バックアップ20220707【弁護士監修】薬機法(旧薬事法)とは?規制対象や広告規制まで解説
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バックアップ20220707【弁護士監修】薬機法(旧薬事法)とは?規制対象や広告規制まで解説

これから医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器その他、健康食品、ヘルスケア業界へ参入、投資しようとしている方のために薬機法の概要を分かりやすく、網羅的にまとめました。

この記事の監修を担当した弁護士

西脇 威夫

リップル法律事務所
弁護士 西脇威夫

一橋大学法学部卒。元ナイキ・インハウスロイヤー、エンターテインメント・ローヤーズ・ネットワーク会員、日本スポーツ法学会会員 他。
法人の設立、商業取引(英文及び和文の各種契約の作成・レビュー、ブランド保護、偽物対策、独禁法のアドバイス等)、人事労務、コンプライアンスについて、経験豊富。

薬機法とは?

薬機法とは、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言い、2014年に「薬事法」から名称が変更となりました。 

その名の通り、医薬品、医療機器等の品質と有効性および安全性を確保する他、下記を目的に製造・表示・販売・流通・広告などについて細かく定めた法律です。

  • 保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止
  • 指定薬物の規制
  • 医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進

注意したいのは、薬機法は、医薬品や医療機器だけでなく、医薬部外品、化粧品などの定義も定め、健康食品の規制にも活用される点。

これら商品を取り扱う際は、必ず把握しておくべき法律なのです。

2014年、薬事法改正により名称変更

薬機法は、それまでの薬事法が改正され、 2014年(平成26年)11月、名称変更と共に施行された法律です。

この改正は、医薬品、医療機器等を取り巻く環境の変化、再生医療の実用化に向けた動きに対応するための措置でした。

具体的な改正のポイントは、以下3点。

  • 医療機器の承認等についての医療機器の特性を踏まえた制度の創設
  • 再生医療等製品の新設
  • 安全性に関する規制の強化

従来からの規制対象でもある、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器と合わせて、ますます製造業者・販売業者の法令に関する懸念、悩む機会が増えている領域です。

また、改正薬機法に基づき2021年8月より課徴金制度が導入されたため、より注視しなければならなくなりました。 

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薬機法が規制する対象と定義

薬機法は、基本的には医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の品質・有効性および安全性を確保することを目的とした法律です。

従って、そもそもそれらの定義を理解することが出発点。

下記に薬機法が規制する主要な対象物を定義した条文を抜粋しましたので、ご参考にください。

医薬品の定義(第2条1項)

この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。

  1. 日本薬局方に収められている物
  2. 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、 一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)
  3. 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)

医薬部外品の定義(第2条2項)

この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。

  1. 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第(2)号又は第(3)号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止 ロ あせも、ただれ等の防止 ハ  脱毛の防止、育毛又は除毛
  2. 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第(2)号又は第(3)号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
  3. 前項第(2)号又は第(3)号に規定する目的のために使用される物(前2号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの

化粧品の定義(第2条3項)

この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第1項第(2)号又は第(3)号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。

医療機器の定義(第2条4項)

この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。


引用元:昭和三十五年法律第百四十五号 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律厚生労働省

※第2条では、その他にも再生医療等製品など、細かく定義が定められています。
たとえば、自分の幹細胞から作った関節痛を防止するシート、といったものです。
※いわゆる健康の保持増進に役立つ食品を「健康食品」と言いますが、薬機法上 の定義はなく、一般食品と同じ扱いです。
ただ、健康食品に関して医薬品のような効果を訴求していると、本来的には健康 食品ですが法律上は未承認・無許可医薬品として扱われます。
ですので「ガンが治る」と言って健康食品を売っていると刑事事件になる事もありますが、その場合には「無許可の医薬品を販売していた」といった報道が行われます。

薬機法を違反した場合の行政処分について

命令行為(私人に対し作為・不作為を命ずるもの)

業務改善命令、業務停止命令、解任命令、廃棄命令 等

  • 報告命令(69条)
  • 緊急命令(69条の3)
  • 廃棄命令(70条)
  • 回収命令(70条)
  • 検査命令(71条)
  • 改善命令(72条、72条の4等)
  • 中止命令(72条の5)
  • 管理者等変更命令(73条)
  • 業務停止命令(75条、75条の2)

形成行為(私人に対し法的地位を設定するもの)

免許、免許の取消 等

  • 承認取消(74条の2)
  • 許可・登録取消(75条、75条の2)
  • 外国製造医薬品等の製造販売の承認の取消し(75条の2の2)
  • 医薬品等外国製造業者及び再生医療等製品外国製造業者の認定の取消し(75条の4)
  • 医療機器等外国製造業者の登録の取消し(75条の5)

行政罰

行政上の秩序罰(過料)

  • 過料(91条)

薬機法上の広告規制

医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の広告規制は、薬機法第66条〜68条で定められています。

2021年8月からの改正薬機法に基づいて、薬機法第66条に違反した場合は違反対象商品の売上の4.5%に相当する額の課徴金が行政の裁量で課せられますので注意が必要です。 

誇大広告の禁止(第66条)

  1. 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
  2. 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
  3. 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

特定疾病用の医薬品及び再生医療等製品の広告の制限(第67条)

  1. 政令で定めるがんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品又は再生医療等製品であつて、医師又は歯科医師の指導の下に使用されるのでなければ危害を生ずるおそれが特に大きいものについては、厚生労働省令で、医薬品を指定し、その医薬品に関する広告につき、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法を制限する等、当該医薬品の適正な使用の確保のために必要な措置を定めることができる。
  2. 厚生労働大臣は、前項に規定する特殊疾病を定める政令について、その制定又は改廃に関する閣議を求めるには、あらかじめ、薬事・食品衛生審議会の意見を聴かなければならない。ただし、薬事・食品衛生審議会が軽微な事項と認めるものについては、この限りでない。

承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止(第68条))

何人も、第14条第1項又は、第23条の2の5第1項若しくは第23条の2の23第1項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第14条第1項、第19条の2第1項、第23条の2の5第1項、第23条の2の17第1項、第23条の25第1項若しくは第23条の37第1項の承認又は第23条の2の23第1項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。


引用元:昭和三十五年法律第百四十五号 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律厚生労働省

広告規制の対象は「何人も」

薬機法は「何人(なんびと)も」と記載あるように、広告主に限定しません。禁止される誇大広告の主体は限定されず、製造業者や販売業者だけでなく、広告を掲載するメディアも違反対象となります。
広告に関与すれば、メディアや広告代理店、制作会社のほか、アフィリエイター・インフルエンサー・ライターも規制対象となる点も注意を要します。

違反した場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が課されます。

特に注意が必要な健康食品の広告

特に注意したいのは健康食品の広告。

前述したように健康食品は、薬機法上の定義がなく、国が認めたトクホ、栄養機能食品、機能性表示食品を除いて一般食品と同じ扱いです。

従って「バストアップサプリ」のように、効果効能を標榜した広告をして販売すると、法律上、医薬品とみなされます。

結果、無免許での医薬品販売のみならず、未承認の医薬品広告を禁止する第68条違反になります。

こちらの罰則も、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が課されます。

実際の監視については、厚生労働省が各地方自治体に通知している「医薬品等適正広告基準」に基づいて運用されていますので、薬機法と合わせてキャッチアップし、広告作成に活かしましょう。

押さえておきたい広告作成のチェックポイント

前述の通り、健康食品の広告には注意が必要です。また、健康食品以外にもサプリメントや化粧品、マスク等の雑貨といった生活に欠かせない商品の広告作成の際は薬機法以外にも確認しておくべきことが多岐に渡ります。
広告作成時にチェックしておきたいことの解説と各種分野の広告をする際のOK・NG表現例などまとめた以下のページもぜひご覧ください。

【薬機法】化粧品・コスメ広告のチェックポイント
▶【薬機法】雑貨(雑品)広告のチェックポイント(準備中)
▶【薬機法】健康食品広告のチェックポイント(準備中)

薬機法的な効果効能がうたえる「機能性表示食品」

こうした薬機法上の広告規制をクリアし、効果効能(機能性)をうたうため、現在、注目を集めている手段があります。

それが、消費者庁管轄で2015年4月にスタートした「機能性表示食品」制度。

消費者が、正しい商品選択ができるように、安全性の確保や科学的なエビデンスをそろえることなどを条件に、一定の効果効能をうたうことを認める制度です。

薬事法ドットコムでは、薬機法にまつわるソリューションの一環として、下記サービスも手がけていますので、ぜひご相談ください。

 

  • 機能性表示食品の届出コンサルティング
  • 機能性表示食品の届出書類作成
  • エビデンス作成(SR・RCT)

薬機法における広告とは

薬機法における広告の3要件

  • 顧客を誘引する (顧客の購入意 欲を昂進させる)意図が明確であること
  • 特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
  • 一般人が認知できる状態であること

 

参考:https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/koukokukisei/dl/index_d.pdf

 

個々の要件について説明しましょう。

要件1 顧客を誘引する (顧客の購入意 欲を昂進させる)意図が明確であること

「商品を販売しよう」という目的が明確に見えるということです。
逆に、ある健康食品の効果を学会で発表した論文のようなものは「商品を販売しよう」という目的ではないので、この要件を充足せず、広告ではないと言えます。

要件2 特定医薬品等の商品名が明らかにされていること

商品名が明らかにされているかどうかは総合的に判断されます。

たとえば、無料サンプル提供の広告に反応した人にまず「成分の効能を述べる冊子」を送り、その翌日に「効能なしの商品チラシ」を送るという場合。

「成分の効能を述べる冊子」だけを見れば商品名が無いためこの要件を満たしていませんが、
翌日に「効能なしの商品チラシ」を送っているところから、”冊子とチラシは一体”と見ることが可能となるため「成分の効能を述べる冊子」に商品名が書かれていなくても、商品名があるのと同視されます。

要件3 一般人が認知できる状態であること

この要件は広く解釈・運用されており、実際には非該当例はありません。
たとえば、厚労省平成26年5月22日通知では、IDやパスワードを入力しないと入れないサイトでも一般人認知はある、とされています。

薬機法を知るべき理由、知らないことのリスク

いくら魅力的な医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器その他、健康食品、ビジネスモデルを持っていても、薬機法を知らなかったばかりに、違反となるとどうなるでしょう?

前述した罰金だけでなく、行政指導や製品回収・広告中止による損害、レピュテーションリスクなど、事業運営に多大な影響を及ぼします。

従って、外部専門家と連携し、日頃からチェック体制やいざという時の対応スキームを整備しておくことが大切です。

薬機法で困ったら、薬事法ドットコムへ

課徴金制度スタートにともない、当アカウントでもSNS発信したところ、多くの反響をいただいており、準備・対策を進めている事業者も多いです。

繰り返しになりますが、薬機法の規制対象は「何人(なんびと)も」と記載あるように、広告主に限定しません。

広告に関与すれば、メディアや広告代理店、制作会社のほか、アフィリエイター・インフルエンサー・ライターも規制対象となる点も注意を要します。

こんな悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。

  • 自社がどの程度薬機法リスクがあるのか分からない
  • 広告表現チェックはできても、良い代替表現が見つからない
  • チェックやマニュアルに基づくの法令遵守体制をつくりたい
  • 社員教育やセミナーをして欲しい
  • 課徴金制度を踏まえた、売上アップの方法を知りたい

薬事法ドットコムは、国内最高峰の薬事コンサルティング企業として、高級官僚OB(大蔵省・厚生省・警察庁)、元検事長・政府委員など、法律・行政・医学・統計学・マーケティングの権威が集結。

最新の動向を踏まえ、マーケティング効果と法令遵守のバランスを第一に考えたコンサルティングを提供いたします。

「何を相談したら良いか分からない」という疑問から、まずはお気軽にお問合せください。

この記事の監修を担当した弁護士

西脇 威夫

リップル法律事務所
弁護士 西脇威夫

一橋大学法学部卒。元ナイキ・インハウスロイヤー、エンターテインメント・ローヤーズ・ネットワーク会員、日本スポーツ法学会会員 他。
法人の設立、商業取引(英文及び和文の各種契約の作成・レビュー、ブランド保護、偽物対策、独禁法のアドバイス等)、人事労務、コンプライアンスについて、経験豊富。

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