続・医療広告ガイドラインの改定

医療広告ガイドラインの改定については、既に2
月8日のこのメルマガでお伝えしております
が、3月中に対応する必要もあるところから、さ
らに詳しく、違反に対する追及や総括も含めて説
明します。

a.違反に対する追及
1.まず、前提として、医療広告に対する違反
追及は現在、2段階の仕組みとなっている。
(1)厚労省がデロイトトーマツ社にネットパ
トロールを委任。
デロイトトーマツ社が違反を見つけたら通告
(>通告例)。
それで修正されればそこでEND。
修正されなければ行政に回し、保健所が乗り
出してくる。
(2)通報(チクリ)に基づき保健所が動く。

2.(1)のデロイトトーマツ社のパトロールは
年間4千万円くらいの予算で動いていること
もあり、対象が限られている。
つまり、HP・LPが対象で、ブログやFBやイ
ンスタ等はほとんどチェックされていない。

3.では、ブログやFBやインスタは気にしな
くてよいのか?と言うと、そうではない。
つまり―
(イ)デロイトトーマツ社の通告で修正せず保
健所が乗り出した案件は令和4年度で97件
(>)。
(ロ)対し、通報に基づき保健所が動いた案件
は967サイト(>)。
※違反内容については、美容は様々で美容注
射が多く、歯科は審美・インプラントが多い
(>資料1-2)。

4.3からすると、ブログやFBやインスタが
デロイトトーマツ社パトロールの対象とされて
いなくても、それらに対する通報(それが1
の(2))から保健所が動く、ということが十
分ありうる。

5.保健所が動き出して来た場合、ほとんどは
行政指導で終わるが、稀に、「報告命令」「立
入検査」「中止・是正命令」といった正式処分
に至ることもある。
令和4年度のこうした正式処分は「報告命
令」の1件のみだった(>)。

b.総括
1.医療DXの厚労省VS官邸・内閣府におい
て厚労省が守勢なこともあり、オンライン自由
診療、医師の個人輸入(ドクターズオーダ
ー)、GLP-1薬の適応外適用(ダイエットへの
転用)に対する規制改定は大したことはなく、
医療広告ガイドラインの些細な改定にとどまっ
た。
2.但し、医療広告ガイドラインは4月から改
定スタートなので、HPは早急な手直しを要する。