サプリメント広告のOK・NG表現をわかりやすく解説!過去の違反事例、対策までご紹介
更新日:2026年2月17日
サプリメントは、健康意識の高まりとともに需要が拡大する一方で、広告表現には薬機法をはじめとする厳しいルールが存在します。とくに効果効能を連想させる表現は、違反とみなされるリスクがあり、過去には逮捕者が出た事例も報告されています。
本記事では、サプリメントの定義や広告に関わる法規制の基本の解説や、実際の違反事例、違反時の罰則内容、社内で整備すべきチェック体制や専門家の活用ポイントまで、実務に役立つ情報を詳しくお伝えします。
広告や監修に関わるすべての方にとって、法令を守りつつ訴求力を保つためのヒントとなる内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
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1.サプリメントとは
サプリメントとは、一般的には、健康の維持や栄養補給を目的とした「健康食品」の一種として認識されており、法律上の定義はありません。
機能性表示食品の届出等に関するガイドラインでは、「サプリメント形状の加工食品」として、形状と原材料の両面から定義が示されており、こうした形状や成分の特徴が、医薬品との誤認につながる可能性がある点も指摘されています。
| 形状 | 錠剤、カプセル剤、粉末剤、液剤など |
| 原材料 | 原材料として、天然由来の抽出物で分画、精製、化学的反応等により、本来天然に存在する成分割合が異なっているもの、または化学的合成品 |
また、日本で流通するサプリメント食品は、表示可能な機能性や規制の有無によって分類が異なり、特定の保健機能を表示できる「保健機能食品」と、それ以外の「いわゆる健康食品」の両方が存在しています。
| 分類 | 特徴 |
|---|---|
| 特定保健用食品(トクホ) | 有効性・安全性について、国の審査を受けた個別許可制の食品 |
| 栄養機能食品 | 栄養成分の機能について一定の表示ができ、自己認証制度である食品 |
| 機能性表示食品 | 有効性・安全性の根拠に関する情報を、事業者が届け出ることで足りる食品 |
| いわゆる健康食品 | 上記の保健機能食品を除いたもの 届出もなく販売されているものも多く含まれる |
薬機法とは
薬機法とは、医薬品や医療機器の品質や安全性を確保することを目的とした法律です。この法律は、医薬品の製造・販売だけでなく、広告や表示に関する規制も設けており、誤解を招く広告表現を防止する目的も担っています。
サプリメントは「食品」に分類されるため、広告の中で医薬品的な効能効果を暗示する表現を行うと、薬機法の規制を受けることになります。たとえば、「血糖値を下げる」「疲労回復」といった表現は、医薬品と誤認されるおそれがあり、違反対象となる可能性があるため注意が必要です。
特に気を付けなければならないのは、薬機法第66条(虚偽・誇大広告の禁止)と第68条(未承認医薬品等の広告禁止)の2つ。
これらは、サプリメント広告を作成するうえで必ず押さえておくべき基本的なルールです。広告担当者は、「食品」としての範囲を超えない表現かどうかを常に意識しましょう。
薬事法ドットコムでは、新規制や法改正の情報、皆さまから寄せられたご質問、警告情報など薬機法に関する最新の情報をわかりやすくお届けしています。
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2.薬機法違反とされる4つの判断基準
サプリメントの成分本質・形状・用法用量・効果効能の4つの要素を総合的に見て「医薬品」として判断された場合、薬機法違反となる可能性があります。
ここでは、判断基準となる4つの要素を詳しく解説します。
また、野菜や果物、調理食品など、外観から明らかに食品と認識できるもの(明らか食品)、特別用途食品や機能性表示食品などは医薬品とは判断されません。
①成分本質(原材料)
使用している成分が、厚生省が公開する「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に掲載されている場合、効能効果や形状に関係なく医薬品とみなされます。
そのため、リスト内の成分を含む商品を健康食品として販売することはできません。
一方で、リスト掲載成分であっても、着色や香料など食品添加物として極微量に使われている場合は例外的に医薬品と判断されないこともあります。
また、成分本質が「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」(非医薬品リスト)に掲載されている場合、その成分本質のみでは直ちに医薬品とは判断されません。
ただし、非医薬品リストに掲載されている成分であっても、広告表現で医薬品的効能をうたうと、製品全体が医薬品とみなされる点に注意が必要です。
②形状
以下の通り、医薬品を連想させる形状には注意が必要です。
通常、アンプルなど一部の剤形は食品として流通していないため、「医薬品」と判断されています。
「医薬品」と判断される形状
- アンプル
- 舌下錠
- スプレー管に充填した液体を口腔内に噴霧し、粘膜からの吸収を目的とするもの等
ただし、医薬品に用いられているような錠剤等の形の場合でも、製品の品質管理の必要性が認められる場合など理由がある場合等は、形だけを見て「医薬品」と判断はされません。
「食品」と書かれていれば「医薬品」と判断されない形状
- ソフトカプセル
- ハードカプセル
- 錠剤
- 丸剤
- 粉末(分包されたものを含む)
- 顆粒(分包されたものを含む)
- 液状等
③用法・用量
服用時期・間隔・用量等の明示は、医薬品的な表現であるとみなされます。
特に「食前」「食後」「食間」など、医薬品特有の言い回しを用いた場合、消費者に医薬品と誤認させるリスクが高まるため注意が必要です。食品としての摂取方法や、過食を避けるために摂取量の上限を設定する場合は、医薬品的な言い回しにならないよう慎重に行いましょう。
また、栄養補給を目的とする食品や栄養機能食品では、時期、間隔、量等摂取の記載は摂取の目安として積極的に表示すべきとして認められています。
医薬品的な表現例
- 「1日3〜6錠」
- 「毎食後2個」
- 「お休み前に」
- 「症状が出たときに服用」
- 「オブラートに包んで飲む」
④効果効能
サプリメントは「食品」のため、病気の治療・予防を目的とするものではありません。広告やパッケージなどで医薬品的な効能効果をうたうことは、薬機法違反にあたります。
疾病の治療や予防効果の表示・広告は、医薬品としての承認を取得して初めて可能になり、サプリメントには、栄養補給や健康の維持など一般的な食品の範囲の目的しか持たせることができないので注意が必要です。
また、特定保健用食品や栄養機能食品において認められている機能表示は、医薬品的効能効果とはみなされません。
- 疾病の治療・予防を目的とする表現
例:「高血圧が治る」「糖尿病を予防」「便秘を改善」 - 身体機能の増強・増進を主目的とする表現
例:「疲労回復」「体力増強」「老化防止」 - 医薬品的な効能効果の暗示
例:「体質改善」「漢方秘法」などの名称、「血液をサラサラにすると言われている~~を主原料にしています」などの含有成分や製法の記載説明において、医薬的な効能効果を暗示するものなど
薬事法ドットコムでは、健康食品に関する広告表現が、薬機法や景表法等の法令に抵触していないかを添削する「薬事チェックサービス」を提供しています。経験豊富な専門家が弁護士と共にご依頼いただいた広告を精査し、問題がある表現については、法令を遵守しつつ効果的な「売れる&通せる」代替表現をご提案しますので、広告表現に不安がある方はぜひご相談ください。
3.サプリメント広告のOK/NG表現
ここでは、よくあるNG表現とその理由、そして修正可能なOK表現例を表形式で紹介します。広告作成時のチェックリストとしてご活用ください。
| NG表現 | NG理由 | OK表現(健康食品) |
|---|---|---|
| 高血圧の改善/動脈硬化を防ぐ | 疾病の治療や予防を目的とする効能効果 | 毎日の健康維持のためにお召し上がりください |
| 疲労回復/体力増強 | 身体機能の一般的増強を目的とする効能効果 | 働き盛りの方の栄養補給に |
| 老化防止/若返り | 身体機能の一般的増強を目的とする効能効果 | 美容のためにお召し上がりください |
| 便秘がなおる | 疾病の治療や予防を目的とする効能効果 | 毎日のすこやかな生活をサポートします |
| 美肌の成分コラーゲン配合 | 「美肌」は「肌を美しくする」という体の変化を示すため、医薬品的効能効果に該当 | 肌の成分コラーゲン配合サプリ |
| ××を飲み始めて1ヶ月、ポッコリしたお腹がへこみました。 | 部分痩身の表現は、体の具体的変化をうたうものでありNG。体力増強、食欲増進、新陳代謝を盛んにするなどの表現は、身体の組織機能の一般的増強・増進を目的とする効能効果に該当 | ××を飲み始めて1ヶ月、流行のスリムなデザインのズボンが似合うと言われています。 |
| 育毛サプリ | 「毛を育てる」という体の変化をうたう表現は、医薬部外品や医薬品でない限り、医薬品的効能効果に該当 | 美容院が開発したサプリ |
| ひざの痛みに | 「ひざの痛みがよくなること」を示唆しており、疾病の治療又は予防を目的とする効能効果に該当 | 毎日元気で歩ける喜び |
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4.サプリメント広告における違反事例
広告表現の行き過ぎは、企業や関係者にとって重大なリスクを招くことがありますので慎重に進めるべきです。
ここでは、実際に薬機法違反として摘発・処分された2つの事例を紹介し、どのような広告表現が問題とされたのかを具体的に見ていきます。
株式会社ステラ漢方:健康サプリメントで計6名逮捕
福岡県の健康食品販売会社「ステラ漢方」と、広告制作を担っていた東京都の「KMウェブコンサルティング」社長ら計6名が、2020年7月20日に薬機法違反の疑いで逮捕されました。
問題となったのは、ステラ漢方が販売していた健康サプリメント「肝パワーEプラス」に関する広告表現です。
2019年9月から2020年3月にかけて、インターネット上に個人の体験談を装った広告を掲載し、「脂肪肝がお酒も食事も我慢せず正常値に」「ズタボロだった肝臓が半年で復活」といった文言を用いて、あたかも肝臓疾患の予防や改善に効果があるかのように宣伝していました。これらの表現は、医薬品のような効能を訴求する内容であり、薬機法第68条(未承認医薬品の広告の禁止)に抵触するとして、大阪府警によって逮捕に至りました。
この事例では、広告会社も含めて摘発されており、広告制作に関与した企業もまた規制対象となることが明確に示されています。
一般社団法人 免研アソシエイツ協会:健康食品で書類送検
大阪府の「免研アソシエイツ協会」と、その代表理事および理事の計3名は、自社が販売する健康食品の広告において、医薬品的な効果を標ぼうしたとして、2022年12月9日に薬機法違反容疑で書類送検されました。
同協会が販売していた「糖鎖機能性食品G」は、インターネット広告などで「脳細胞を活性化し自然治癒力を高める」「がんや発達障害が治る」といった表現を用いて、医薬品としての承認を受けていないにもかかわらず、さまざまな病気の治癒に効果があるかのように訴求していました。
さらに、2015年と2020年の2度にわたって大阪市から改善指導を受けていたにもかかわらず、販売を継続し、その間に約1億円を売り上げていたとされています。また、同協会が扱っていた10製品において、「難病改善に!! 糖鎖の重要性」などと記載したチラシを配布し、合理的根拠のない治癒効果をうたったとして、2022年11月には景品表示法上の優良誤認に基づく措置命令も消費者庁から出されていました。
医薬品的な表現のみならず、行政指導を無視した継続的な違反行為や、複数の法令違反(薬機法・景表法)にまたがる問題があったことが特徴的な事件です。
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5.薬機法違反となった場合のリスクと罰則
薬機法に違反した場合、単なる修正では済まされません。2021年8月からは課徴金制度も導入され、違反の代償はさらに大きくなっています。
以下の表は、薬機法違反によって生じる主要なリスクと、それぞれの罰則内容をまとめたものです。
| リスク区分 | 内容 | 具体例・影響 |
|---|---|---|
| 行政処分 | 措置命令、業務停止命令など | ・広告の差し止め ・製品の販売中止 ・一時的な広告活動の停止 |
| 刑事罰 | 懲役または罰金(違反内容による) | ・虚偽・誇大広告:2年以下の懲役または200万円以下の罰金 ・無許可販売:3年以下の懲役または300万円以下の罰金※法人にも両罰規定あり |
| 課徴金 | 売上額の4.5% | ・虚偽・誇大広告により得た売上に対して適用 ・大規模事業者ほど経済的打撃が深刻 |
法的な罰則に加え、違反による社会的信用の失墜も重大なリスクです。報道やSNSでの拡散によるブランド毀損、消費者の離反、取引先からの信用喪失や契約停止といった長期的な影響が現実に起こり得ます。
薬機法違反は「知らなかった」では済まされません。近年ではSNSやECサイトでの個人販売も監視対象となっており、事業規模に関わらず法令遵守が求められています。広告表現の段階から法令リスクを意識し、事前の対策を徹底しましょう。
6.違反を防ぐための対策
薬機法違反を未然に防ぐには、広告制作の現場任せにせず、社内全体でリスクを共有しながらチェック体制を構築することが欠かせません。違反の多くは、認識不足や確認漏れといった基本的な体制の不備に起因しており、「知らなかった」「つい書いてしまった」では済まされないのが現実です。
まず重要なのは、広告作成から掲載に至るまでの業務フローに、薬機法などの法令チェックを組み込むことです。制作担当者が初稿を作成した段階で、法務部門や品質保証部門、またはそれに相当するチェック担当者によるレビューを挟む仕組みが必要です。特に広告表現が主観的・感覚的になりやすい健康食品やサプリメントの領域では、「なんとなくOKだと思った」という判断が大きなリスクにつながります。
また、複数人でのチェック体制を整えることも有効です。個人の感覚に頼ることなく、一定の基準に基づいて複眼的に表現を検証することで、見落としや主観的な判断を防ぐことができます。チェックリストの整備や過去の違反事例の共有など、組織的なナレッジの蓄積もリスク管理に直結します。
社内体制の構築だけで不安が残る場合や、新商品発売や大規模な広告キャンペーンを控えている場合は、外部の専門家と連携することが非常に有効です。
専門家・薬機法コンサルへの依頼
薬機法をはじめとした広告規制に精通した専門家や弁護士、コンサルティング会社の支援を受けることで、最新の制度改正や判例にもとづいた正確なチェックが可能になります。とくに広告表現の事前レビューや、表現リスクに対する改善提案、法務対応まで一貫して任せられる体制を整えている会社であれば、安心して制作業務に専念できます。
なお、薬事法ドットコムでは、薬機法に精通した弁護士と専門家による広告チェックサービスやコンサルティングを提供しています。広告原稿の確認はもちろん、サイト全体の監修や表現ガイドラインの策定支援など、実務に即した多角的なサポートが可能です。チェック体制に不安がある企業様は、外部の力を借りてリスクを最小限に抑える体制づくりを検討しましょう。
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7.まとめ
サプリメントの広告は、消費者にとって重要な情報源である一方で、事業者にとっては法的リスクと隣り合わせの領域でもあります。薬機法では、医薬品と誤認されるような表現や、科学的根拠のない効果効能の訴求が厳しく規制されており、違反した場合には行政処分・刑事罰・課徴金などの重大なペナルティが科される可能性があります。
本記事では、サプリメントの定義と規制の枠組み、実際の違反事例、法的リスクの全体像、そして違反を防ぐための対策までを解説しました。重要なのは、法令を遵守しつつ、ユーザーに正しく価値を伝える表現を模索することです。
現場の判断だけでは見落としが生じるケースも少なくないため、広告制作の初期段階から専門家のチェックを受ける体制を整え、社内にリスクを共有する文化を育てることが、安全で信頼性のある広告運用への第一歩となります。法令と実務の双方に通じた支援を受けながら、安心して訴求できる広告表現を追求していきましょう。
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この記事の監修を担当した弁護士
薬事法ドットコム
パートナー弁護士 西脇威夫
一橋大学法学部卒。元ナイキ・インハウスロイヤー、エンターテインメント・ローヤーズ・ネットワーク会員、日本スポーツ法学会会員 他。
法人の設立、商業取引(英文及び和文の各種契約の作成・レビュー、ブランド保護、偽物対策、独禁法のアドバイス等)、人事労務、コンプライアンスについて、経験豊富。
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