プレゼント等のルール

1. 対価性のあるもの

体験談を書いてもらったことに対する謝礼のように対価性のあるものについては景品・懸賞の規制は適用されず自由です。

2. 対価性の無いもの(プレゼント)

2-1.取引付随性のないもの(オープン懸賞)

商品を買わなくても良い、来店しなくても良い、というような取引付随性のないもので顧客誘引のために用いられるプレゼントはオープン懸賞と呼ばれます。
従来は1000万円までとされていましたが、現在は自由です。

2-2.取引付随性のあるもの

2-2-1.抽選や優劣で選ぶもの(クローズド懸賞)

くじ等の抽選やクイズの回答等の優劣によって選んでのプレゼントはクローズド懸賞と呼ばれ、次のような基準があります。

懸賞による取引の価額景品額限度額(最高額)景品額限度額(総額)
5000円未満取引価額の20倍懸賞に係る売上
予定総額の2%
5000円以上10万円

2-2-2.非懸賞(総付景品)

懸賞によらないで提供する(購入者、来店者)プレゼントは総付景品と呼ばれ次のような基準があります。

取引の価額景品額の最高額
1000円未満200円
1000円以上取引価額の20%
対価性判断フロー

実例

次の3つの例を考えてみましょう。
景表法違反となるのはどれでしょうか?

ケース1:商品A(1000mL、1000円)の量を1.5倍にして同じ値段(1000円)で売る


ケース2:今なら商品Aを買った人にもう1個Aをプレゼント


ケース3:今なら商品A(1000円)に商品B(500円)がついて1000円でご提供

<ケース1>品の量を増やして同じ値段で販売

これは増量割引と呼ばれるもので、増えた分は景品とは考えません。
(概念としても「景品」というのは独立したものです)
景品ではないので景表法はカバーしません。

では、やりたい放題か?というと、そうではありません。

増量割引は値引きと考えます。
つまり、普通は1000mLを1000円で売っているので、
1500mLならば1500円になるはずです。

値引きについては、
「不当廉売に関する公取の見解」があります。
薬事法ドットコム・薬事法ルール集12,13 をご覧下さい)

違法か合法かの判断基準は複雑ですが、
仕入れ価格が重要なファクターになります。

つまり、1500mLの仕入価格(原価)が1000円以下なら、原価割れをしないので
このプライシングはOKですが、そうでなければNGです。

<ケース2>購入者にもう1個プレゼント
<ケース3>おまけをつけて同じ値段で販売

 

ケース1からすると、
1000mL1000円の商品Aについて今だけ2000mL1000円という形で売るのは
増量割引であり景表法は無関係ということになります。
(それで原価割れでなければ増量割引としてもOK)

では、「今なら商品Aを買った人にもう1個Aをプレゼント」とするのはどうでしょうか?

また、「今なら商品Aに商品Bがついて1000円でご提供」とするのはどうでしょうか?

次のQ&Aをご覧下さい。

ONE to ONEは景品?値引き?

<質問>

景品だと景表法の規制を受け、値引きだと受けないそうですが、次の例はどうなのですか?

(1)いわゆるONE to ONE。1万円の美容液1本買った人にその美容液をもう1本プレゼント

(2)1万円の美容液2本買った人にその美容液をもう1本プレゼント

(3)1万円の美容液1本買った人に5000円の化粧水プレゼント

<回答>

  1. お問い合わせの例は景品だと総付景品となり元の商品の売価の2割、つまり2000円以下のものしか景品とできません。よって、(1)(2)(3)が景品に該当するとアウトです。
  2. しかし、(1)については「ONE to ONEは値引きと見る」という例外があります。つまり、「景品類等の指定の告示の運用基準について」(pdf資料は消費者庁のサイトから。)の運用基準P4には、
    1「ある商品の購入者に対し、同じ対価で、それと同一の商品を提供すること」をOKとし、
    2「実質的に同一の商品を提供する場合及び複数回の取引を条件として付加して提供する場合を含む」
    としています。【(3)ウ 参照】。
    2の例として、「CD3枚買ったらもう1枚進呈」が挙がっているので、1、2とも「プレゼント」と言って構いません。
    よって、(1)(2)とも値引きとなりセーフです。
  3. 他方、(3)のようにあげる物が別商品のときは話は別です。
    これについて、運用基準P3には、
    「商品を2つ以上組み合わせて販売していることが明らかな場合」
    は景品ではないとの記述があり【(5) 参照】、
    「ハンバーガーとドリンクをセットで○○円」という例があがっています。
    ただし、景品と認識される仕方で提供する場合は、景品に当たるとしています。
    よってこちらは「プレゼント」という表記ではNGゆえ、(3)はNG。
    但、「美容液と化粧水セットで10,000円」と表示すればOKということになります。