日本アムウェイ合同会社 令和4年10月14日

Ⅰ概要

①処分対象事業者

日本アムウェイ合同会社

②業界

健康食品及び化粧品等を含む家庭用日用品等を販売

③特定商取引法に違反する行為

(1)氏名等の明示義務に違反する行為(統括者の名称及び勧誘目的の不明示)(特定商取引法第33条の2)


(2)勧誘目的を告げずに誘引した者に対する公衆の出入りしない場所における勧誘(特定商取引法第34条第4項)

(3)迷惑勧誘(特定商取引法第38条第1項第3号)

(4)概要書面の交付義務に違反する行為(特定商取引法第37条第1項)

Ⅱ業務停止命令及び指示の内容

①対象となる事業概要

日本アムウェイ合同会社(以下「日本アムウェイ」という。)は、各種「ボーナス」と称する利益を収受し得ることをもって、健康食品及び化粧品等を含む家庭用日用品等(以下「本件商品」という。)の販売をあっせんする者(以下「会員」という。)を誘引し、その者と本件商品の購入及び会員登録に係る年会費の支払を伴う本件商品の販売に係る取引を行っている。当該利益は、消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律(令和3年法律第72号)による改正前の特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「旧法」という。)第33条第1項に規定する特定利益に該当し、本件商品の購入及び会員登録に係る年会費の支払は、同法第33条第1項に規定する特定負担(以下「特定負担」という。)に該当することから、日本アムウェイは、同項に規定する連鎖販売業を行っている。

②処分の内容

1.取引等停止命令

日本アムウェイは、令和4年10月14日から令和5年4月13日までの間、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)第33条第1項に規定する連鎖販売業に係る次の取引等を停止すること。

ア 日本アムウェイが行う連鎖販売取引(特定商取引法第33条第1項に 規定する連鎖販売取引をいう。以下単に「連鎖販売取引」という。)につ いて勧誘を行い、又は特定商取引法第33条の2に規定する勧誘者(以下 単に「勧誘者」という。)に勧誘を行わせること。

イ 日本アムウェイが行う連鎖販売取引についての契約の申込みを受け、又は勧誘者に当該取引に係る契約の申込みを受けさせること。

ウ 日本アムウェイが行う連鎖販売取引についての契約を締結すること。

2. 指示

日本アムウェイが旧法第33条第1項に規定する連鎖販売取引(以下「旧法に規定する連鎖販売取引」という。)を行うに当たり、同社がその統括する一連の連鎖販売業(同項に規定する連鎖販売業をいう。以下「旧法に規定する連鎖販売業」という。)に係る旧法に規定する連鎖販売取引(以下「本件連鎖販売取引」という。)について勧誘を行わせる者(同法第33条の2に規定する勧誘者をいう。以下「旧法に規定する勧誘者」という。)は、同法第33条の2に規定する氏名等の明示義務に違反する行為(統括者の名称や勧誘目的の不明示)、同法第34条第4項の規定により禁止される勧誘目的を告げずに誘引した者に対して公衆の出入りする場所以外の場所において特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする行為及び同法第38条第1項第3号に掲げる日本アムウェイの統括する一連の旧法に規定する連鎖販売業に係る連鎖販売契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をすることに該当する行為を、日本アムウェイは、同法第37条第1項に規定する書面の交付義務に違反する行為(不交付)をしている。かかる行為は、旧法の規定に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当するものであることから、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築し、これらを日本アムウェイの役員、従業員及び会員に、前記(1)の取引等停止命令に係る取引等を再開するまでに周知徹底すること。

③処分の原因となる事実

日本アムウェイ及び旧法に規定する勧誘者は、以下のとおり、旧法の規定に違反し、又は旧法に規定する指示対象行為に該当する行為をしており、消費者庁は、連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。

(1)氏名等の明示義務に違反する行為(統括者の名称及び勧誘目的の不明示)(旧法第33条の2)

旧法に規定する勧誘者は、遅くとも令和3年3月以降、本件連鎖販売取引をしようとするとき、その勧誘に先立って、その相手方に対し、日本アムウェイの名称や特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨を明らかにしていない。

(2)勧誘目的を告げずに誘引した者に対する公衆の出入りしない場所における勧誘(旧法第34条第4項)

旧法に規定する勧誘者は、遅くとも令和3年3月以降、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに、電話又は電磁的方法により、特定の場所への来訪を要請する方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該契約の締結について勧誘をしている。

(3)迷惑勧誘(旧法第38条第1項第3号)

旧法に規定する勧誘者は、令和3年3月、消費者が日本アムウェイの統括する一連の旧法に規定する連鎖販売業に係る連鎖販売契約を締結しない旨の意思を繰り返し明示又は黙示に表示しているにもかかわらず、消費者の意見を否定するような発言をしたり、強い口調で執ように勧誘をしたり、事前に何の説明もないまま一方的かつ不意打ち的に勧誘をしたりするなど、当該連鎖販売契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をしていた。

(4)概要書面の交付義務に違反する行為(旧法第37条第1項)

日本アムウェイは、令和3年3月以降、日本アムウェイの統括する一連の旧法に規定する連鎖販売業に係る本件商品の販売又はそのあっせんを店舗等によらないで行う個人を相手方として本件連鎖販売取引に伴う特定負担についての契約を締結しようするときに、その契約を締結するまでに、日本アムウェイの旧法に規定する連鎖販売業の概要について記載した書面を交付していない。