Ⅰ概要
①処分対象事業者
株式会社マーキュリー
②業界
薬用歯磨き等を販売する通信販売業者
③特定商取引法に違反する行為
誇大広告(特定商取引法第12条)
Ⅱ業務停止命令及び指示の内容
①対象となる事業概要
株式会社マーキュリー(以下「マーキュリー」という。)は、マーキュリーが運用するウェブサイト(そのURLが「https://ec.bitela.jp/」で始まるもの。以下「本件ウェブサイト」という。)において、パソコン、スマートフォン等の情報処理の用に供する機器を利用する方法により「o-dent Clear White」(オーデントクリアホワイト)と称する薬用歯磨き(以下「本件商品」という。)等の売買契約の申込みを受けて本件商品を販売していることから、このようなマーキュリーが行う本件商品の販売は、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第2条第2項に規定する通信販売(以下「通信販売」という。)に該当する。
②処分の内容
1.業務停止命令
マーキュリーは、令和6年11月1日から令和7年1月31日までの間、通信販売に関する業務のうち、以下のアからウまでの事項を停止すること。
ア マーキュリーが行う通信販売に関する商品の販売条件について広告をすること。
イ マーキュリーが行う通信販売に関する商品の売買契約の申込みを受けること。
ウ マーキュリーが行う通信販売に関する商品の売買契約を締結すること。
2. 指示
ア マーキュリーは、商品の販売条件について広告をしたとき、商品の効能について、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させるような表示をしていた。かかる行為は、特定商取引法に違反するものであることから、その発生原因について、調査分析の上検証し、法令遵守体制の整備その他の再発防止策(法令及び契約に基づく返金及び解約の問合せ等に適切かつ誠実に対応することを含む。)を講じ、これらをマーキュリーの役員及び従業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。
イ 後記4の内容を消費者に周知すること。
ウ マーキュリーは、今後、マーキュリーが行う通信販売について、特定商取引法の各規定を遵守すること
③処分の原因となる事実
マーキュリーは、以下のとおり、特定商取引法に違反する行為をしており、消費者庁は、通信販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。
(1)誇大広告(特定商取引法第12条)
マーキュリーは、少なくとも令和6年1月13日から同年3月26日までの間に、別添資料1のとおり、本件商品の販売条件について広告をしたとき、本件商品の効能について、本件商品のランディングページ(検索結果や広告等を経由して消費者が最初にアクセスするページのこと。以下同じ。)(以下、別添資料1の広告が表示されるランディングページを「本件LP①」という。)において、「10秒で黄ばみ消えた!・・・本当に10秒歯に塗るだけで歯が真っ白になったんです!」との表示、本件商品の効能を示す歯の画像の表示及び「つまり!オーデントを10秒塗るだけで ・黄ばみを落とす ・永久に白い歯をキープ」との表示(以下、本件LP①における上記の表示をまとめて「本件表示①」という。)をすることにより、あたかも、本件商品には、本件商品を歯に10秒程度塗布するのみで、塗布した箇所の歯の黄ばみを完全に除去して歯を白くする効能があるかのような表示をしていた。
また、マーキュリーは、少なくとも令和6年2月27日から同年7月9日までの間に、別添資料2のとおり、本件商品の販売条件について広告をしたとき、本件商品の効能について、本件商品のランディングページ(以下、別添資料2の広告が表示されるランディングページを「本件LP②」という。)において、「歯の蓄積黄ばみを...完全漂白できる裏技 黄ばみボロボロ落ちる理由...」及び「黄ばみがベリッ?!」との表示、本件商品の効能を示す歯の画像の表示並びに「頑固な黄ばみが消えてモデル級の真っ白の歯に!!」、「使った瞬間に効果を実感できるらしく、『黄ばみがボロボロ落ちた!』『タバコ黄ばみまで完全に落ちた!』と話題に!」、「オーデントはホワイトニング治療で使われる成分『PEG400』を限界配合!・・・その特効成分がステインを浮かせて剝がすんです! だからさっと磨くだけでボロボロ落ちる!!」及び「数十年へばりついた黄ばみも余裕で100%落として真っ白の歯に!」との表示(以下、本件LP②における上記の表示をまとめて「本件表示②」という。)をすることにより、あたかも、本件商品には、本件商品を歯に塗布するだけで即座に歯に付着した黄ばみを完全に除去して歯を白くする効能があるかのような表示をしていた。
この点について、当庁からマーキュリーに対し、特定商取引法第12条の2の規定に基づき、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、マーキュリーは資料を提出しなかった。 このため、マーキュリーが行った当該表示は、特定商取引法第12条の2の規定により、商品の効能につき、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させるような表示に該当するものとみなされる。