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『厚生労働省 歯科衛生士の業務に関する検討会を開催、局所麻酔行為に関する対応方針(案)公表』

【2025.1.17】

『厚生労働省 歯科衛生士の業務に関する検討会を開催、局所麻酔行為に関する対応方針(案)公表』

♦ 厚生労働省は2024年12月25日に、第1回目の歯科衛生士の業務に関する検討会にて、歯科診療の補助行為について公表。

♦ 本検討会は、歯科衛生士による浸潤麻酔行為に関する研修や認定を行う団体があらわれたことに関し、関連団体から疑義照会や要望が寄せられ、関係学会から見解が出されたため開催。

♦2024年6月に公益社団法人日本歯科医師会が歯科保健課長宛に出した疑義照会(日歯発第392号 令和6年6月25日)の内容は次の通り。

「「麻酔行為について」(昭和40年7月1日付け(医事第48号厚生省医務課長回答)において、「麻酔行為は医行為であるので医師、歯科医師、看護婦、准看護婦または歯科衛生士でない者が、医師又は歯科医師の指示の下に、業として麻酔行為の全課程に従事することは、医師法、歯科医師法、保健婦助産婦看護婦法又は歯科衛生士法に違反するものと解される。」との見解が示されている。歯科衛生士による浸潤麻酔行為についても含め、その見解は現在も変わらないと解してよろしいか。」

♦ 当該疑義照会に対する厚生労働省の回答(医政歯発0626第1号 令和6年6月26日)は次の通り。

「歯科衛生士が当該行為を実施する場合においては、当該行為の身体への影響の大きさに鑑みて、歯科医師が患者の状態や、当該行為を実施させようとする歯科衛生士の知識および技能等を踏まえて実施の可否を判断し、当該歯科衛生士に対して指示をした上で実施される必要があるため、歯科衛生士が自らの判断で当該行為を実施することはできない。」

♦ 日本歯科医師会は、歯科衛生士が浸潤麻酔行為を行うためには適切で十分な知識や技能が必要であるとして、体制整備や教育の見直しを要望していた。

♦ 厚生労働省は、まず歯科衛生士による業務(歯科診療の補助行為)に関する現状として、主たる業務として「歯科予防処置」等を挙げたうえで、 歯科衛生士養成課程における歯科診療補助の教育内容は「局所麻酔時の器材・薬剤の準備と取り扱いができる」となっており実施については記載されていないとしている。ただし、 実際には約3%の歯科衛生士が浸潤麻酔行為を実施しているという調査結果もあるとした。

♦ 上記現状に対して厚生労働省は歯科衛生士が浸潤麻酔行為を行う場合の課題として、2点を挙げている。1点目は、歯科衛生士養成課程での教育が歯科衛生士による浸潤麻酔行為を想定していないこと、2点目は歯科衛生士は国家試験合格後、臨床研修の仕組みがなく、卒前教育で学んでいない業務は、勤務先のOJTや外部研修を通じて自己研鑽する必要があることである。

♦ 上記現状と課題に対する厚生労働省の対応方針(案)は次の通り。

「・歯科医師の指示のもと、歯科診療の補助として歯科衛生士が浸潤麻酔行為を行う場合は、国民に安全・安心な歯科医療を提供するため、適切な知識・技能を習得していることが前提となる。

・そのためには、卒前教育の中で、歯科診療の補助として局所麻酔行為を実施する場合に必要な知識・技能に関する内容を充実させることが必要である。

→ 歯科衛生士養成施設のカリキュラムについては、全国歯科衛生士教育協議会において、全ての学生が履修すべき内容を示した「歯科衛生学教育コア・カリキュラム ー教育内容ガイドライン-」が公表されている。

現在、学士(大学・短期大学)課程を対象とした「歯科衛生学教育モデル・コア・カリキュラム」の検討が行われている。

・一方で、現状において、局所麻酔行為を実際に行っている歯科衛生士がいることから、患者に対して局所麻酔行為を安全に行うために必要な知識・技術を習得するために求められる具体的な研修内容を示すこととする。」

♦歯科衛生士が実施する局所麻酔行為の範囲については、国民に安心・安全な歯科医療を提供するという観点から「歯肉縁上および歯肉縁下の歯石除去(SRP)時の疼痛除去を目的とした場合」にしてはどうかという案が出された。

*リソース:厚生労働省 第1回 歯科衛生士の業務のあり方等に関する検討会

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47722.html

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