Ⅰ概要
①処分対象事業者
株式会社E-Cube、株式会社新成和サポート、株式会社AP COMPANY
②業界
通信販売業者
③特定商取引法に違反する行為
(1)役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項第5号)
(2)売買契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘する行為(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく特定商取引法施行規則第7条第1号2)
Ⅱ業務停止命令及び指示の内容
①対象となる事業概要
株式会社E-Cube
株式会社E-Cube(以下「E-Cube」という。)は、株式会社AP COMPANY(以下「AP COMPANY」という。) と連携共同して、消費者宅等の営業所等以外の場所において、E-Cubeが契約当事者となる自然冷媒(CO₂)ヒートポンプ給湯機の保守に係る役務(以下「本件役務」という。)を有償で提供する契約(以下「本件役務提供契約」という。)を締結して本件役務を提供していることから、このようなE-Cubeが連携共同して行う本件役務の提供は、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売(以下「訪問販売」という。)に該当する。
株式会社新成和サポート
株式会社新成和サポート(以下「新成和サポート」という。)は、株式会社AP COMPANY(以下「AP COMPANY」という。)と連携共同して、消費者宅等の営業所等以外の場所において、新成和サポートが契約当事者となる浄水器及びその交換用カートリッジ(以下「本件商品」という 。) の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結して本件商品の販売をしていることから、このような新成和サポートが連携共同して行う本件商品の売買契約は、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売(以下「訪問販売」という。)に該当する。
株式会社AP COMPANY
株式会社AP COMPANY(以下「AP COMPANY」という。)は、株式会社E-Cube(以下「E-Cube」という。)と連携共同して、消費者宅等の営業所等以外の場所において、E-Cubeが契約当事者となる自然冷媒(CO₂)ヒートポンプ給湯機の保守に係る役務(以下「本件役務」という。)を有償で提供する契約(以下「本件役務提供契約」という。)を締結して本件役務を提供していることから、また、AP COMPANYは、株式会社新成和サポート(以下「新成和サポート」という。)と連携共同して、消費者宅等の営業所等以外の場所において、新成和サポートが契約当事者となる浄水器及びその交換用カートリッジ(以下「本件商品」という。)の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結して本件商品を販売していることから、このようなAP COMPANYが連携共同して行う本件商品の販売及び本件役務の提供は、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売(以下「訪問販売」という。)に該当する。
②処分の内容
1.業務停止命令
株式会社E-Cube
E-Cubeは、令和7年3月19日から同年9月18日までの間、訪問販売に関する業務のうち、以下のアからウまでの事項を停止すること。
ア E-Cubeが行う訪問販売に関する役務提供契約の締結について勧誘すること。
イ E-Cubeが行う訪問販売に関する役務提供契約の申込みを受けること。
ウ E-Cubeが行う訪問販売に関する役務提供契約を締結すること。
株式会社新成和サポート
新成和サポートは、令和7年3月19日から同年9月18日までの間、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売(以下「訪問販売」という。)に関する業務のうち、以下のアからウまでの事項を停止すること。
ア 新成和サポートが行う訪問販売に関する売買契約の締結について勧誘すること。
イ 新成和サポートが行う訪問販売に関する売買契約の申込みを受けること。
ウ 新成和サポートが行う訪問販売に関する売買契約を締結すること。
株式会社AP COMPANY
AP COMPANYは、令和7年3月19日から令和8年3月18日までの間、訪問販売に関する業務のうち、以下のアからウまでの事項を停止すること。
ア AP COMPANYが行う訪問販売に関する売買契約及び役務提供契約の締結について勧誘すること。
イ AP COMPANYが行う訪問販売に関する売買契約及び役務提供契約の申込みを受けること。
ウ AP COMPANYが行う訪問販売に関する売買契約及び役務提供契約を締結すること。
2. 指示
株式会社E-Cube
ア E-Cubeは、AP COMPANYと連携共同して、特定商取引法第6条第1項の規定により禁止される役務提供契約の解除に関する事項につき不実のこと告げる行為をした。かかる行為は、特定商取引法に違反するものであることから、E-Cubeは、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、法令遵守体制の整備その他の再発防止策(法令及び契約に基づく返金及び解約の問合せ等に適切かつ誠実に対応することを含む。)を講じ、これをE-Cubeの役員及び従業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。
イ E-Cubeは、AP COMPANYと連携共同して行う訪問販売により、本件役務提供契約を締結しているところ、令和2年1月1日から令和7年3月18日までの間にE-Cubeとの間で本件役務提供契約を締結した全ての相手方(以下「契約の相手方」という。)に対し、以下の(ア)から(ウ)までの事項を、消費者庁のウェブサイト(https://www.caa.go.jp/)に掲載される、E-Cubeに対して前記(1)の業務停止命令及び本指示をした旨の公表資料を添付して、令和7年4月18日までに書面により通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに書面又は電磁的方法(通知したことを証明するに足りる証票及び通知書面を添付すること。)により報告すること。 なお、令和7年4月1日までに、契約の相手方に発送する予定の通知書面の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛てに書面又は電磁的方法により報告し承認を得ること。(ア)前記(1)の業務停止命令の内容 (イ)本指示の内容 (ウ)E-Cubeが、公表資料のとおり、AP COMPANYと連携共同して、特定商取引法第6条第1項に違反する同項第5号に掲げる役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたこと。
株式会社新成和サポート
新成和サポートは、AP COMPANYと連携共同して、特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則の一部を改正する命令(令和4年内閣府・経済産業省令第1号)による改正前の特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号。以下「旧施行規則」という。)第7条第1号の規定に該当する訪問販売に係る売買契約の締結について迷惑を覚えさせる仕方で勧誘をする行為をした。かかる行為は、特定商取引法に違反するものであることから、新成和サポートは、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、法令遵守体制の整備その他の再発防止策を講じ、これを新成和サポートの役員及び従業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。
株式会社AP COMPANY
AP COMPANYは、E-Cubeと連携共同して、特定商取引法第6条第1項の規定により禁止される役務提供契約の解除に関する事項につき不実のこと告げる行為をし、また、新成和サポートと連携共同して、特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則の一部を改正する命令(令和5年内閣府・経済産業省令第2号)による改正前の特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号。以下「旧施行規則」という。)第7条第1号の規定に該当する訪問販売に係る売買契約の締結について迷惑を覚えさせる仕方で勧誘をする行為をした。かかる行為は、特定商取引法に違反するものであることから、AP COMPANYは、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、法令遵守体制の整備その他の再発防止策(法令及び契約に基づく返金及び解約の問合せ等に適切かつ誠実に対応することを含む。)を講じ、これをAP COMPANYの役員及び従業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。
③処分の原因となる事実
株式会社E-Cube
E-Cubeは、以下のとおり、AP COMPANYと連携共同して、特定商取引法の規定に違反する行為をしており、消費者庁は、訪問販売に係る取引の公正及び役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。
○ 役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項第5号) E-Cubeは、令和2年、AP COMPANYと連携共同して、営業所等以外の場所である消費者宅において、E-Cubeが契約当事者となる本件役務提供契約を締結した。その後、消費者の相談を受けてE-Cubeに対し本件役務提供契約の中途解約について応じるよう求めた消費生活センターの相談員に対し、実際には、本件役務提供契約は民法(明治29年法律第89号)に規定される準委任契約に該当し、本件役務提供契約はいつでも解除することができるものであるにもかかわらず、「準委任ではないので中途解約できない」などと言い、当該相談員をして、かかる一連の発言を消費者に伝えさせ、あたかも本件役務提供契約は中途解約できないかのように告げた。
株式会社新成和サポート
新成和サポートは、以下のとおり、AP COMPANYと連携共同して、特定商取引法の規定に違反する行為をしており、消費者庁は、訪問販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。
○ 売買契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘する行為(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく旧施行規則第7条第1号) 新成和サポートは、令和4年9月から同年11月までの間、AP COMPANYと連携共同して、営業所等以外の場所である消費者宅において、新成和サポートが契約当事者となる本件売買契約を締結したとき、「いりません」、「お金がかかることはもういいです」、「契約しません」などと本件売買契約を締結しない旨の意思を繰り返し表示した消費者に対し、「以前と同じようにクレジットを組めばいいじゃないですか」、「もう一回説明しますね」などと告げ、本件売買契約の締結について執拗に勧誘を継続するなど、訪問販売に係る本件売買契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をした。
株式会社AP COMPANY
AP COMPANYは、E-Cubeと連携共同して、特定商取引法第6条第1項の規定により禁止される役務提供契約の解除に関する事項につき不実のこと告げる行為をし、また、新成和サポートと連携共同して、特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則の一部を改正する命令(令和5年内閣府・経済産業省令第2号)による改正前の特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号。以下「旧施行規則」という。)第7条第1号の規定に該当する訪問販売に係る売買契約の締結について迷惑を覚えさせる仕方で勧誘をする行為をした。かかる行為は、特定商取引法に違反するものであることから、AP COMPANYは、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、法令遵守体制の整備その他の再発防止策(法令及び契約に基づく返金及び解約の問合せ等に適切かつ誠実に対応することを含む。)を講じ、これをAP COMPANYの役員及び従業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。