ヘルスケアコンサルティングNo.1(新興分野)
メニュー
03-6274-8781 平日9:00〜18:00(土日祝日を除く) 閉じる

『消費者庁|神戸地方裁判所 ひょうご消費者ネットの差止請求棄却 挙式披露宴解約料条項めぐり』

【2026.5.14】

『消費者庁|神戸地方裁判所 ひょうご消費者ネットの差止請求棄却 挙式披露宴解約料条項めぐり』

♦消費者庁は5月13日、ひょうご消費者ネットと株式会社ポジティブドリームパーソンズとの間の訴訟に関する判決の概要を公表した。

♦本件は、結婚式場の運営等を行う同社が、挙式披露宴等実施契約の締結に際して使用又は今後使用するおそれのある解約料条項について、ひょうご消費者ネットが消費者契約法第9条第1項第1号及び第10条(※1)に該当し無効であるとして、差止め等を求めたもの。

♦ひょうご消費者ネットは、同社が消費者との間で当該解約料条項を含む契約の申込み又は承諾の意思表示を行うことの差止め、同条項が記載された契約書ひな形の廃棄等を求め、2023年7月26日付けで神戸地方裁判所に訴訟を提起していた。

♦問題とされた条項は、「既にご契約を頂いておりますご披露宴等を解約される場合には、下記のご解約料を申し受けます。ご披露宴等当日より起算して解約日が181日前まで ご解約料:お申込金全額及び実費」とするもの。

♦本件の主な争点は、当該解約料条項が消費者契約法第9条第1項第1号に該当するか、また同法第10条に該当するかであった。

♦神戸地方裁判所は、挙式披露宴等実施契約について、所定の日時及び場所で飲食物を提供し、披露宴等を実施・運営することを目的とするものであり、準委任、賃貸借、売買等の性質を併有する非典型契約と解するのが相当であると判断した。

♦また、平均的な損害の額には逸失利益が含まれるとした上で、解約がなければ同社が得るはずであった逸失利益の額は、解除時見積額に粗利率を乗じ、さらに再販率を乗じて算定することが合理的であるとした。

♦その上で、同裁判所は、披露宴等当日より181日前までに解約された案件における解除時見積額の平均、粗利率及び再販率を踏まえると、本件解約料条項に定める解約料は、実費を含むことを考慮しても損益相殺後の逸失利益の額を下回っているとして、平均的な損害の額を超えるものとは認められず、本件解約料条項は法第9条第1項第1号に該当しないとした。

♦消費者契約法第10条についても、同裁判所は、仮に本件解約料条項がなかったとしても、同社は解約に伴う損害賠償請求権を得るため、申込金相当額を得ることが可能であるなどとして、任意規定の適用による場合に比べて消費者の権利を制限し、又は義務を加重するものには当たらないとした。

♦さらに、同裁判所は、同社が契約締結当初から会場の確保や具体的な役務提供を行う義務を負うこと、披露宴等当日より 181 日前までの解約であっても同一日程・会場で再販売されることがほぼ確実とはいえないこと、解約の場合に同社に生じる逸失利益の額が申込金20万円を上回ることなどから、本件解約料条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものとはいえないとした。

♦以上を踏まえ、神戸地方裁判所は2025年4月24日、ひょうご消費者ネットの請求を棄却した。

♦ひょうご消費者ネットは、同年5月8日付けで大阪高等裁判所に控訴している。

 

(※1)消費者契約法
(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)
第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの当該超える部分
二 [略]
2 [略]
(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法 第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。
(注)上記の訴訟が提起された日現在の規定

 

*リソース:消費者庁 ひょうご消費者ネットと株式会社ポジティブドリームパーソンズとの間の訴訟に関する判決について 5/13

薬機法・景品表示法・特定商取引法・医療法などに関する業界ニュースをもっと見たい方はこちら!