UV耐水性に表示義務はある?表示が必要になる条件と表示・広告のルールを解説
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UV耐水性に表示義務はある?表示が必要になる条件と表示・広告のルールを解説

更新日:2026年10月26日

日焼け止めや化粧下地などのUVケア製品では、水に強いことが大きな訴求ポイントになります。一方で、耐水性の表示には日本化粧品工業会の自主基準があり、2024年12月からは「UV耐水性★」「UV耐水性★★」による表示に一本化されました。「UV耐水性の表示は義務なのか」「ウォータープルーフと書いてよいのか」と迷う担当者も少なくないでしょう。

UV耐水性の表示は、法律で義務付けられたものではありません。ただし、紫外線防止効果の耐水性をうたうなら、SPFとあわせた表示が欠かせません。本記事では、UV耐水性の仕組みと表示が必要になる条件、パッケージでの表示方法に加え、「ウォータープルーフ」「汗に強い」といった表現を広告で使えるかどうかまで解説します。表示や広告表現を見直す際に、ぜひお役立てください。

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UV耐水性とは

UV耐水性が示すもの

UV耐水性とは、水に浸かった後も、紫外線防止効果を示すSPFがどれだけ保たれるかを表す指標です。対象は海水浴やプールのように肌の外部から付着する水分で、体内から分泌される汗に対する効果の維持を示すものではありません。同じSPF・PAの製品を比べた場合、UV耐水性の表示がある製品は、紫外線防止効果そのものが高いのではなく、水に触れたり浸かったりした後も効果の維持が期待できる点で異なります。

UV耐水性の表示は、消費者が製品の耐水性を客観的に比べられるように、日本化粧品工業会が自主基準として定めたものです。名称には「UV Protectionの耐水性」という意味があり、ファンデーションなどメイクアップ製品の化粧持ちという意味での耐水性と区別するために付けられました。

表示は「UV耐水性★」「UV耐水性★★」の2段階で、★の数が多いほど耐水性が高いことを示します。記号に+ではなく★を使うのは、SPFやPAとは違い、★が耐水性試験の条件を満たしたことを示す表示だからです。

SPF・PAとの関係

紫外線防止効果を示す指標には、SPFとPAがあります。SPF(Sun Protection Factor)は主にUVBによるサンバーン(赤くなる日焼け)を防ぐ効果を示す数値で、値が大きいほど効果は高く、最も高い表示は「SPF50+」です。PA(Protection Grade of UVA)はUVAを防ぐ効果を示し、PA+からPA++++までの4段階で表示されます。

UV耐水性の試験はSPFを指標にしており、主にUVBへの効果を評価するものです。ただし、UVAへの耐水性を否定するものではなく、UVAにも同様の効果があると考えられています。

UV耐水性の表示は義務なのか

表示のルールを定めているのは法律ではなく日本化粧品工業会の自主基準のため、法律上の表示義務はありません。ただし、同会は会員以外の企業にも、紫外線防止効果の耐水性を表示する場合はこの方法に従うよう求めています。

耐水性の表示が必要になるのは、パッケージや広告で紫外線防止効果の耐水性をうたう場合に限られ、SPFやPAを表示していても、耐水性をうたわなければUV耐水性の表示は必要ありません。日焼け止めに限らず、SPFを表示した化粧下地やファンデーションなどで、水に触れても紫外線防止効果が落ちにくいという意味で「ウォータープルーフ」「水に強い」といった表現を使うときは、SPFとあわせて「UV耐水性★」か「UV耐水性★★」を必ず表示します。

なお、化粧持ちという意味での耐水性の表示は、自主基準の対象外です。

自主基準は2022年12月1日から運用されており、2024年11月30日で経過措置期間が終わりました。同年12月1日以降は、自主基準による表示に一本化されています。すでに市場に流通している旧表示の製品まで、回収を求めるものではありません。

UV耐水性の試験方法と★の基準

試験は、2020年9月に国際規格となったISO 18861に基づいて行います。水浴前と水浴後のSPFをそれぞれ測定し、水に浸かった後にSPFがどれだけ保たれたかを示すSPF保持率を求める試験法です。

SPF保持率 =(水浴後のSPF − 1)÷(水浴前のSPF − 1)× 100



被験者ごとのSPF保持率の平均値について、90%信頼限界の下限値が50%以上であれば、耐水性ありと判定されます。この50%という基準は、EUなどでも採用されている値です。

水浴の条件は40分(20分×2回)と80分(20分×4回)の2通りで、40分の条件で耐水性ありと判定されれば「UV耐水性★」、80分であれば「UV耐水性★★」と表示できます。これ以外の水浴時間は設定してはいけません。測定は国際規格に沿って行う一方、結果を★で表示するのは日本独自のルールです。

UV耐水性の表示方法

UV耐水性の表示ルール

化粧持ちという意味での耐水性と混同されないよう、UV耐水性は必ずSPFと併記します。PAの表示は任意で、PA・SPF・UV耐水性の順番にも決まりはありませんが、SPFとUV耐水性は離さずにまとめて表示します。★(塗りつぶし)と☆(白抜き)は、どちらを使っても効果に違いはありません。

UV耐水性の表示例は以下の通りです。

表示例 ポイント
SPF25
UV耐水性★
PAの表示は必須ではない
SPF50+
PA+++
UV耐水性★★
SPF・PAと併記されていれば、SPFと隣り合っていなくてもよい
SPF22・UV耐水性★・PA+ 横並びで書いてもよい
SPF10 UV耐水性★★
PA+
2段で書いてもよい
UV耐水性★★
SPF50+ PA++++
SPFより前にUV耐水性を書いてもよい

表示で避けること

文字の大きさに決まりはありませんが、UV耐水性だけを強調した表示はできません。水に浸かった後の紫外線防止効果は、元のSPFの高さと耐水性の両方に左右され、UV耐水性はSPFとあわせて表示することで正しく伝わるからです。また、表示するSPFは、試験で測った水浴前の値です。水浴後のSPFやSPF保持率などの数値は載せず、「UV耐水性★★★」のような自主基準にない区分もつくってはいけません。

書き方では、星1つを「★☆」のように塗りつぶしと白抜きの組み合わせで表すと、星2つと混同される恐れがあります。「SPF30PA+UV耐水性★」のように3項目をつなげて書くのも混乱を招くため、どちらも避けましょう。また、UV耐水性という表記は日本の自主基準で定めたものなので、英語などに置き換えることもできません。

耐水性を広告でうたうときの注意点

耐水性を広告でうたう際のポイント

耐水性のルールが関わるのは、容器の表示だけではありません。Webサイトや広告、店頭の販促物で、ウォータープルーフなど紫外線防止効果の耐水性を示す表現を使う場合も、SPFとUV耐水性を必ず併記します。一方、容器にSPFとUV耐水性を併記していれば、WebサイトなどにSPFの値だけを載せることは可能です。ただし、UV耐水性だけを単独でうたうことはできません。

「ウォータープルーフ」と書けるか

紫外線防止効果の耐水性を示す意味でのウォータープルーフは、SPFと併記するUV耐水性の表示とは別の箇所であれば使えます。どの程度離して配置するかは、各社の判断に委ねられています。

ただし、「SPF50 ウォータープルーフ★★」のように、UV耐水性の表示の代わりにウォータープルーフを使うことはできません。また、UV耐水性を表示していない容器の別の箇所に、ウォータープルーフなどの耐水性を示す表現だけを載せてはいけません。

「スーパー」「ベリー」など強さを示す言葉は使えるか

SPFと併記するUV耐水性の表示とは別の箇所であれば、耐水性の高さを示す別の表現も使えます。ただし、耐水性の表示は★と★★の2段階だけのため、それ以外の基準や段階があるように見せてはいけません。

たとえば、UV耐水性★の製品にスーパー(Super)やベリー(Very)といった基準や尺度を示す表現を使うと、優良誤認につながる恐れがあるため使えません。同じUV耐水性★★の製品同士で、さらに優劣を感じさせる表現も同様です。自社の試験に基づいてPA(UVA)の耐水性を広告でうたうことも、ISO 18861以外の方法で評価した結果を示すことになるため、できません。

「汗に強い」と書けるか

日焼け止めで汗に強いとうたう場合、UV耐水性の試験結果を根拠にすることはできません。UV耐水性が評価するのは肌の外側から付く水に対する効果の維持で、汗は対象ではないからです。

日焼け止めの汗に対する強さについては、国際的にも共通の試験法や表示がなく、「汗に対して落ちにくい」といった表示をするかどうかは各企業の判断と責任に委ねられています。表示する場合は、自社で客観的な根拠を整えておく姿勢が大切です。

なお、ファンデーションなどのメイクアップ製品で、化粧持ちの意味として「水・汗・涙に強い」と表示することはできます。その際は、紫外線防止効果の耐水性ではなく、メイクアップ効果による耐久性であることが明確に伝わるようにしましょう。

メイク持ちの「ウォータープルーフ」は書けるか

ファンデーションやアイライナーなどの化粧持ち性能は、自主基準の対象外です。各社が保証できる範囲で、虚偽や誇大にならない表示であれば制限されません。

SPFやPAを表示しているベースメイク製品でも、化粧持ちの意味でウォータープルーフと表示すること自体はできます。ただし、紫外線防止効果の耐水性と誤認される書き方は優良誤認につながる恐れがあるため、メイクアップの持続効果であることがはっきり伝わるようにします。特にSPFの表示の近くに書く場合は、UV耐水性の表示と誤認されないよう注意が必要です。

まとめ

UV耐水性の表示で迷ったときは、その表現が紫外線防止効果の耐水性をうたっているかどうかに立ち返ると判断しやすくなります。うたっているならSPFとあわせて「UV耐水性★」か「UV耐水性★★」を表示し、化粧持ちという意味での耐水性なら、紫外線防止効果の耐水性と誤認されない書き方にします。容器でも広告でも、この線引きは変わりません。

自主基準に法的拘束力はありませんが、UV耐水性の表示は、製品の耐水性を客観的に示せる業界共通の物差しです。ルールに沿って表示したうえで、別の箇所にウォータープルーフなどの表現を添えることもできるため、正しく使えば耐水性を訴求する強い材料になります。

一方で、ウォータープルーフの表現をUV耐水性の表示からどの程度離すか、汗への強さをどう表示するかなど、自主基準が各社の判断に委ねている部分もあります。こうした部分では、広告全体の文脈や、優良誤認と受け取られないかといった観点からの個別の判断が欠かせません。

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この記事の監修を担当した弁護士

松澤 建司

M&M法律事務所
代表弁護士 松澤建司

早稲田大学法学部卒。30年以上に及ぶ弁護士経験を持つ。表現検討委員会委員長。誠実・的確・迅速なリーガルサービスの提供を心がけ、一般民事事件を中心に企業法務も取り扱っている。

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