エナジードリンク・栄養ドリンク広告のNG/OK表現を薬機法に基づいて解説
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エナジードリンク・栄養ドリンク広告のNG/OK表現を薬機法に基づいて解説

更新日:2026年3月20日

健康意識の高まりやパフォーマンス向上への欲求を背景に、エナジードリンクや栄養ドリンクの市場は拡大を続けています。しかし、広告担当者が最も頭を悩ませるのが「どこまで踏み込んだ表現ができるのか」という薬機法の境界線です。

せっかくの魅力的な商品も、たった一行のコピーが原因で行政指導や高額な課徴金の対象になってしまっては元も子もありません。本記事では、飲料広告のプロフェッショナルな視点から、法律を守りつつ消費者の心に刺さる売れる表現の正解を徹底解説します。

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1.エナジードリンク・栄養ドリンクは薬機法の規制対象

一般的にエナジードリンクと呼ばれるものの多くは清涼飲料水(食品)に分類されます。一方で、タウリンなどが配合された栄養ドリンクは、その多くが医薬品や指定医薬部外品に該当し、薬機法の規制対象です。

広告を作成する際、この分類を無視して「どちらも元気になる飲み物だから」と同じようなコピーを書いてしまうと、薬機法違反への第一歩となってしまいます。なぜなら、広告で言えることの範囲は、商品の「分類」によって厳格に定められているからです。

では、そもそも薬機法とはどのような法律で、なぜ私たちの広告表現にこれほどまで深く関わってくるのでしょうか。安全で効果的なコピーを創るための土台として、まずはその全体像を整理しておきましょう。

薬機法とは

薬機法とは、医薬品・医薬部外品などの品質や安全性を確保し、誇大広告による健康被害や消費者の不利益を防ぐことを目的とした法律です。

飲料広告においてとくに重要なのが第66条(誇大広告等の禁止)です。ここで注意したいのは、この法律が広告主だけでなく、制作に関わる代理店やライター、メディアなど「何人も(すべての人)」を対象にしているという点。
たとえ事実であっても、承認外の効能をうたったり効果を保証したりすることは厳禁ですので注意しましょう。

「この表現、実はNGでは?」という不安を、確かな判断基準と対策へ。

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2.法的分類で分類される広告表現

エナジードリンクと栄養ドリンクの法的分類

広告表現の自由度は、商品の法的ランクによって決まります。まずは、広告する商品がどのカテゴリーに属しているのかを正確に把握しましょう。

エナジードリンクは食品

コンビニやスーパーの飲料コーナーに並ぶエナジードリンクのほとんどは清涼飲料水、つまり一般の食品扱いです。食品の役割はあくまで「喉の渇きを癒やすこと」や「リフレッシュ」など、一般的な飲料としての特徴のみです。
そのため、身体の機能を変えたり、特定の症状を治したりするような医薬品的な訴求は一切認められていません。

栄養ドリンクは指定医薬部外品・医薬品

これに対し、ドラッグストア等で見かける栄養ドリンクの多くは、厚生労働省から特定の効能効果が認められた指定医薬部外品や医薬品です。これらは「疲労の回復」や「滋養強壮」といった、身体への具体的な作用をはっきりと広告に記載できる特権を持っています。
ただし、この特権も承認を受けた範囲内という厳しい制約の上に成り立っています。

分類別のOK/NG早見表

食品や指定医薬部外品・医薬品で具体的に何が言えるのか、主要なニーズごとに整理したのが以下の表です。

訴求項目エナジードリンク(食品)指定医薬部外品医薬品
(2類・3類)
栄養補給◎ 承認範囲で可能
※肉体疲労時や病中病後などの病気や特定の状態では不可
◎ 承認範囲で可能◎ 承認範囲で可能
疲労回復×不可◎承認範囲で可能◎承認範囲で可能
眠気解消×不可△直接表現は不可
※「集中力の維持」は可
◎ 承認範囲で可能
集中力向上×不可◎承認範囲で可能◎承認範囲で可能
病中病後×不可◎承認範囲で可能◎承認範囲で可能

3.エナジードリンク広告のOK/NG表現

エナジードリンク広告のOK/NG表現

エナジードリンク(食品)の広告において、最も多い間違いが効果の暗示です。ここでは、現場でよくあるケースを元に、安全かつ効果的な言い換えを提案します。

疲労回復や滋養強壮に関する表現

「疲れを吹き飛ばす」「スタミナが持続する」といった表現は、食品においては完全にアウトです。これらは身体の機能を変化させる医薬部外品以上の表現とみなされます。

【NG例】
仕事の疲れをリセット
新陳代謝を高める

【OK例】
ここぞという時のパートナーに
頑張るあなたをサポート

効能を語るのではなく、飲用シーンや、飲んだ後の前向きな期待感にフォーカスすることが、薬機法を回避しながら購買意欲を高めるテクニックです。

眠気や集中力に関する表現

カフェインを多量に含むエナジードリンクでは、眠気覚ましを期待させるコピーを書きたくなります。しかし、「眠気がスッキリ」「集中力が最大化」といった、精神作用や能力向上を標ぼうする言葉はリスクが非常に高いです。

【NG例】
徹夜のお供に
覚醒する一杯

【OK例】
気分を切り替えたい時に
冴えた毎日を応援

「気分(リフレッシュ)」や「毎日(ライフスタイル)」という言葉に置き換えることで、法に触れずにスマートな訴求が可能になります。

身体機能の増強やアンチエイジングに関する表現

最近では免疫力や代謝に触れるコピーも見受けられますが、これらは食品の域を完全に超えています。

【NG例】
免疫力を高める
老化防止
血圧が気になる方に

【OK例】
美容と健康のために
健康的な生活を歩みたい方に

「免疫」や「老化」といった具体的な機能(メカニズム)を語るのではなく、「理想の自分」や「前向きな生活」といった抽象的な表現に変換することで、法に触れずスマートな訴求が可能になります。

体験談や「No.1」表示に潜む暗示の罠

意外と見落としがちなのが個人の感想です。
「これを飲んだら疲れが取れた」といった体験談を載せる際、「※個人の感想です」という注釈(打ち消し表示)を添えても免責にはなりません。広告全体から「効果がある」と読者が判断すれば、それは薬機法違反とみなされます。

また、根拠のない「売上No.1」や「最高級」などの最上級表現は、景品表示法でも厳しくチェックされるため注意が必要です。

成分(カフェイン・アルギニン等)の賢い見せ方

「アルギニンで元気!」など、成分そのものの効能をうたうことはできませんが、含有量などの事実を伝えることは可能です。
「アルギニン300mg配合」や「厳選した植物由来成分を贅沢にブレンド」といった、スペックの強調は、消費者に「何かが凄そうだ」という期待感を抱かせる強力な武器になります。

「その広告表現、法的に通せますか?」

薬事法ドットコムでは、過去600社以上の実績を持つ専門家と、弁護士による2段階チェックにより、媒体や行政の最新動向を踏まえた、「売れる&通せる」最適な代替表現をご提案。単なるNG指摘ではなく、文脈に合わせた最適な表現へ導きます。


広告が通らなかった場合も、審査通過まで責任を持って徹底サポート。必要に応じて弁護士名義の見解文書も無償で作成し、ビジネスの完遂を最後まで支えます。

4.栄養ドリンクの広告で認められている表現

医薬品や指定医薬部外品として販売する場合、食品では言えなかった強い言葉を使うことができます。しかし、ここにもプロならではの注意点があります。

承認を受けた効能効果を正しく伝える

指定医薬部外品(ビタミン含有保健剤)の広告では、厚生労働省の指針により、使用できる効能効果の範囲が以下のように厳格に定められています。
自己流のキャッチコピーを作る前に、まずはこの「承認された5つの領域」のどこに自社の強みがあるかを見極めることが、安全に、そして確実に商品の魅力を伝えるためのスタート地点です。

  1. 体力、身体抵抗力または集中力の維持・改善
  2. 疲労の回復・予防
  3. 虚弱体質(加齢による身体虚弱を含む。)に伴う身体不調の改善・予防
  4. 日常生活における栄養不良に伴う身体不調の改善・予防
  5. 病中病後の体力低下時、発熱を伴う消耗性疾患時、食欲不振時、妊娠授乳期または産前産後等の栄養補給

参考:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(薬生監麻発0929第5号)

これらのフレーズは、いわば国がお墨付きを与えた言葉。広告制作の現場では、これらを核に据えることで、審査をスムーズに通過させつつ信頼感のある訴求が可能になります。

ただし、これらを魅力的に見せようとするあまり、「疲れが完全にゼロになる」や「スタミナが無限に続く」といった過剰なアレンジを加えないよう注意が必要です。
意味合いを不当に強めてしまうと、せっかくの承認範囲を逸脱し、誇大広告とみなされるリスクが生じるからです。
公的な言葉の重みを保ちつつ、どう読者の心に響かせるか。そこがマーケターの腕の見せ所と言えるでしょう。

栄養ドリンクでもNGになる誇大表現

たとえ医薬品であっても、「人生を2倍楽しむ」といった情緒的すぎる表現は、医薬品等適正広告基準により本来の目的を誤認させるとして禁止されています。

また、一般向け広告で「糖尿病」「高血圧」といった特定の重篤な疾患名を出して治療を期待させることもできません。もちろん、「副作用がないので安心」といった安全性の保証も、いかなる場合も認められない鉄のルールです。

5.【逆引き】訴求ポイント別のOK表現一覧

食品・指定医薬部外品・医薬品の3つの分類でどのようなコピーが使い分けられるか、一覧でまとめました。

言いたいことエナジードリンク
(食品)
栄養ドリンク
(指定医薬部外品)
栄養ドリンク
(医薬品 2・3類)
パワー・元気気分をシャキッと
アクティブなあなたに
挑戦する人を応援
疲労の回復・予防
体力の維持・改善
滋養強壮・肉体疲労
スッキリ・眠気気分をリセット
カフェイン80mg配合
集中力の維持・改善
※直接の眠気解消表現は不可
集中力の維持・改善
体力の維持・改善
継続・持続アクティブな毎日に体力の維持・改善
疲労の回復・予防
虚弱体質の改善
体力の維持・改善

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6.薬機法違反となった場合のリスクと罰則

薬機法違反した場合のリスク 行政処分・刑事罰・課徴金・信頼失墜

薬機法に違反した場合、単なる修正では済まされません。2021年8月からは課徴金制度も導入され、違反の代償はさらに大きくなっています。

リスク区分内容具体例・影響
行政処分措置命令、業務停止命令など・広告の差し止め
・製品の販売中止
・一時的な広告活動の停止
刑事罰懲役または罰金(違反内容による)・虚偽・誇大広告:2年以下の懲役または200万円以下の罰金
・無許可販売:3年以下の懲役または300万円以下の罰金※法人にも両罰規定あり
課徴金売上額の4.5%・虚偽・誇大広告により得た売上に対して適用
・大規模事業者ほど経済的打撃が深刻

法的な罰則に加え、違反による社会的信用の失墜も重大なリスクです。報道やSNSでの拡散によるブランド毀損、消費者の離反、取引先からの信用喪失や契約停止といった長期的な影響が現実に起こり得ます

薬機法違反は「知らなかった」では済まされません。近年ではSNSやECサイトでの個人販売も監視対象となっており、事業規模に関わらず法令遵守が求められています。広告表現の段階から法令リスクを意識し、事前の対策を徹底しましょう

7.違反を防ぐための対策

薬機法違反のリスクを回避するには、広告制作プロセスにおけるチェック体制の整備が欠かせません。企業によっては「法務部門が最終確認を行っているから大丈夫」と考えがちですが、制作段階でのチェック漏れが原因で修正対応に追われるケースもあります。初期の企画段階から薬機法を意識した運用体制を築くことが重要です。

以下のような対策を実践することで、違反リスクを抑えることができます。

  • 制作部門と法務部門の連携強化
    商品特性や訴求内容に応じて、事前に表現の方向性をすり合わせておくことで、修正の手間を減らせます。
  • 薬機法に関する社内ガイドラインの整備
    OK/NG表現例、使用可能な効能効果一覧、チェックフローなどをマニュアル化し、関係者が共通認識を持てるようにします。
  • 第三者による表現チェックの導入
    広告代理店やデザイナー任せではなく、法律の専門知識を持った担当者または外部コンサルによる確認体制を導入することで、客観的な判断が可能になります。
  • 制作フローにチェックリストを組み込む
    「医薬品的表現になっていないか」「効果を保証する文言が含まれていないか」など、最低限確認すべきポイントを明文化しておくことで、誰でも初期段階で確認できる仕組みができます。

このように、「誰が」「いつ」「どこで」チェックするかをあらかじめ設計しておくことが、トラブルを未然に防ぐポイントです。

専門家・薬機法コンサルへの依頼

広告表現のチェック体制を社内だけで完結させるのが難しい場合は、薬機法に精通した外部の専門家やコンサルティングサービスの活用も有効です。

薬機法における表現判断は、単に法律を知っていればよいというものではなく、行政の運用実務や過去の指摘事例への理解が不可欠です。また、近年では景表法・ステマ規制・健康増進法など、複数の法令が広告に関わってくるため、総合的な観点でのチェックが求められます。

その点、弁護士が関与する薬機法コンサルティングサービスを活用すれば、表現に関する法令上の適否を含めたチェックを客観的に受けられるほか、社内運用体制やガイドライン整備、社員教育の支援も可能になります。
これは、制作現場の負担軽減とコンプライアンス強化を両立する手段として非常に有効です。

なお、薬事法ドットコムでは、薬機法に特化した広告表現コンサルティングサービスを提供しています。
1998年のサービス開始以来、D2C・EC企業や広告代理店をはじめとする多くのクライアントに対して、薬機法違反を防ぎつつ、広告効果を最大化する表現提案を行ってきました。

提携弁護士による法的観点のチェックと、実務に精通したコンサルタントによる媒体・行政事情を踏まえた代替表現の提案を組み合わせることで、リスクを抑えながらも訴求力のある広告制作を支援しています。

また、広告原稿のチェックにとどまらず、表現ガイドラインの策定や見解書の作成、行政対応の助言まで幅広く対応可能です。
薬機法対応に不安を感じる企業様は、ぜひ私たちにご相談ください。

8.まとめ

飲料広告における薬機法対策の本質は、単に「ダメな言葉を削る」ことではありません。自社の商品がどの分類に属しているのかを正しく理解し、その範囲内で最大限のベネフィットを消費者に伝える「クリエイティブな言い換え」にこそあります。

法令遵守(コンプライアンス)を制約と捉えるのではなく、消費者の信頼を勝ち取り、競合他社と一線を画すための「武器」へと変えていきましょう。

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この記事の監修を担当した弁護士

西脇 威夫

薬事法ドットコム
パートナー弁護士 西脇威夫

一橋大学法学部卒。元ナイキ・インハウスロイヤー、エンターテインメント・ローヤーズ・ネットワーク会員、日本スポーツ法学会会員 他。
法人の設立、商業取引(英文及び和文の各種契約の作成・レビュー、ブランド保護、偽物対策、独禁法のアドバイス等)、人事労務、コンプライアンスについて、経験豊富。

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