薬事法のお悩みを解決いたします。

規制を理解する REGULATION

PART03

プログラム・アプリに対する規制

これまでは健康美容プロダクトは「物」しかなかったのですが、最近になって、スマホのアプリのようなものが登場してきました。
こうなると、「物」を対象とした基準ではフィットしないので、厚労省は平成26年に医療機器の中に「プログラム医療機器」というカテゴリーを設け、そのガイドラインを示しました(薬事法ルール集8-S)。
これに該当すると、勝手に製造して販売することができなくなります。

基準

ガイドラインが示されたのはいいことなのですが、きわめてアバウトで、ボーダーのところはあえて避けている感じです。
しかし、ビジネスの世界ではそんなことは言ってられないので、分析して基準をひも解いてみましょう。まず、データを医師に送って医師の診断を仰ぐ仕組みは、疾病の予防・診断に該当するので、医療機器扱いです。

次に、健康診断などで測定した血圧や血糖値などのデータを蓄積して整理するのは、非医療機器扱いです。

問題は以下のようなバターンの場合です。

  • A.何かを測定して

  • B.何かをアウトプットする

これに関して、ガイドラインは、2つの参考になる事例を示しています。

  • 01.携帯情報端末内蔵のセンサ等を利用して個人の健康情報(体動等)を検知し、生活環境の改善を目的として家電機器などを制御するプログラム

  • 02.携帯情報端末内蔵のセンサ等を用いて、体動を検出するプログラム(一般医療機器の「体動センサ」と同等の機能を発揮するプログラム)

上記参考事例からすると以下のような推測が立てられます。

Aの「何かを測定して」の測定するものは、体動のように物理的なものでなければならないように思います。血圧や血糖値を測定するものは通常医療機器とされていますので、その観点からも、物理的なものに限られると思います。

Bの「何かをアウトプットする」のアウトプットも体に直接かかわるものは避けた方がよさそうです。

01のプログラムでは、眠りの深さに応じて照明が変わることが想定されています。
「心地よい寝覚めの環境を整える」という切り口ですが、このあたりがボーダーだと思います。

次へ

3/3ページ