Ⅰ概要
①処分対象事業者
株式会社HappyLifeBio
②業界
美容液等を販売する通信販売業者
③特定商取引法に違反する行為
（１）誇大広告（特定商取引法第１２条）
（２）特定申込みに係る手続が表示される映像面における表示義務違反（特定商取引法第１２条の６第１項）
Ⅱ業務停止命令及び指示の内容
①対象となる事業概要
株式会社ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏ（以下「ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏ」という。）は、ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏが運用するウェブサイト（そのＵＲＬがｈｔｔｐｓ：／／ｗｗｗ．ｈａｐｐｙｌｉｆｅｂｉｏ．ｃｏ．ｊｐ／で始まるもの。以下「本件ウェブサイト」という。）において、パソコン、スマートフォン等の情報処理の用に供する機器を利用する方法により、消費者から「ハダキララ」と称する美容液（以下「本件商品」という。）等の売買契約の申込みを受けて本件商品を販売していることから、このようなＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏが行う本件商品の販売は、特定商取引法第２条第２項に規定する通信販売（以下「通信販売」という。）に該当する。
②処分の内容
1.業務停止命令
ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏは、令和６年１０月１７日から令和７年７月１６日までの間、通信販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
ア ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏが行う通信販売に関する商品の販売条件について広告をすること。
イ ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏが行う通信販売に関する商品の売買契約の申込みを受けること。
ウ ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏが行う通信販売に関する商品の売買契約を締結すること。
2. 指示
ア ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏは、商品の販売条件について広告をしたとき、商品の効能について、実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示をし、また、特定商取引法第１２条の６第１項に規定する電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により顧客の使用に係る電子計算機の映像面に表示する手続に従って顧客が行う通信販売に係る売買契約の申込み（以下「特定申込み」という。）を受けた際、当該特定申込みに係る手続が表示される映像面において、売買契約の申込みの撤回又は解除に関する事項を表示していなかった。かかる行為は、特定商取引法に違反するものであることから、その発生原因について、調査分析の上検証し、法令遵守体制の整備その他の再発防止策（法令及び契約に基づく返金及び解約の問合せ等に適切かつ誠実に対応することを含む。）を講じ、これらをＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏの役員及び従業員に、前記（１）の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。
イ ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏは、通信販売により、ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏの商品に係る売買契約を締結しているところ、令和６年５月２２日から令和６年１０月１６日までの間にＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏとの間で通信販売により当該売買契約を締結した全ての相手方に対し、以下の（ア）から（ウ）までの事項を、消費者庁のウェブサイト（ｈｔｔｐｓ：／／ｗｗｗ．ｃａａ．ｇｏ．ｊｐ／）に掲載される、ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏに対して前記（１）の業務停止命令及び本指示をした旨を公表する公表資料を添付して、令和６年１１月１８日までに書面により通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに書面又は電磁的方法（通知したことを証明するに足りる証票及び通知書面を添付すること。）により報告すること。なお、令和６年１０月３０日までに、契約の相手方に発送する予定の通知書面の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛てに書面又は電磁的方法により報告し承認を得ること。
（ア）前記（１）の業務停止命令の内容
（イ）本指示の内容
（ウ）後記４（２）の内容
ウ 後記４（１）の内容を消費者に周知すること。
エ ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏは、今後、ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏが行う通信販売について、特定商取引法の各規定を遵守すること。
③処分の原因となる事実
ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏは、以下のとおり、特定商取引法に違反する行為をしており、消費者庁は、通信販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。
（１）誇大広告（特定商取引法第１２条）
ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏは、少なくとも令和６年５月２２日から同年７月９日までの間に、別添資料１のとおり、本件商品の販売条件について広告をしたとき、本件商品の効能について、（ⅰ）「シミが９９．９％消える！！」、（ⅱ）「だから！１０年以上悩み続けたシミも」、「目に見えるほどの効果を実感しました！」、（ⅲ）「＼だけど！／「シミを完全に消すなら絶対これ！」と美容皮膚科で働く友人が激推しする“シミの漂白液”を使ってみると…」、（ⅳ）「シミが完全に消滅！経過を撮っておいたのですがどんどんシミが薄くなってますよね！」、（ⅴ）「だから！濃いシミが自宅で簡単に消える時代が来たんです！！」、（ⅵ）「どんな人でも３日でシミが消える」及び（ⅶ）「＼３日でシミ消滅は確実！！／それが・・・＼シミの漂白剤／『ハダキララ』」と表示（以下「本件表示①」という。）し、あたかも、本件商品について、皮膚に塗布するのみで、当該箇所に存在するしみを３日間で確実に消すことができる効能があるかのような表示をしており、また、（ⅷ）「どんなシミ肌でも２度とシミができない肌に生まれ変わるんです！」及び（ⅸ）「つまりこのシミの漂白剤さえあればすべてのシミ悩みが解決♪」と表示（以下「本件表示②」という。）し、あたかも、本件商品を皮膚に塗布することでしみが消えた後は、二度としみが発生しない効能があるかのように示す表示をしていた。 この点について、当庁からＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏに対し、特定商取引法第１２条の２の規定に基づき、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏは資料を提出した。 しかし、当該資料は、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料とは認められないものであったため、ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏが行った当該表示は、特定商取引法第１２条の２の規定により、商品の効能につき、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させるような表示に該当するものとみなされる。
（２）特定申込みに係る手続が表示される映像面における表示義務違反（特定商取引法第１２条の６第１項）
ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏは、少なくとも令和６年５月２２日から同年６月１８日までの間に、別添資料２のとおり、チャットボットぺージ上で「マイ・ハダキララ調合サービス」と称する定期購入契約（以下「本件定期購入契約」という。）の特定申込みを受けた際、当該特定申込みに係る手続が表示される映像面において、本件定期購入契約の解除の条件及び方法について、単に「２回目の注文を休止・停止される際は初回の商品発送日から１３日目よりマイページ・お問い合わせフォーム・メール・LINE・電話にて受け付けております。次回出荷準備予定日の１０日前までにマイページ・お問い合わせフォーム・メール・LINE・電話よりご連絡ください。」、「休止・停止を行うためにはポイントを『ハダキララ』モールにて全てお使いいただき、残がないようにしていただく必要がございます。ポイント残があり、『ハダキララ』モールでポイントを使うことをご希望されない場合は、ポイント消滅請求によりポイントを消滅させてから解約手続に入ることが可能です。」などと表示していたのみであった。 しかし、ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏは、当該映像面において、解約の連絡をする際の電話番号を、また、別添資料３のとおり、「ご利用規約」と題するページにて、当該映像面に表示していた解約の条件とは異なる条件を課していること、電話による解約を希望する場合には、商品を受領後、次回出荷予定日の１０日前までに同電話番号に電話をした上で、自動音声により案内される「休止、解約に関するお問い合わせ」ではなく、「その他のお問い合わせ」の番号を押した上で、自動音声により案内される別の電話番号に改めて電話をかけ直し、自動音声に従って顧客が登録している自らの電話番号及び♯を押して解約の仮受付をし、ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏによる確認を受け、ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏからの「定期コースの停止可否の結果」のメールを待つという煩雑な手続を行う必要が生じる場合があること、ポイント消滅請求を行うためには、マイページから休止・停止フォ－ムに入る際に表示される解約方法の案内ページへのボタンから、解約方法の案内ページを開いた上で、そのページをスクロールしていくと表示されるリンクを自ら発見してポイント消滅請求を行うか、ＨａｐｐｙＬｉｆｅＢｉｏに対し、何らかの方法により問合せを行って、ポイント消滅のＵＲＬのメール送信をさせた上で、そのＵＲＬからポイント消滅画面に入るか、サポートセンターのスタッフをして管理画面よりポイント消滅を行わせるなどしなければならないことなどをいずれも明示しておらず、売買契約の解除に関する事項の一部しか表示していなかった。