Ⅰ概要
①処分対象事業者
株式会社SUNSIRI
②業界
美容クリーム等を販売する通信販売業者
③特定商取引法に違反する行為
(1)誇大広告(特定商取引法第12条)
(2)特定申込みに係る手続が表示される映像面における表示義務違反(特定商取引法第12条の6第1項)
Ⅱ業務停止命令及び指示の内容
①対象となる事業概要
株式会社SUNSIRI(以下「SUNSIRI」という。)は、SUNSIRIが運用するウェブサイト(そのURLが「https://www.suncosme.com」で始まるもの。以下「本件ウェブサイト」という。)において、パソコン、スマートフォン等の情報処理の用に供する機器を利用する方法により、「ケシミシワ」と称する美容クリーム(以下「本件商品」という。)等の売買契約の申込みを受けて本件商品を販売していることから、このようなSUNSIRIが行う本件商品の販売は、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第2条第2項に規定する通信販売(以下「通信販売」という。)に該当する。
②処分の内容
1.業務停止命令
SUNSIRIは、令和6年10月4日から令和7年1月3日までの間、通信販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
ア SUNSIRIが行う通信販売に関する商品の販売条件について広告をすること。
イ SUNSIRIが行う通信販売に関する商品の売買契約の申込みを受けること。
ウ SUNSIRIが行う通信販売に関する商品の売買契約を締結すること。
2. 指示
ア SUNSIRIは、商品の販売条件について広告をしたとき、商品の効能について、実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示をし、また、特定商取引法第12条の6第1項に規定する電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により顧客の使用に係る電子計算機の映像面に表示する手続に従って顧客が行う通信販売に係る売買契約の申込み(以下「特定申込み」という。)を受けた際、当該特定申込みに係る手続が表示される映像面において、売買契約の申込みの撤回又は解除に関する事項を表示していなかった。かかる行為は、特定商取引法に違反するものであることから、その発生原因について、調査分析の上検証し、法令遵守体制の整備その他の再発防止策(法令及び契約に基づく返金及び解約の問合せ等に適切かつ誠実に対応することを含む。)を講じ、これらをSUNSIRIの役員及び従業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。
イ SUNSIRIは、通信販売により、SUNSIRIの商品に係る売買契約を締結しているところ、令和6年5月22日から令和6年10月3日までの間にSUNSIRIとの間で通信販売により当該売買契約を締結した全ての相手方に対し、以下の(ア)から(ウ)までの事項を、消費者庁のウェブサイト(https://www.caa.go.jp/)に掲載される、SUNSIRIに対して前記(1)の業務停止命令及び本指示をした旨を公表する資料を添付して、令和6年11月4日までに書面により通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに書面又は電磁的方法(通知したことを証明するに足りる証票及び通知書面を添付すること。)により報告すること。(1)の業務停止命令及び本指示をした旨を公表する公表資料を添付して、令和6年10月4日までに書面により通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに書面又は電磁的方法(通知したことを証明するに足りる証票及び通知書面を添付すること。)により報告すること。 なお、令和6年9月18日までに、契約の相手方に発送する予定の通知書面の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛てに書面又は電磁的方法により報告し承認を得ること。なお、令和6年10月17日までに、契約の相手方に発送する予定の通知書面の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛てに書面又は電磁的方法により報告し承認を得ること。
(ア)前記(1)の業務停止命令の内容
(イ)本指示の内容
(ウ)後記4(2)の内容
ウ 後記4(1)の内容を消費者に周知すること。
エ SUNSIRIは、今後、SUNSIRIが行う通信販売について、特定商取引法の各規定を遵守すること。
③処分の原因となる事実
SUNSIRIは、以下のとおり、特定商取引法に違反する行為をしており、消費者庁は、通信販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。
(1)誇大広告(特定商取引法第12条)
SUNSIRIは、少なくとも令和6年5月22日から同年7月2日までの間に、別添資料1のとおり、本件商品の効能について広告をしたとき、「塗って速攻?!深いシワも完全消滅!!」、「塗ると速攻顔中のシワが完全に消えた!」及び「市販の美容品とは違い確実にシワからシミまで消せます!」との文言を表示するとともに、顔面にクリームを塗ってなでるような動作をすると即座にしわが消えたかのような動画及び本件商品の使用前後の状況を対比したかのような画像を表示することにより、あたかも、本件商品を塗布するのみで即座にしわ及びしみを完全かつ確実に消すことができるかのような表示をしていた。 この点について、当庁からSUNSIRIに対し、特定商取引法第12条の2の規定に基づき、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、SUNSIRIは資料を提出した。 しかし、当該資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料とは認められないものであったため、SUNSIRIが行った当該表示は、特定商取引法第12条の2の規定により、商品の効能につき、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させるような表示に該当するものとみなされる。
(2)特定申込みに係る手続が表示される映像面における表示義務違反(特定商取引法第12条の6第1項)
SUNSIRIは、少なくとも令和6年5月22日から同年7月2日までの間に、別添資料2及び別添資料3のとおり、購入者に対して本件商品を定期的に継続して引き渡し、購入者がこれに対する代金の支払をすることとなる契約(以下「本件定期購入契約」という。)の解除に関する事項について、本件ウェブサイト上の本件商品のランディングページ(検索結果や広告等を経由して消費者が最初にアクセスするページのこと。)で本件定期購入契約の特定申込みを受ける場合、当該特定申込みに係る手続が表示される映像面において、本件定期購入契約の解除に関する事項(消費者が商品を受領後、次回のお届け予定日の15日前までに問合せ窓口に電話をかけ、自動音声による案内が終わった後にSMSにより送信されたURLにアクセスし、特定申込み時には設定を求められていないパスワードの入力を求められ、パスワード設定の手続を行った後、消費者が自身で前記URLに戻ってパスワードの入力をし、解約理由を選択し、「コースを解約する」と表示されたボタンをクリックし、名前、電話番号、住所及び解約理由を入力及び送信することによって解約が完了する等)を表示していなかった。