Rセキュリティ株式会社及び株式会社鍵 令和4年2月25日

  • 投稿カテゴリー:訪問販売

Ⅰ概要

①処分対象事業者

(1)Rセキュリティ

(2)株式会社鍵

 

②業界

鍵の開錠・修理等

 鍵の開錠・修理等 

③特定商取引法に違反する行為

(1)契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項第5号)

(2)訪問販売に係る役務提供契約の解除によって生ずる債務の一部の履行を拒否する行為(特定商取引法第7条第1項第1号)

(3)訪問販売に係る役務提供契約の解除について迷惑を覚えさせる仕方で妨げる行為(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則第7条第1号)

Ⅱ業務停止命令及び指示の内容

①対象となる事業概要

Rセキュリティ及び株式会社鍵は、本件役務提供契約の締結について勧誘をするため、Rセキュリティが「鍵のレンジャー」、株式会社鍵が「鍵のレスキュー」及び「鍵の出張24時間センター」のウェブサイトをそれぞれ運営しているほか、Rセキュリティは、株式会社鍵の110番・水道110番、株式会社レスキュー、株式会社24時間救急車、株式会社110番及び株式会社110番救急車の名義で、それぞれ「鍵の110番24時間」、「鍵のラッキーセブン」、「カギの24時間救急車」、「カギの110番」及び「鍵の110番救急車」の各ウェブサイト(以下これらのウェブサイトを総称して「本件各サイト」という。)を運営することにより、消費者を誘引していたところ、Rセキュリティは、本件各サイトにより誘引した消費者からの問合せの電話を一括して受けるコールセンター業務及び株式会社鍵が契約当事者として締結した本件役務提供契約についての消費者からのクレームその他の問合せに対応する顧客対応業務を、株式会社鍵は、本件役務提供契約の締結及び当該契約に基づく鍵の開錠・修理等に係る役務提供業務をそれぞれ行っている。

②処分の内容

1.業務停止命令

Rセキュリティは、令和4年2月25日から令和4年8月24日までの間、訪問販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。

Rセキュリティは、令和4年2月25日から令和4年8月24日までの間、訪問販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。

ア Rセキュリティが行う訪問販売に関する役務提供契約の締結について勧誘すること。

イ Rセキュリティが行う訪問販売に関する役務提供契約の申込みを受けること。 

ウ Rセキュリティが行う訪問販売に関する役務提供契約を締結すること。

2. 指示

ア Rセキュリティは、株式会社鍵と連携共同して、特定商取引法第6条第1項の規定により禁止される契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為並びに同法第7条第1項第1号の規定に該当する訪問販売に係る役務提供契約の解除によって生ずる債務の一部の履行を拒否する行為及び同項第5号の規定に基づく施行規則第7条第1号の規定に該当する訪問販売に係る役務提供契約の解除について迷惑を覚えさせるような仕方で妨げる行為をしている。かかる行為は、特定商取引法に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当するものであることから、当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築(法令及び契約に基づく返金及び解約の問合せ等に適切かつ誠実に対応することを含む。)し、これをRセキュリティの役員及び従業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。

イ Rセキュリティは、株式会社鍵と連携共同して行う訪問販売により、本件役務提供契約を締結しているところ、令和2年10月1日から令和4年2月24日までの間にRセキュリティとの間で本件役務提供契約を締結した全ての相手方に対し、以下の(ア)から(ウ)までの事項を、消費者庁のウェブサイト(https://www.caa.go.jp/)に掲載される、Rセキュリティに対して前記(1)の業務停止命令及び本指示をした旨を公表する公表資料を添付して、令和4年3月24日までに文書により通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに文書(通知したことを証明するに足りる証票及び通知文書を添付すること。)により報告すること。

なお、令和4年3月10日までに、契約の相手方に発送する予定の通知文書の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛てに文書により報告し承認を得ること。 (ア)前記(1)の業務停止命令の内容 (イ)本指示の内容 (ウ)下記4(1)の違反行為の内容

③処分の原因となる事実

Rセキュリティは、以下のとおり、特定商取引法に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当する行為をしており、消費者庁は、訪問販売に係る取引の公正及び役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。

(1)役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項第5号) Rセキュリティは、遅くとも令和2年10月以降、株式会社鍵と連携共同して、訪問販売に係る役務提供契約の解除を妨げるため、実際には、本件役務提供契約はクーリング・オフをすることができるにもかかわらず、特定商取引法第5条の書面を受領した日から起算して8日以内に本件役務提供契約のクーリング・オフを申し出た消費者に対し、「弊社の方では、あの、クーリング・オフの方は受け付けられない形になってしまうんですが。」、「金額の件について、クーリング・オフの受け付けは、ちょっとやはりやっぱり難しいんですけれども。」、「お客様からご依頼があって弊社の作業員の方が伺っておりますので、こちらクーリング・オフというのが難しくなっておりまして。」、「当社としてはクーリング・オフは受け付けられないという形になっていますので。」などと、あたかも本件役務提供契約をクーリング・オフすることができないかのように告げている。

(2)役務提供契約の解除によって生ずる債務の一部の履行を拒否する行為(特定商取引法第7条第1項第1号) Rセキュリティは、遅くとも令和2年12月以降、特定商取引法第5条の書面を受領した日から起算して8日以内に、適法に本件役務提供契約の解除をした者に対し、正当な理由なく、本件役務提供契約に基づき受領した金銭の一部を返還しないなど、本件役務提供契約の解除によって生ずる債務の履行の一部を拒否した。

(3)訪問販売に係る役務提供契約の解除につき迷惑を覚えさせる仕方で妨げる行為(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第1号) Rセキュリティは、令和2年6月から同年8月までの間に、特定商取引法第5条の書面を受領した日から起算して8日以内に書面により本件役務提供契約のクーリング・オフをした消費者に対し、少なくとも約1か月半もの長期間にわたり、消費者からの依頼を受けて訪問しておりクーリング・オフの適用除外に該当するため、クーリング・オフには応じられない旨繰り返し主張するなど、訪問販売に係る本件役務提供契約の解除について迷惑を覚えさせるような仕方でこれを妨げた。