薬事法のお悩みを解決いたします。

規制を理解する REGULATION

PART02

クラスⅠかクラスⅡか

薬機法は医療機器を3つのカテゴリーに分けています。

高度管理医療機器 副作用又は機能の障害が生じた場合に、人の生命又は健康に重大な影響を与えるもの
管理医療機器 同じく人の生命又は健康に影響を与えるもの
一般医療機器 同じく人の生命又は健康に影響を与える恐れがほとんどないもの

医療機器の最終責任を負うのは製造販売業者ですが、上記カテゴリーに対応して3種類に
分かれています。

01. 高度管理医療機器
→第1種製造販売業
02. 管理医療機器
→第2種製造販売業
03. 一般医療機器
→第3種製造販売業

なお、クラス分類は4段階となっています。
(参考はこちら)

クラス01.一般医療機器 不具合が生じた場合でも人体へのリスクが極めて低い
クラス02.管理医療機器 不具合が生じた場合でも人体へのリスクが極めて低い
クラス03.高度管理医療機器 不具合が生じた場合人体へのリスクが極めて低い
クラス04.高度管理医療機器 不具合が生じた場合生命の危険に直結する

攻める医療機器として使えるのはクラス1です(例外的にクラス2)。
クラス1は取得が容易だからです。クラス1を取り扱うには次のような要件具備が必要ですが、結論的には化粧品に似ています。
つまり、元締めとして製販の存在が要求され、その製販にはいろいろな要件が要求されますが、その製販から
OEM供給を受ければ、誰でも売れます。

クラス01.一般医療機器
01.販売者の要件

ありません。

02.製販の要件

第三種医療機器製造販売業許可が必要です。それには総括を雇用しなければなりません。

03.総括の要件
課程修了

旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した者

または

単位取得+実務経験3年

旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する科目を修得した後、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に三年以上従事した者

または

厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
クラス02.管理医療機器
01.販売者の要件

届出が必要

02.総括の要件
大学で課程修了

大学等で物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した者

または

大学以下で課程修了+実務経験3年

旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、物理学、化学、生物学、工学、情報学、金属学、電気学、機械学、薬学、医学又は歯学に関する専門の課程を修了した後、医薬品、医療機器又は再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に三年以上従事した者

または

実務経験5年+講習

医薬品、医療機器又は再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に五年以上従事した後、別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けた者が行う講習を修了した者
※この講習会は、「財団法人医療機器センター」及び「財団法人総合健康推進財団」で実施されています。

または

厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

事例を見てみる

実際に販売している健康美容プロダクトでクラス1登録しているものを見てみましょう。
※以下に登場する、コード番号・一般的名称・定義は、厚労省が定めているものです。医療機器の類型は前述のように厚労省が政令で定めるものなので、その類型をコード番号・一般的名称・定義として定めているわけです。

  • 01ニキビ跡に

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.34864000 / 絆創膏
    備考
    傷を物理的に保護するというロジックであればクラス1で行けます。
    逆に、傷を治すというロジックだとクラス2になります。
  • 02足のむくみに

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.31724000 / 弾性ストッキング
    備考
    弾性ストッキングの定義は「四肢の静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減又は予防する等、静脈還流の促進を目的に使用される医療用の弾性ストッキング等(腕用の弾性スリーブも含む。)である。
    末梢から中枢に向かい漸減的に圧迫を加える機能を有する」。
    よって、「脚のむくみ」を訴求することは問題ありません。
  • 03睡眠時無呼吸対策

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.70089000 / 睡眠時無呼吸スクリーナ
    備考
    睡眠時無呼吸スクリーナの定義は「睡眠中の鼻及び口腔の気流の有無をモニターする機器をいう。
    単回使用のものもある」。よって、睡眠時無呼吸を訴求することは問題ありません。
  • 04いびき対策

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.11260000 / 鼻腔拡張器具
    備考
    鼻腔拡張器具の定義は「金属製、プラスチック製等で様々なサイズがあり、柔軟性のある細い円柱状の中空又はロッド状の器具をいう。鼻の構造・鼻腔の拡張用に使用する」。よって、いびきまで訴求するのは行き過ぎです。
  • 05睡眠中の体動チェック

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.70074000 / 体動センサ
    備考
    体動センサの定義は「体動を検出するために用いるセンサをいう。通常、睡眠障害(不眠症、いびき、睡眠時無呼吸等)の評価に用いる」。よって、F社のような睡眠管理を訴求するのは適切。
    無呼吸のチェックにつなげるのも可能と思う。体動の観点から無呼吸を訴求するのは可能
  • 06膣洗浄
    ※インクリアは「膣洗浄器」で管理医療機器(クラスⅡ)

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.12996000 / 会陰洗浄セット
    備考
    会陰洗浄セットの定義は「会陰部位を洗浄するために用いる注射器及び他の器具を集めたパッケージをいう」。洗浄の対象が会陰ではなく膣になると、クラス2になる。
  • 07妊活

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.34077000 / 精液注入用子宮カテーテル
    備考
    精液注入用子宮カテーテルの定義は「子宮内精液注入手法において精子を子宮内に挿入するために用いる、半剛性または剛性の管をいう。本品は単回使用である」。
    よって、妊活を訴求するのは問題ない。
  • 08コリ(家庭向け鍼用器具)

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.34675001 / 非侵襲式家庭向け鍼用器具
    備考
    非侵襲式家庭向け鍼用器具の定義は、「家庭ではり治療に使用するため、身体に刺入せず皮膚に貼付する器具をいう」。はり状の物が貼り付けられているためチクチクしてそれによってコリを取る
  • 09コリ (つぶ)
    ※ピップエレキバンは管理医療機器?

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.71026000 / 家庭用貼付型接触粒
    備考
    家庭用貼付型接触粒の定義は、「家庭において、粘着テープの中央に粒状の硬質物を付し、身体のコリの部分に貼付することにより圧迫し、「コリの緩解」を目的とする器具をいう。本品は家庭において使用する」。08がハリ状なのに対しこちらは粒。粒が押しあたることによってコリを取る。

    ピップエレキバンのように「血流改善」をうたいたければ管理医療機器(クラスⅡ)
  • 10痛みの緩和

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.70613001 / 非能動型接触鍼
    備考
    非能動型接触鍼の定義は、「外科的麻酔、疼痛緩和、又は他の治療効果を促進するため、皮膚内に挿入せず、皮膚への接触によって末梢神経を刺激する再使用可能な非能動型器具をいう」。よって、本来は、ハリでチクチクすることにより別のところの本命の痛みをそらすことにある。
    そこで、こういう使い方もある。
    ビジネスの世界では、健康ジュエリーを医療機器化するために、このジャンルが使われてきた歴史があり、そこで上記のメビウスのような例がある(健康ジュエリー>)。
  • 11腰痛

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.37240010 / 温熱用パック
    コードNo.71019000 / 家庭用温熱パック
    備考
    温熱用パックの定義は、「加熱媒体の入ったパックを加熱装置で加熱したものを患部に当て、消炎鎮痛処置(温熱治療)を行うパックをいう。冷却装置で冷却することにより、冷熱を供給する冷却パックを兼ねるものもある。本品は再使用可能である」。
    家庭用温熱パックの定義は、「発熱する特殊な化学物質等を内蔵したもので、活性化することにより発熱したものを患部に当て、消炎鎮痛処置(温熱治療)を行う単回使用のパックをいう。本品は家庭において使用される」。よって、「腰の消炎鎮痛」は言える
  • 12巻き爪

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.16210000 / 手・指用副木
    備考
    手・指用副木の定義は、「損傷した手又は指を固定するために用いる器具をいう」。
    よって、「巻爪矯正」は言い過ぎ。
  • 13痔対策

    一般医療機器としてのポジション
    コードNo.30883000 / 脱疾治療用ストラップ
    コードNo.30884000 / 脱疾治療用ガードル
    コードNo.35409000 / 脱疾治療用バンド
    備考
    脱疾治療用ストラップの定義は「腹部の脱疾を正常な位置に保持するため骨盤及び腹部に巻くストラップをいう。小児から大人用サイズがある」。
    脱疾治療用ガードルの定義は「脊椎の脱疾を封じ込めるため身体に固定するガードルとしてデザインされた用具をいう」。
    脱疾治療用バンドの定義は「脊椎の脱疾を封じ込めるために身体に固定する用具をいう」。
    よって、脱痔を訴求するのは問題ない