株式会社アクアライン 令和3年8月31日

  • 投稿カテゴリー:訪問販売

Ⅰ概要

①処分対象事業者

株式会社アクアライン

 

②業界

水回りの修繕等

 

③特定商取引法に違反する行為

(1)契約の解除に関する事項及び顧客が役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項)

(2)訪問販売に係る役務提供契約の解除について迷惑を覚えさせる仕方で妨げる行為(特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則第7条第1号)

Ⅱ業務停止命令及び指示の内容

①対象となる事業概要

株式会社アクアライン(以下「アクアライン」という。)は、消費者宅等同社の営業所等以外の場所において、台所、トイレ、浴室、洗面所及び給排水管等の修繕等に係る役務(以下「本件役務」という。)を有償で提供する契約(以下「本件役務提供契約」という。)を締結していることから、同社が行う本件役務の提供は、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)第2条第1項に規定する訪問販売(以下「訪問販売」という。)に該当する。

②処分の内容

1.業務停止命令

アクアラインは、令和3年8月31日から令和4年5月30日までの間、訪問販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。

ア アクアラインが行う訪問販売に関する役務提供契約の締結について勧 誘すること。

イ アクアラインが行う訪問販売に関する役務提供契約の申込みを受ける こと。

ウ アクアラインが行う訪問販売に関する役務提供契約を締結すること。

2. 指示

ア アクアラインは、特定商取引法第6条第1項の規定により禁止される 契約の解除に関する事項及び顧客が役務提供契約の締結を必要とする事 情に関する事項につき不実のことを告げる行為並びに同法第7条第1項 第5号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通 商産業省令第89号。以下「施行規則」という。)第7条第1号の規定に 該当する訪問販売に係る役務提供契約の解除について迷惑を覚えさせる ような仕方で妨げる行為をしている。かかる行為は、特定商取引法に違 反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当するものであることから、 当該行為の発生原因について、調査分析の上検証し、再発防止策を講ず るとともに、コンプライアンス体制を構築(法令及び契約に基づく返金 及び解約の問合せ等に適切かつ誠実に対応することを含む。)し、これを アクアラインの役員及び従業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。

イ アクアラインは、訪問販売により、本件役務提供契約を締結している ところ、平成31年2月1日から令和3年8月30日までの間に同社と の間で本件役務提供契約を締結した全ての相手方に対し、以下の(ア) から(ウ)までの事項を、消費者庁のウェブサイト(https:// www.caa.go.jp/)に掲載される、同社に対して前記(1) の業務停止命令及び本指示をした旨を公表する公表資料を添付して、令 和3年9月30日までに文書により通知し、同日までにその通知結果に ついて消費者庁長官宛に文書(通知したことを証明するに足りる証票及 び通知文書を添付すること。)により報告すること。 なお、令和3年9月13日までに、契約の相手方に発送する予定の通 知文書の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛てに文 書により報告し承認を得ること。 (ア)前記(1)の業務停止命令の内容 (イ)本指示の内容 (ウ)下記4(1)及び(2)の各違反行為の内容

③処分の原因となる事実

アクアラインは、以下のとおり、特定商取引法に違反し、又は同法に規定する指示対象行為に該当する行為をしており、消費者庁は、訪問販売に係る取引の公正及び役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。

(1)役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項)

アクアラインは、令和2年7月から9月までの間に、訪問販売に係る役務提供契約の解除を妨げるため、実際には、本件役務提供契約はクーリング・オフをすることができるにもかかわらず、特定商取引法第5条第1項の書面を受領した日から起算して8日以内に本件役務提供契約のクーリング・オフを申し出た消費者に対し、「材料はすでに発注済みなので、材料費だけでも払ってもらえませんか。」、「では、材料費はいりません。でも、カランのお金は払ってもらいます。」、「見積書の裏にクーリング・オフができないと書いてるやろ。ちゃんと読んでもらってますか。」、「消費生活センターに相談してもかめへん。クーリング・オフができないことに変わりはない。」、「私の誠意はどうなるんですか。」、「うちには、クーリング・オフはありません。」、「これからお宅に行かせてもらおか。」などと、あたかも本件役務提供契約をクーリング・オフすることができないかのように告げ
た。

(2)役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第6条第1項)

アクアラインは、平成31年2月から4月までの間に、訪問販売に係る役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、実際には、勧誘の相手方である消費者宅のトイレの不具合を修繕するための部品の製造は終了しておらず、必ずしもその修繕のためにトイレ一式を取り替える必要がないにもかかわらず、当該消費者に対し、「水の流れが悪くなっているのは、電気系統の部品の故障が原因ですね。」、「このトイレは、10年以上前のトイレで、製造中止になっています。交換部品があるかどうかを、これから確認します。」、「部品は製造終了していて、在庫もないので、修理はできません。トイレ一式を全部交換するしかないですね。トイレ一式を交換するのであれば、先ほどの便器脱着工事の代金はいただきません。」などと、あたかも当該消費者宅のトイレの不具合を修繕するための部品の製造が終了しており、その修繕のためにトイレ一式を取り替える必要があるかのように告げた。

Ⅲ実例

【事例1】(役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為)

アクアラインの従業員Zは、令和2年7月から9月までの間に、見積りが無料であること及び作業等に係る数千円程度の料金が表示された同社のウェブサイトを見て、同社に対し漏水箇所の点検と見積を依頼するため同社の訪問を依頼した消費者Aに対し、役務の対価を20万円以上(消費税込み)とする給水給湯管交換工事に係る役務提供契約の締結について勧誘をし、Aとの間で、当該契約を締結した。Zは、当該契約を締結した日の4日後、電話によりクーリング・オフを申し出たA及びその配偶者に対し、その電話において、「材料はすでに発注済みなので、材料費だけでも払ってもらえませんか。」、「では、材料費はいりません。でも、カランのお金は払ってもらいます。」、「見積書の裏にクーリング・オフができないと書いてるやろ。」、「消費生活センターに相談してもかめへん。クーリング・オフができないことに変わりはない。」、「私の誠意はどうなるんですか。」、「うちには、クーリング・オフはありません。」、「これからお宅に行かせてもらおか。」などと、あたかも当該契約をクーリング・オフすることができないかのように告げた。

【事例2】(役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項につき不実のことを告げる行為)

アクアラインの従業員Yは、平成31年2月から4月までの間に、見積りが無料であること及び作業等に係る数千円程度の料金が記載された同社の広告を見て、同社に対し、トイレの水の詰まりを修繕するための見積り又は当該広告に表示されていたような安価な料金での修理を依頼するため同社の訪問を依頼した消費者Bに対し、役務の対価を30万円以上とする便器一式の交換工事に係る役務提供契約の締結について勧誘をした。Yは、その際、Bに対し、「水の流れが悪くなっているのは、電気系統の部品の故障が原因ですね。」、「このトイレは、10年以上前のトイレで、製造中止になっています。交換部品があるかどうかを、これから確認します。」、「部品は製造終了していて、在庫もないので、修理はできません。トイレ一式を全部交換するしかないですね。トイレ一式を交換するのであれば、先ほどの便器脱着工事の代金はいただきません。」などと、あたかもB宅のトイレの不具合を修繕するための部品の製造が終了しており、その修繕のためにトイレ一式を取り替える必要があるかのように告げた。

【事例3】(訪問販売に係る役務提供契約の解除につき迷惑を覚えさせる仕方で妨げる行為)

アクアラインの従業員Xは、令和元年11月から令和2年1月までの間に、見積りが無料であること及び作業等に係る数千円程度の料金が表示された同社のウェブサイトを見て、同社に対し当該ウェブサイトに表示されていた程度の安価な修繕を依頼するため同社の訪問を依頼した消費者Cに対し、役務の対価を6万円以上とする便器取付け工事等に係る役務提供契約の締結について勧誘をした。Cは、当該契約を締結したものの、親族から当該契約の金額が高額であるとの指摘を受け、その翌日、消費生活センターに相談の上、書面により当該契約についてクーリング・オフをした。Cが当該クーリング・オフをした日の数日後、アクアラインの従業員Wは、Cの相談を受けて同社に対し当該契約のクーリング・オフに応じるよう2日間にわたって求め続けた消費生活センターの担当者に対し、既に役務の提供をしてしまっているので原状回復ができないことやCから訪問の依頼を受けて夜間の対応をしたことを繰り返し主張するなどして、当該契約についてクーリング・オフをするのではなく、当初の契約金額から値引きした額で合意するよう執ように要求し続け、当該相談員をして、かかる一連のWの発言をCに伝えさせ、Cによるクーリング・オフを妨げた。その結果、Cは、疲弊するなどしたため、書面により当該契約についてクーリング・オフをしていたものの、クーリング・オフを諦め、当該契約の対価の一部を支払うこととし、Wが提案した金額を支払った。