又は実演による広告
    4. 新聞紙、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備又は拡声機による放送を含む。)、映写、演劇又は電光による広告
    5. 情報処理の用に供する機器による広告その他の表示(インターネット、パソコン通信等による広告を含む。)

(必要表示事項)

第4条

事業者は、化粧品の直接の容器又は直接の被包(直接の容器又は直接の被包に表示された事項が、外部の容器又は外部の被包を透かして容易に見ることができない場合は、当該外部の容器又は外部の被包を含む。)に次に掲げる事項を化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則(以下「施行規則」という。)に定めるところにより、邦文で外部から見やすい場所に、明りょうに表示しなければならない。ただし、施行規則で特に定める場合においては、この限りでない。

(定義)

第1条

化粧品の表示に関する公正競争規約(以下「規約」という。)第3条第2項に規定する「これらに準ずる事業者」とは、同条同項に規定する製造販売業者と実質的に同一の事業を行っていると認められる者で、次の各号に掲げる事業者をいう。

  1. 製造販売業者に委託した化粧品について自己の商標又は名称を表示して販売する事業者
  2. 化粧品について、製造販売業者と総代理店契約その他特別の契約関係にある事業者

(1)種類別名称

(種類別名称)

第2条
  1. 規約第4条第1号に規定する「種類別名称」とは、一般消費者が商品を選択するための基準となる名称であって、別表1に掲げるものをいう。ただし、販売名に種類別名称を用いた場合は、当該販売名を種類別名称とみなすことができる。
  2. 前項の表示は、括弧、枠組み、色替え、肉太等により目立つように表示する。

(2)販売名

(販売名)

第3条

規約第4条第2号に規定する「販売名」は、薬事法の規定に基づく承認を受けた名称又は届け出た名称により表示する。

(3)製造販売業者の氏名又は名称及び住所

(住所)

第4条

規約第4条第3号に規定する「住所」は、総括製造販売責任者がその業務を行う事務所の所在地とする。

(4)内容量

(内容量)

第5条

規約第4条第4号の規定に基づく内容量表示(容器又は包装材料を含まない。以下同じ。)は、次に掲げる基準によるものとする。

  1. 内容量は、内容重量、内容体積又は内容数量で表示することとし、内容重量は「g」又は「グラム」、内容体積は「mL」又は「ミリリットル」、内容数量は個数等の単位で表示する。
  2. 内容重量又は内容体積は平均量により表示する。ただし、最少量である旨を表示する場合は、最少量によることができる。
  3. 内容量を平均量で表示する場合の表示量と内容量の誤差の不足側公差は、-3%以内とする。
  4. 内容量が10グラム又は10ミリリットル以下の化粧品(以下「小容量化粧品」という。)については、内容量表示を省略することができる。
  5. 内容数量が6以下で、かつ、包装を開かないで容易にこれを知ることができる化粧品については、内容数量表示を省略することができる。
  6. 小容量化粧品について内容量を表示する場合にあっては、10個の内容量の平均値が、表示した内容量の-3%を超えてはならない。また、表示した内容量と実質内容量の誤差の不足側交差は、-9%以内とする。

(5)製造番号又は製造記号

(6)厚生労働大臣が定める化粧品については、その使用の期限

(使用の期限)

第6条
  1. 規約第4条第6号に規定する「厚生労働大臣が定める化粧品」とは、薬事法第61条第5号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する化粧品とする。ただし、製造又は輸入後適切な保存条件のもとで3年を超えて性状及び品質が安定な化粧品を除く。
  2. 規約第4条第6号に規定する「使用の期限」は、「使用の期限」等の文字を表示し、前項に規定する化粧品の性_状及び品質の安定を保証しうる期限について、月単位まで表示する。
    例、使用の期限 平成13年4月使用の期限 2001.4

(7)厚生労働大臣の指定する成分

(厚生労働大臣の指定する成分)

第7条

規約第4条第7号に規定する「厚生労働大臣の指定する成分」とは、薬事法第61条第4号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する成分(以下「指定成分」という。)をいい、次の各号に定めるいずれかの方法により表示する。ただし、当該成分に附随する成分であって、商品中の配合量では効能効果を発揮しない成分(キャリーオーバー)等については、その表示を省略することができる。

  1. 指定成分を配合量の多い順に表示する。ただし、配合量が1%以下の成分は、末尾に配合量の多い順によらず表示することができる。
  2. 着色剤を除く指定成分を前号に規定する方法により表示し、その後にすべての着色剤を表示する(この場合配合量の多い順によらず表示することができる。)。

(8)原産国名(原産地が一般に国名より地名で知られ、地名による表示が適切である場合は、原産地名。)ただし、一般消費者によって明らかに国産品であると認識されるものを除く。

(原産国名)

第8条
  1. 規約第4条第8号に規定する「原産国名」とは、当該化粧品を製造した事業所の所在する国の名称とする。
  2. 前項に規定する「製造」には、次に掲げる行為は含まれないものとする。
    1. 化粧品にラベルを付け、その他表示を施すこと。
    2. 化粧品に外装を施すこと。
    3. 化粧品を単に詰め合わせ、又は組合せること。
  3. 原産国名」は、次の各号に定めるところにより表示する。
    1. 輸入品
      1. 「原産国○○」、「原産地○○」、「製造○○」又は「○○製」(「○○」は原産国名又は地名)イ 「MADE IN○○」、「Made in○○」又は「made in○○」(「○○」は英文表示による国名又は地名)
    2. 国産品
      1. 国産品であって原産国を誤認させるおそれのある表示とは、次に掲げるものをいう。
        • 外国の国名、地名、国旗、紋章その他これらに類するものの表示
        • 外国の事業者又はデザイナーの氏名、名称又は商標の表示
        • 文字による表示の全部又は主要部分が外国の文字で示されている表示
      2. 前記アのいずれかに該当する表示がなされているものについては、「国産」、「日本製」又は「Made in Japan」と表示する。ただし、前記ア(ウ)に該当する表示であって、「Made in Japan」と表示する場合には、他の表示と切り離すなど、目立つように表示すること。
  4. 小分けの工程のみが国内で行われた化粧品は、外国産品として取り扱う。この場合は、次の例に準じて表示するものとする。
    例、原産国○○ 製造販売元 ○○株式会社 住所

(9)施行規則で定める化粧品については、その使用上又は保管上の注意

(使用上又は保管上の注意)

第9条

規約第4条第9号に規定する「施行規則で定める化粧品」とは、別表2左欄に掲げる化粧品とし、それぞれ同表右欄に掲げる例示に準じて使用上又は保管上の注意事項を表示する。

(10)問い合わせ先

(問い合わせ先)

第10条

規約第4条第10号に規定する「問い合わせ先」には、化粧品に表示された事項について、一般消費者から問い合わせがあった場合、正確且つ速やかに応答できる連絡先を表示する。

(文字の大きさ)

第11条

規約第4条第1号に規定する「種類別名称」、第2号に規定する「販売名」及び第8号に規定する「原産国名」に使用する文字の大きさは、日本工業規格Z8305(1962)(以下この施行規則において同じ。)に規定する7ポイント以上とする。ただし、表示面積等により、7ポイント以上の文字を使用することが困難であると認められる合理的な理由がある場合は、4.5ポイント以上の文字を使用することができる。なお、公正取引協議会が別に定める小型容器については、文字の大きさを規定しない。

(表示の省略)

第12条

規約第4条ただし書に規定する「特に定める場合」とは、次の各号に定めるものをいい、それぞれ各号の定めるところに従い、表示を省略することができる。

  1. 表示面積の狭い化粧品
    1. 2ミリリットル以下の直接の容器若しくは直接の被包又は2ミリリットルを超え10ミリリットル以下のガラスその他これに類する材質からなる直接の容器で、その記載事項がその容器に直接印刷されているものに収められている化粧品であって、表示面積が狭いため規約第4条各号に規定する事項を明りょうに表示することができず、かつ、次の表の左欄の事項が外部の容器又は外部の被包に表示されている場合には、当該左欄の事項については、当該容器に右欄のように省略することができる。
      製造販売業者の氏名又は 名称及び住所 製造販売業者の略名又は 商標法によって登録された 製造販売業者の商標
      製造番号又は製造記号 省略することができる
      使用の期限 省略することができる
    2. 表示面積が著しく狭く、アの特例によっても明りょうに表示することができない直接の容器又は直接の被包に収められた化粧品であって、厚生労働大臣の許可を受けたものについては、外部の容器又は外部の被包にアの表の左欄の事項が表示されている場合には、アの特例による表示を省略することができる。
  2. 規約第4条第7号に規定する「厚生労働大臣の指定する成分」
    指定成分が、次のいずれかにより表示されている場合には、直接の容器又は直接の被包における表示を省略することができる。
    1. 外部の容器又は外部の被包
    2. 直接の容器又は直接の被包に固着したタッグ又はディスプレイカード
    3. 内容量が50グラム又は50ミリリットル以下の直接の容器又は直接の被包に収められた化粧品及び前記ア又はイに掲げるもののいずれも有しない小容器の見本品にあっては、これに添付する文書
    4. 外部の容器又は外部の被包を有する化粧品のうち内容量が10グラム又は10ミリリットル以下の直接の容器又は直接の被包に収められた化粧品にあっては、これに添付する文書及びディスプレイカード
  3. 規約第4条第8号に規定する「原産国名」 外部の容器又は外部の被包に「原産国名」が表示されている場合には、直接の容器又は直接の被包における表示を省略することができる。
  4. 規約第4条第9号に規定する「使用上又は保管上の注意」 化粧品に添付されている使用説明書等に「使用上又は保管上の注意」が表示されている場合には、容器等の表示を省略することができる。
  5. 規約第4条第10号に規定する「問い合わせ先」化粧品に添付されている使用説明書等に「問い合わせ先」が表示されている場合には、容器等の表示を省略することができる。

(効能効果表示)

第5条

事業者は、化粧品の効能効果を表示する場合は、薬事法で許容される範囲内において表示しなければならない。

(配合成分の特記表示)

第6条
  1. 事業者は、化粧品の配合成分が当該成分の用量の範囲において、効能効果を生じることが客観的に実証されている場合には、その配合成分を特記して表示することができる。
  2. 前項の配合成分を文字、絵、写真、図案等により特記して表示する場合には、次に掲げる基準によらなければならない。
    1. 当該配合成分の一般的名称、商品名又は略称で表示すること。ただし、商品名又は略称で表示する場合は、一般的名称を併記すること。
    2. 当該配合成分の配合目的を表示すること。
  3. 第1項の規定にかかわらず、施行規則で定める配合成分については、特記して表示することができない。

(化粧品の効能効果)

第13条

規約第5条に規定する「薬事法で許容される範囲」とは、別表3に掲げる事項とする。

(配合成分の特記表示)

第14条
  1. 規約第6条第1項に規定する「特記」とは、配合成分のうち、特に訴求をしようとする成分のみを目立つように表示することをいう。
  2. 規約第6条第2項第1号に規定する「一般的名称」が、規約第4条第7号の規定に基づいて表示する指定成分の名称と異なるため、これらが同一の配合成分であると一般消費者が判別することが困難である場合は、指定成分の名称を併記するものとする。
  3. 規約第6条第3項に規定する「施行規則で定める配合成分」とは、次のものをいう。
    1. 配合成分の名称が、「薬」の文字を含むもの及び「漢方成分抽出物」等医薬品という印象を与えるもの
    2. 配合成分を特記して表示することにより、表示された配合目的を超えた効能効果があると一般消費者に誤認されるおそれのあるもの

(配合成分の名称を販売名に用いる場合)

第7条

事業者は、配合成分の名称を販売名に用いても、当該化粧品の効能効果について一般消費者に誤認されるおそれがないものとして施行規則で定めるものについては、配合成分の名称を販売名に表示することができる。 指定成分が、次のいずれかにより表示されている場合には、直接の容器又は直接の被包における表示を省略することができる。

(配合成分の名称を販売名に用いることができる化粧品)

第15条

規約第7条の規定により配合成分の名称を販売名に使用できる場合は、次に掲げるとおりとする。

  1. 香水、オーデコロン等の香りを主目的とするものに香料名を用いる場合
  2. 口紅、爪化粧品等の色調を主目的とするものに色調名をあらわす名称を用いる場合
  3. 香料を配合成分とするものに当該香料名を用いる場合。ただし、当該香料を配合成分として用いていることを、当該化粧品の販売名を表示している箇所に併記しなければならない。
    例、レモン香料配合
  4. 配合成分の配合量が次の基準に達するものに当該配合成分名を用いる場合
    1. オリーブ油が90%以上又は椿油が95%以上配合されている化粧品について、「オリーブ油」又は「椿油」の文言を販売名に用いる場合
    2. オリーブ油、椿油を次の基準に適合するよう配合されている化粧品であって、「オリーブ乳液」「椿香油」等の名称を販売名に用いる場合
      • 乳液、クリーム等のように乳化された化粧品の場合、当該配合成分が当該化粧品の全成分のうち、水分を除く成分の5%以上を配合したもの
      • 香油等のように油状の化粧品の場合、当該配合成分を10%以上配合したもの
  5. 配合成分の名称を販売名に用いても、当該化粧品の効能効果について、一般消費者に誤認されるおそれがないものとして公正取引協議会が認めたもの

(特定用語の使用基準)

第8条

事業者は、化粧品の表示において、安全、万能、最上級等を意味する用語を使用する場合は、施行規則で定める基準によらなければならない。

(特定用語の使用基準)

第15条の2

規約第8条に規定する用語を使用する場合は、次の各号に定める基準によらなければならない。ただし、第4号及び第5号に規定する用語については、この基準による場合であっても、化粧品の効能効果又は安全性に関する表現としては使用することができない。

  1. 安全性を意味する用語 「安全」、「安心」等安全性を意味する用語は、断定的に使用することはできない。
  2. 完全を意味する用語 「完全」、「完ぺき」、「絶対」等全く欠くところがないことを意味する用語は、断定的に使用することはできない。
  3. 万能を意味する用語 「万能」、「万全」、「何でも」等効果が万能万全であることを意味する用語は、断定的に使用することはできない。
  4. 最上級を意味する用語 「最大」、「最高」、「最小」、「無類」等最上級を意味する用語は、客観的事実に基づく具体的数値又は根拠のある場合を除き使用することはできない。
  5. 優位性を意味する用語 「世界一」、「第一位」、「当社だけ」、「日本で初めて」、「抜群」、「画期的」、「理想的」等優位性を意味する用語は、客観的事実に基づく具体的数値又は根拠のある場合を除き使用することはできない。
  6. 新製品を意味する用語 新聞、雑誌、テレビジョン、ラジオ、インターネット等マス媒体を用いて表示する「新製品」、「新発売」等を意味する用語は、発売後6ヶ月以内でなければ使用することができない。
  7. その他の用語の使用基準は、別表4に定めるところによる。

(比較表示の基準)

第9条

事業者は、化粧品の品質、効能効果、安全性等に関し、他の商品と比較表示する場合は、客観的事実に基づく具体的数値又は根拠を付記しなければならない。

(比較表示)

第16条
  1. 規約第9条に規定する「比較表示」とは、他社又は自社の化粧品を比較対象商品として示し、これらの内容又は取引条件に関して比較する表示をいい、比較表示を行う場合は次の基準によるものとする。
    1. 主張する内容が客観的に実証されていること。
    2. 実証されている数値や事実を正確、かつ適正に引用していること。
    3. 比較の方法が公正であること。
  2. 比較対象とする商品は、次の要件を満たすものとする。
    1. 通常の使用目的が同一であること。
    2. 比較時において市販されており、通常の方法により購入できること。ただし、直前まで販売されていた自社の商品と比較する場合はこの限りでない。

(比較表示に関する調査及び審議)

第17条
  1. 公正取引協議会は、会員等からの要求があり、その必要性があると認められるときは、比較表示に関する調査及び審議を行うものとする。
  2. 比較表示を実施した事業者は、公正取引協議会から関係資料の提出を求められた場合、速やかに関係資料を公正取引協議会に提出するものとする。

(不当表示の禁止)

第10条

事業者は、次の各号に掲げる表示をしてはならない。

  1. 化粧品の製造方法について、実際の製造方法と異なる表示又はその優秀性に関し事実に反する表示により、一般消費者に誤認されるおそれのある表示
  2. 化粧品の配合成分又はその配合量について、虚偽の表現、不正確な表現等をすることにより、当該化粧品の効能効果又は安全性について、一般消費者に誤認されるおそれのある表示
  3. 化粧品の効能効果又は安全性について、具体的な効能効果又は安全性を摘示することにより、それが確実である保証をしたかのように一般消費者に誤認されるおそれのある表示
  4. 化粧品の品質、効能効果、安全性について、最大級又は完全等を意味する表現により、実際のものより著しく優良であるかのように一般消費者に誤認されるおそれのある表示
  5. 医薬関係者、理容師、美容師、その他これらに類する者が特定化粧品を指定し、公認し、推薦し、選用する場合であって、実際のものより著しく優良であるかのように一般消費者に誤認されるおそれのある表示
  6. 化粧品の選び方又はその試験方法について、一般消費者に誤認されるおそれのある表示
  7. 化粧品の原産国について、一般消費者に誤認されるおそれのある表示
  8. 化粧品の品質、効能効果、安全性等について、他社の商品を誹謗するような表示
  9. その他化粧品の内容又は取引条件について、実際のもの又は自己と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されるおそれのある表示

(過大包装の禁止)

第11条

事業者は、内容物の保護、品質保全、成形技術又はデザインに必要な限度を超えて、過大な容器包装を用いてはならない。

(化粧品公正取引協議会の設置)

第12条
  1. この規約の目的を達成するため、化粧品公正取引協議会(以下「公正取引協議会」という。)を設置する。
  2. 公正取引協議会は、事業者及びこれらの者が構成する事業者団体をもって構成する。

(公正取引協議会の事業)

第13条

公正取引協議会は次の事業を行う。

  1. この規約の内容の周知徹底に関すること。
  2. この規約についての相談及び指導に関すること。
  3. この規約の規定に違反する疑いがある事実の調査に関すること。
  4. この規約の規定に違反する者に対する措置に関すること。
  5. 不当景品類及び不当表示防止法及び公正取引に関する法令の普及並びに違反の防止に関すること。
  6. 関係官公庁との連絡調整に関すること。
  7. 一般消費者の苦情処理に関すること。
  8. その他この規約の施行に関すること。

(違反に対する調査)

第14条
  1. 公正取引協議会は、第4条から第11条までの規定に違反する事実があると思われるときは、関係者を招致し、事実を聴取し、関係者に必要な事項を照会し、参考人から意見を求め、その他その事実について必要な調査を行うことができる。
  2. 事業者は、前項の規定に基づく公正取引協議会の調査に協力しなければならない。
  3. 公正取引協議会は、前項の規定に違反して調査に協力しない事業者に対し、当該調査に協力すべき旨を文書をもって警告し、これに従わないときは、3万円以下の違約金を課し、又は除名処分にすることができる。

(違反に対する措置)

第15条
  1. 公正取引協議会は、第4条から第11条までの規定に違反する行為があると認めるときは、当該違反行為を行った事業者に対し、当該違反行為を排除するために必要な措置を採るべき旨、当該違反と同種又は類似の違反行為を再び行なってはならない旨、その他これらに関連する事項を実施すべき旨を、文書をもって警告することができる
  2. 公正取引協議会は、前項の規定による警告を受けた事業者が当該警告に従っていないと認めるときは、当該事業者に対し30万円以下の違約金を課し、除名処分をし、又は消費者庁長官に必要な措置を講ずるよう求めることができる。
  3. 公正取引協議会は、前条第3項又は本条第1項若しくは第2項の規定により警告をし、違約金を課し、又は除名処分をしたときは、その旨を遅滞なく文書をもって消費者庁長官に報告するものとする。

(違反に対する決定)

第16条
  1. 公正取引協議会は、第14条第3項又は前条第2項の規定による措置(警告を除く。)を採ろうとする場合には、採るべき措置の案(以下「決定案」という。)を作成し、これを当該事業者に送付するものとする。
  2. 前項の事業者は、決定案の送付を受けた日から10日以内に、公正取引協議会に対して文書によって異議の申立てをすることができる。
  3. 公正取引協議会は、前項の異議の申立てがあった場合には、当該事業者に追加の主張及び立証の機会を与え、これらの資料に基づいて、学識経験者の意見を聴き、更に審理を行い、それに基づいて措置の決定を行うものとする。
  4. 公正取引協議会は、第2項に規定する期間内に異議の申立てがなかった場合には、速やかに決定案の内容と同趣旨の決定を行うものとする。

(規則の制定)

第17条
  1. 公正取引協議会は、この規約の実施に関する規則を定めることができる。
  2. 前項の規則を定め、又はこれを変更しようとするときは、事前に消費者庁長官及び公正取引委員会の承認を受けるものとする。

附則
この規約の変更は、消費者庁及び消費者委員会設置法(平成21年法律第48号)の施行日から施行する。

(細則の制定)

第18条
  1. 公正取引協議会は、規約及びこの施行規則を実施するため、細則又は運用基準を定めることができる。
  2. 前項の細則又は運用基準を定め、変更し、又は廃止しようとするときは、消費者庁長官及び公正取引委員会に事前に届け出るものとする。

附 則
この施行規則の変更は、消費者庁及び消費者委員会設置法(平成21年法律第48号)の施行日から施行する。

施行規則 別表1

種類別名称

区分種類別名称代わるべき名称注記
頭髪用化粧品整髪料ヘアオイル、椿油スタイリング(料) セット(料)
ブロー(料)
ブラッシング(料)
チック、ヘアスティック、ポマード、ヘアクリーム、ヘアソリッド
ヘアスプレーヘアラッカーヘアリキッド
ヘアウォーター、ヘアワックス、ヘアフォーム、ヘアジェル
養毛料トニック、ヘアローション
ヘアトリートメント、ヘアコンディショナーヘアパック
頭皮料頭皮用トリートメント
毛髪着色料染毛料
ヘアカラースプレー、ヘアカラースチックカラーリンス
ヘアマニュキュア
洗髪料シャンプー、洗髪粉
ヘアリンスリンス
皮膚用化粧品化粧水スキンローション、柔軟化粧水、収れん化粧水
化粧液保湿液、美容液
クリーム油性クリーム、中油性クリーム、弱油性クリーム
乳液ミルクローション、スキンミルク
日やけ(用)
日やけ止め(用)
洗浄料洗顔(料)注1、クレンジング、洗粉、クレンザー、メークアップリムーバー、メーク落とし、フェイシャルソープ注1
ボディシャンプー、ボディソープ「洗顔(料)」とは、主として顔を洗浄することを目的としたものをいう。
ハンドソープ
ひげそり(用)プレシェービング、アフターシェービング
むだ毛そり(用)
フェイシャルリンス
パックマスク
化粧用油注2オリーブ油 スキンオイルベビーオイル注2
「化粧用油」は、椿油のように整髪に使われるものは除き、皮膚用に使用するもののみをいう。
ボディリンス
マッサージ(料)
仕上用化粧品ファンデーションフェースカラー、コンシーラー
化粧下地メークアップベース、プレメークアップ
おしろいフェースパウダー
口紅リップスティック、リップルージュ、リップカラー、リップペンシル、練紅
リップグロス、リップライナー
アイメークアップアイシャドウ、アイカラーアイライナー
眉墨、アイブローペンシル、アイブローブラッシュ
マスカラ、まつげ化粧料
頬化粧料頬紅、チークカラー、チークルージュ
ボディメークアップ
香水・オーデコロン区分香水パルファン
オーデコロンコロン、フレッシュコロン、パルファンドトワレ、パフュームコロン、オードトワレ、オードパルファン、香気
その他浴用化粧料バスソルト、バスオイル、バブルバス、フォームバス
爪化粧料ネイルエナメル、マニキュア、ネイルカラーネイルポリッシュ、ペディキュア、ネイルラッカー
ネイルクリーム
除光液、トップコート、ベースコート、エナメルうすめ液、ネイルエッセンス
ボディパウダータルカムパウダー、バスパウダー、パフュームパウダー、ベビーパウダー、天爪粉

その他上記に該当しない商品にあっては公正取引協議会が認めた名称

【備考】
  1. 種類別名称は、表右欄に記載する代わるべき名称により表示することができる。
    なお、販売名により使用部位が特定されている場合は、代わるべき名称に付されている部位表示を省略することができる。
  2. 販売名に代わるべき名称が含まれるものは、種類別名称の表示を省略することができる。
  3. 使用部位を特定するときは、種類別名称及び代わるべき名称(以下「種類別名称等」という。)に使用部位を表す名称をつけることができる。使用部位名称は、ヘア(用)、フェース(用)、フェイシャル(用)、アイ(用)、リップ(用)、ネック(用)、アーム(用)、ハンド(用)、レッグ(用)、フット(用)、ボディ(用)等をいう。
  4. 種類別名称等に用途を表す名称をつけることができる。用途名称は、エモリエント、モイスチャー、保湿、トリートメント、肌性(普通肌用、一般肌用、乾性肌用、脂性肌用、敏感肌用、日やけ肌用等)、ふきとり用、寝ぐせ直し(用)、男性用(紳士用)、子供用、ベビー用、季節用(春、夏、秋、冬用)、夜用(朝用、昼用、日中用等)、等をいう。
    (例)エモリエントクリーム、モイスチャーミルク、保湿ローション、トリートメントリンス、敏感肌用化粧水、ふきとり用化粧水、寝ぐせ直しウォーター、男性用ローション、子供用乳液、ベビーローション、夏用ローション、昼用乳液等
  5. 種類別名称等に製品の剤型を表す名称をつけることができる。剤型名称は、固型(ソリッド)、プレスト、オイル(油)、液状(リキッド)、ジェル、練り(バーム)、マッド、クリーム、乳液、ローション、フォーム(バブル)、フィルム、パウダー(粉)、水、ペンシル、スプレー(ミスト)、スティック、エッセンス等をいう。
    (例)固型おしろい、クレンジングオイル、液状ファンデーション、クレンジングジェル、練おしろい、マッドパック、クリームマスク、日やけ用乳液、ブローローション、フォームパック、洗顔フォーム、フィルムパック、パウダーファンデーション、粉おしろい、水おしろい、アイライナーペンシル、スティックファンデーション等
  6. 多目的な機能を持つ化粧品については、それぞれの用途を表す名称を付記することができる。
    (例)クレンジング・マッサージクリーム、マッサージ・パック、ヘアトリートメント・セットローション、頬紅・アイシャドウ等
  7. 種類別名称等は必ずしも、本表にあげる字句のとおりであることを要しない。規則第2条第1項に照らし、これと同一であると認められる名称を用いることができる。
    (例)セット→セッティング、頭皮用→スキャルプ、スカルプ、化粧水→ローション、収れん化粧水→アストリンゼント、乳液→ミルク、ひげそり→シェービング、パルファン→ パフューム、パルファンドトワレ→パフュームドトワレ、除光液→エナメルリムーバー、トップコート→オーバーコート等

公正取引協議会が認めた名称

区分名称
頭髪用化粧品髪油、香油、つや出し油、スキ油、びん付油
仕上用化粧品練パウダー、ダスティングパウダー
その他ベビー化粧料

施行規則 別表2

使用上又は保管上の注意

化粧品の種類使用上の注意事項(表示例)
1 子供用化粧品
例、子供用おしゃれセット
おもちゃシャンプー等
これは子供用化粧品です。
必ず保護者の監視のもとで使用させて下さい。
2 シャンプーシャンプーが目に入った場合は、直ちに洗い流してください。
3 ビニールパック又はこれに類するもの目の周囲を避けて使用して下さい。
4 整髪料
(樹脂製品に変色作用を及ぼすもの)
樹脂製のクシやメガネにつくと変色することがありますから、きれいにふきとって下さい。
5 日やけ止め化粧品「本品は2~3 時間ごとにつけかえて下さい。」又は、
「肌をタオルでふいたあとなどは、つけかえて下さい。」
6 エアゾール化粧品
(1) 正立のみで使用するもの
(2) 倒立のみで使用するもの
(ただし、構造上、正立、倒立のいずれでも使用可能なものを除く。)
「逆さにしないで、使用して下さい。」又は、
「頭部を上にして、使用して下さい。」逆さにして、使用して下さい。
(注)使用の際に、振って使用する必要のあるものは、その旨を表示すること。
その他公正取引協議会において定める化粧品公正取引協議会が別に定める表示例に準ずること。

注)このほか、消防法、高圧ガス保安法に従って表示すること。

施行規則 別表3

効能効果の範囲

  1. 頭皮、毛髪を清浄にする
  2. 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える
  3. 頭皮、毛髪をすこやかに保つ
  4. 毛髪にはり、こしを与える
  5. 頭皮、毛髪にうるおいを与える
  6. 頭皮、毛髪のうるおいを保つ
  7. 毛髪をしなやかにする
  8. クシどおりをよくする
  9. 毛髪のつやを保つ
  10. 毛髪につやを与える
  11. フケ、カユミがとれる
  12. フケ、カユミを抑える
  13. 毛髪の水分、油分を補い保つ
  14. 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ
  15. 髪型を整え、保持する
  16. 毛髪の帯電を防止する
  17. (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする
  18. (清浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)
  19. 肌を整える
  20. 肌のキメを整える
  21. 皮膚をすこやかに保つ
  22. 肌荒れを防ぐ
  23. 肌をひきしめる
  24. 皮膚にうるおいを与える
  25. 皮膚の水分、油分を補い保つ
  26. 皮膚の柔軟性を保つ
  27. 皮膚を保護する
  28. 皮膚の乾燥を防ぐ
  29. 肌を柔らげる
  30. 肌にはりを与える
  31. 肌にツヤを与える
  32. 肌を滑らかにする
  33. ひげを剃りやすくする
  34. ひげそり後の肌を整える
  35. あせもを防ぐ(打粉)
  36. 日やけを防ぐ
  37. 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ
  38. 芳香を与える
  39. 爪を保護する
  40. 爪をすこやかに保つ
  41. 爪にうるおいを与える
  42. 口唇の荒れを防ぐ
  43. 口唇のキメを整える
  44. 口唇にうるおいを与える
  45. 口唇をすこやかにする
  46. 口唇を保護する。乾燥を防ぐ
  47. 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ
  48. 口唇を滑らかにする

施行規則 別表4-1

無添加等無配合を意味する用語

「無添加」、「無配合」、「不使用」等ある種の成分を配合していないことを意味する用語を表示する場合は、何を配合していないかを明示して下記の基準により使用する。

  1. ある種の成分を配合していないことを表示する場合は、当該成分名称を併記する。
    例 パラベン無添加ノンエタノール
  2. ある種の成分群に属する成分すべてを配合していないことを表示する場合は、当該成分群を併記する。
    例 タール色素不使用紫外線吸収剤無配合オイルフリー
  3. 着色剤、防腐剤等を配合していないことを表示する場合は、防腐剤等配合目的を併記する。ただし、規約第4条第7号の規定に基づく指定成分の表示名称により、当該成分の配合目的について一般消費者に誤認されるおそれがある場合には防腐剤無添加等と表示することができない。
    例 着色剤無添加防腐剤カット無香料
  • 注)1 タール色素、紫外線吸収剤及び防腐剤として配合される成分は、薬事法に定める ポジテブリストにそれぞれ収載されている成分をいう。
  • 注)2 オイルとは、植物性油、動物性油及び鉱物油をいう。

施行規則 別表4-2

「アレルギーテスト済み」等のテスト済みに関する用語

「アレルギーテスト済み」等のテスト済みに関する用語を表示する場合は、下記の基準により使用する。

  1. デメリット表示を同程度の大きさで目立つように併記すること。

    • 「アレルギーテスト済み」の場合
      全ての方にアレルギーが起こらないということではありません
    • 「ノンコメドジェニックテスト済み」
      全ての方にコメド(ニキビのもと)が発生しないということではありません。
  2. キャッチフレーズにしないこと。

この記事の監修を担当した弁護士

松澤 建司

M&M法律事務所
代表弁護士 松澤建司

早稲田大学法学部卒。30年以上に及ぶ弁護士経験を持つ。表現検討委員会委員長。誠実・的確・迅速なリーガルサービスの提供を心がけ、一般民事事件を中心に企業法務も取り扱っている。

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