株式会社HAL 令和6年4月19日

  • 投稿カテゴリー:通信販売

Ⅰ概要

①処分対象事業者

株式会社HAL

②業界

電子たばこ

③特定商取引法に違反する行為

(1)誇大広告(特定商取引法第12条)

(2)特定申込みに係る手続が表示される映像面における表示義務違反(特定商取引法第12条の6第1項)

Ⅱ業務停止命令及び指示の内容

①対象となる事業概要

株式会社HAL(以下「HAL」という。)は、同社が運用するウェブサイト(そのURLが「https://ec.dr-stick.shop」で始まるもの。以下「本件ウェブサイト」という。)及び同社が楽天市場において出店しているショップの商品ページ(https://item.rakuten.co.jp/drstick-shop/typex-body-r/)(以下「本件楽天ショップページ」という。)において、パソコン及びスマートフォン等の情報処理の用に供する機器を利用する方法により、「DR.STICK TypeX スターターキット」と称する電子たばこのセット商品(本体カラーがブラック、シルバー又はゴールドのものに限り、以下「本件商品」という。)の売買契約の申込みを受けて本件商品を販売していることから、このような同社が行う本件商品の販売は、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第2条第2項に規定する通信販売(以下「通信販売」という。)に該当する。

②処分の内容

1.業務停止命令

HALは、令和6年4月19日から令和6年7月18日までの間、通信販売に関する業務のうち、次の業務を停止すること。

ア HALが行う通信販売に関する商品の販売条件について広告をすること。

イ HALが行う通信販売に関する商品の売買契約の申込みを受けること。

ウ HALが行う通信販売に関する商品の売買契約を締結すること。

2. 指示

ア HALは、商品の販売条件について広告をしたとき、商品の販売価格について、実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示をし、また、特定商取引法第12条の6第1項に規定する電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により顧客の使用に係る電子計算機の映像面に表示する手続に従って顧客が行う通信販売に係る売買契約の申込み(以下「特定申込み」という。)を受ける場合、当該特定申込みに係る手続が表示される映像面において、売買契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(同法第15条の3第1項ただし書に規定する特約を含む。以下同じ。)を表示していなかった。かかる行為は、特定商取引法に違反するものであることから、その発生原因について、調査分析の上検証し、法令遵守体制の整備その他の再発防止策(法令及び契約に基づく返金及び解約の問合せ等に適切かつ誠実に対応することを含む。)を講じ、これらを同社の役員及び従業員に、前記(1)の業務停止命令に係る業務を再開するまでに周知徹底すること。

イ HALは、通信販売により、同社の商品に係る売買契約を締結しているところ、令和5年10月24日から令和6年4月18日までの間に同社との間で通信販売により当該売買契約を締結した全ての相手方に対し、以下の(ア)から(ウ)までの事項を、消費者庁のウェブサイト(https://www.caa.go.jp/)に掲載される、同社に対して前記(1)の業務停止命令及び本指示をした旨を公表する公表資料を添付して、令和6年5月20日までに文書により通知し、同日までにその通知結果について消費者庁長官宛てに文書(通知したことを証明するに足りる証票及び通知文書を添付すること。)により報告すること。 なお、令和6年5月2日までに、契約の相手方に発送する予定の通知文書の記載内容及び同封書類一式をあらかじめ消費者庁長官宛てに文書により報告し承認を得ること。(ア)前記(1)の業務停止命令の内容 (イ)本指示の内容 (ウ)後記4(2)の内容

ウ 後記4(1)の内容を消費者に周知すること。

エ HALは、今後、同社が行う通信販売について、特定商取引法の各規定を遵守すること。

③処分の原因となる事実

HALは、以下のとおり、特定商取引法に違反する行為をしており、消費者庁は、通信販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。


(1)誇大広告(特定商取引法第12条) HALは、少なくとも令和5年11月2日から令和6年1月12日までの間に、別添資料1のとおり、本件商品の販売条件について広告をしたとき、本件楽天ショップページにおける本件商品の販売価格について、「メーカー希望小売価格14,200円 5,000円(税込)」と表示(以下「本件表示」という。)するなど、実際の販売価格に比して著しく高い価格を「メーカー希望小売価格」として表示し、これを比較対象価格として実際の販売価格に併記することにより、あたかも、本件商品について、HALとは無関係の製造業者により「メーカー希望小売価格」が設定されており、本件楽天ショップページにおける実際の販売価格が著しく安いかのように示す表示をしていた。 しかし、本件表示について、実際には、本件商品は、HALが自社ブランド製品として企画し、製造を委託した上で専売していた商品であり、本件楽天ショップページにおいて表示されていた本件商品の「メーカー希望小売価格」は、HALが自ら任意に設定した価格であった。

(2)特定申込みに係る手続きが表示される映像面における表示義務違反(特定商取引法第12条の6第1項) HALは、少なくとも令和5年10月24日から令和6年1月10日までの間に、別添資料2のとおり、本件商品の初回購入後、購入者に対して本件商品を使用する際に必要なリキッドフレーバーを定期的に継続して引き渡し、購入者がこれに対する代金の支払をすることとなる契約(以下「本件定期購入契約」という。)について、本件ウェブサイト上の本件商品のランディングページ(検索結果や広告等を経由して消費者が最初にアクセスするページのこと。以下「本件LP」という。)及び本件LPから遷移するチャットボットページ上で本件定期購入契約の特定申込みを受ける場合、当該特定申込みに係る手続が表示される映像面において、本件定期購入契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(消費者の都合によるキャンセル・返品・交換は受け付けないこと及び配送完了後のキャンセルは不良品に限られること等)を表示していなかった。

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