ヘルスケアコンサルティングNo.1(新興分野)
メニュー
03-6274-8781 平日9:00〜18:00(土日祝日を除く) 閉じる

『厚労省が厚生科学審議会部会で、売り上げ算定課徴金は「バルサルタン」がきっかけと指摘』

【2018.11.22】
『厚労省が厚生科学審議会部会で、売り上げ算定課徴金は「バルサルタン」がきっかけと指摘』

 厚生労働省が22日、虚偽や誇大な広告など不正を働いた製薬会社に課徴金を課す制度の導入は、不当に巨額の利益を得た企業の「逃げ得」を防ぐのが目的と、厚生科学審議会部会で示したとのことです。

 きっかけとなった降圧剤「バルサルタン」を巡るデータ改ざん事件では、改ざんされた臨床研究の結果が医師向けの販売資料に使われたとのことで、バルサルタンは累計1兆4000億円も売り上げたが、薬事法(今の薬機法)で規定された虚偽・誇大広告での罰金は最高200万円でしかないうえに、同法違反で起訴された元社員とノバルティスファーマに対し、東京高裁は19日、改ざんは否定しないものの「学術論文は広告でない」と判断したためで、刑事罰を適用するハードルは高いとして、無罪を言い渡したとのことです。

 また、武田薬品工業も、15年に別の降圧剤の誇大広告で厚労省から業務改善命令を受けているとして、一連の問題で、国会では「何らかの形で還元させるべきだ」という意見が続出したとのことです。高裁判決も「弊害に鑑みて何らか規制をする必要がある」と、異例の言及で法整備を促していたとのことです。

 国が参考にした米国では、製薬大手グラクソ・スミスクラインが抗うつ薬の広告違反に罰金など30億ドル(約3000億円)を課された例があるが、米国や欧州連合(EU)では、罰金や制裁金は不当に得た利益に応じて大きくなり、日本でも一般の商品には売り上げから算定する課徴金制度があるとのことです。

 全国薬害被害者団体連絡協議会代表世話人の花井十伍さん(56)は「課徴金は企業として痛手となり、不正の抑止力になる」と導入を評価したが、製薬業界の関係者は「製造業の中で製薬業界だけを対象にするのはいかがなものか」と不快感をにじませたとのことです。

薬機法・景品表示法・特定商取引法・医療法などに関する業界ニュースをもっと見たい方はこちら!