株式会社イトケン 令和7年3月26日

  • 投稿カテゴリー:訪問販売

Ⅰ概要

①処分対象事業者

株式会社イトケン

②業界

訪問販売業者

③特定商取引法に違反する行為

役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項)

Ⅱ業務停止命令及び指示の内容

①対象となる事業概要

株式会社イトケン(以下「イトケン」という。)は、営業所等以外の場所である消費者宅において、給湯管新設工事に係る役務(以下「本件役務」という。)を有償で提供する契約(以下「本件役務提供契約」という。)を締結して本件役務を提供していることから、イトケンが行う本件役務の提供は、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売(以下「訪問販売」という。)に該当する。

②処分の内容

1.業務停止命令

(1)業務停止命令

イトケンは、令和7年3月26日から令和7年6月25日までの間、訪問販売に関する業務のうち、以下のアからウまでの事項を停止すること。

ア イトケンが行う訪問販売に関する役務提供契約の締結について勧誘すること。

イ イトケンが行う訪問販売に関する役務提供契約の申込みを受けること。

ウ イトケンが行う訪問販売に関する役務提供契約を締結すること。

2. 指示

ア イトケンは、特定商取引法第6条第1項の規定により禁止される役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしていた。かかる行為は、特定商取引法に違反するものであることから、イトケンは、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築し、これをイトケンの役員及び従業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。

イ イトケンは、訪問販売により、本件役務提供契約を締結しているところ、令和6年3月1日から令和7年3月24日までの間にイトケンとの間で本件役務提供契約を締結した全ての相手方に対し、以下の(ア)から(ウ)までの事項を、九州経済産業局のウェブサイト(https://www.kyushu.meti.go.jp/)に掲載される、イトケンに対して前記(1)の業務停止命令及び本指示をした旨を公表する資料を添付して、令和7年4月25日までに文書により通知し、同日までにその通知結果について九州経済産業局長宛てに書面又は電磁的方法(通知したことを証明するに足りる証票及び通知書面を添付すること。)により報告すること。

なお、令和7年4月8日までに、契約の相手方に発送する予定の通知書面の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ九州経済産業局長宛てに書面又は電磁的方法により報告し承認を得ること。

(ア)前記(1)の業務停止命令の内容

(イ)本指示の内容

(ウ)イトケンは、少なくとも令和6年3月に、訪問販売に係る本件役務提供契約の解除を妨げるため、実際には、本件役務の提供が訪問販売に該当し、本件役務提供契約は特定商取引法第9条第1項の規定に基づく解除(以下「クーリング・オフ」という。)をすることができるものであるにもかかわらず、消費者から本件役務提供契約の解除手続の対応を委託されていた者に対し、「1年間内の2度目の契約は解約できない」などと、あたかも、本件役務提供契約はクーリング・オフをすることができないものであるかのように告げたこと。

③処分の原因となる事実

イトケンは、以下のとおり、特定商取引法に違反する行為をしており、九州経済産業局は、訪問販売に係る取引の公正及び役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。

役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項)

イトケンは、少なくとも令和6年3月に、訪問販売に係る本件役務提供契約の解除を妨げるため、実際には、本件役務の提供が訪問販売に該当し、本件役務提供契約はクーリング・オフをすることができるものであるにもかかわらず、消費者から本件役務提供契約の解除手続の対応を委託されていた者に対し、「1年間内の2度目の契約は解約できない」などと、あたかも、本件役務提供契約はクーリング・オフをすることができないものであるかのように告げた。

事例>>

イトケンは、令和6年3月に、消費者A宅においてイトケンが消費者Aとの間で締結した本件役務提供契約について、本件役務提供契約の解除を妨げるため、実際には、本件役務の提供が訪問販売に該当し、本件役務提供契約はクーリング・オフが可能であるにもかかわらず、消費者Aのクーリング・オフの意思表示を伝えた消費生活相談員Bに対し、同月、「1年間内の2度目の契約は解約できない」などと、あたかも本件役務提供契約はクーリング・オフをすることができないものであるかのように告げた。