先日、あるドクターからこんな質問を受けま
した。
「エステに来る顧客に対し、ナースを派遣し、
オンライン診療でドクターが診療した上で、
ナースに点滴させることは可能か?」
この問題には2つの論点があります。
一つはオンライン診療。
これについては。このやり方でも「診療あり」
と言えます。
もう一つは、「医療の場所」。
これについては、21年4月29日のこのメルマ
ガに書いたことが参考になります。
次のとおりです。
Q.(あ)社長をターゲットとして、社長の健康
チェックのためオフィスに訪問して健
康診断する、というのはOKでしょうか?
(い)7月から9月の間のみオープンする海の
家の一角に健康診断するスペースを設
けるのはOKでしょうか?
A.ルールは医療法1条の2:第2項でこう定め
ています。
「医療は、国民自らの健康の保持増進のた
めの努力を基礎として、医療を受ける者の
意向を十分に尊重し、病院、診療所、介護
老人保健施設、調剤を実施する薬局その他
の医療を提供する施設(以下「医療提供施
設」という。)、医療を受ける者の居宅等
(居宅その他厚生労働省令で定める場所を
いう。以下同じ。)において、医療提供施
設の機能に応じ効率的に、かつ、福祉サー
ビスその他の関連するサービスとの有機的
な連携を図りつつ提供されなければならな
い。」
つまり、「医療の場所」は
(1)病院、
(2)診療所、
(3)介護老人保健施設、
(4)調剤薬局、
(5)医療を受ける者の居宅「等」。
そして、(5)の「等」については、医療法
施行規則第1条がこう定めています。
一 老人福祉法(昭和38年法律第133号)
第20条の4に規定する養護老人ホーム
二 老人福祉法第20条の5に規定する
特別養護老人ホーム
三 老人福祉法第20条の6に規定する
軽費老人ホーム
四 老人福祉法第29条第1項に規定する
有料老人ホーム
五 前各号に掲げる場所のほか、
医療を受ける者が療養生活を営むこ
とができる場所であって、法第1条
の2第2項に規定する医療提供施設以
外の場所
2.以上から、(あ)(い)の答えが導かれます。
(あ)オフィスは該当するものが見つかり
ません。しかし、自宅に訪問するの
なら医療法1条の2の(5)で行けます。
(い)医療法施行規則第1条「五」に該当
する可能性があります。
「医療を受ける者が療養生活を営む
ことができる場所」
あとは作り方ですね。
以上からすると、エステはリモートで医療行
為を行うには適切とは言えません。