営利法人の役職員の兼務禁止(1)

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「医療機関の開設者の確認及び非営利性の確
認について」という厚労省通知があります。
(>ルール集18-H

  • クリニック・病院が儲かっているからMS法
     人や関連会社にお金を流して、そこでクリ
     ニック・病院では計上できないような経費
     計上して節税したい
  • 企業がクリニック・病院を支配したい

といったときに、この通知が重要な意味を持
ちます。

Q&Aで掘り下げて行きましょう。

Q.(あ)クリニックの院長です。今度MS法人を
   作りたいのですが、院長は代表者にな
   れないと聞きました。

   そうなのですか?

 (い)私は医師で医療法人の代表ですが、そ
   の医療法人が開設者となっているクリ
   ニックの院長ではありません。

   この場合、私はMS法人の代表者になれ
   ますか?

A.1 (あ)について

  「医療法人の役員と営利法人の役職員の
  兼務について」の通知1(2)3には、「開
  設者である個人及び『当該医療機関の管
  理者』については、原則として当該医療
  機関の開設・経営上利害関係にある営利
  法人等の役職員を兼務していないこと」
  とあります。

  つまり、クリニックの院長は関連会社の
  役職員になれません。

  よって、院長であるあなたはMS法人の代
  表になれません(代表はおろか職員にも
  なれません)。

  MS法人の代表を院長夫人にしているケー
  スが多いのはそのためです。

 2 (い)について

  あなたは、「開設者である個人」でもな
  いし「当該医療機関の管理者」でもない
  ので、通知1(2)3は適用されません。

  しかし、この通知には1(2)4もあり、こ
  う規定しています。「『開設者である法
  人の役員』については、原則として当該
  医療機関の開設・経営上利害関係にある
  営利法人等の役職員を兼務していないこ
  と」

  あなたは「開設者である法人の役員」な
  ので、その医療機関に関連する会社の役
  職員にはなれません。

  よって、あなたはこのMS法人の代表にも
  職員にもなれません。

 3 但、以上については例外があります。